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クリエイター向けノートパソコンで10コア/12スレッドのCore i5-1235Uを採用

荷物が多い人に朗報! 14型で1kg以下のノートPCで外でも快適作業

2022年12月12日 09時00分更新

文● 周防克弥 編集●八尋/ASCII

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「SENSE-14FH120-i5-UXSX」

 ユニットコムが展開するクリエイター向けパソコンブランド「SENSE∞」から、インテルの第12世代Coreプロセッサーを搭載した14型ノート「SENSE-14FH120-i5-UXSX」が販売中だ。今回試用する機会を得たので、その使用感と性能をレポートしよう。

 SENSE-14FH120-i5-UXSXは、CPUにCore i5-1235Uを採用している。デスクトップ用では、すでに第13世代Coreプロセッサー搭載機が登場しているが、ノートパソコンは、現段階ではまだ第12世代が最新モデルだ。ノート用の低消費電力型のCPUだが、デスクトップ用と同じくPコアとEコアの2種類のコアを搭載。処理の負荷に合わせて使い分けることで、高い処理能力と低い消費電力を併せ持つ、まさにノートパソコンにとって理想といえるCPUになっている。

 最近のCPUは処理能力が高く、ある程度高負荷な処理でも難なくこなせる能力を持っているが、パソコンを使った作業はすべて負荷が高いわけではない。しかし普通のWebブラウジングやメールチェックなど、比較的軽い作業から3D系のゲームまで、すべての処理を高性能なCPUで処理していては、作業は快適だが処理によっては性能過多なことがある。

 ノート型、とくにモバイルマシンでは、そのせいで電力消費が余計に増えてしまうことも。モバイル環境での使用は、少しでも電力消費を抑える必要があるので、性能を重視したCoreと電力消費を抑え効率を重視したCoreを使い分け、長い稼働時間(バッテリー駆動時間約9.7時間)を確保できるのは、魅力的だ。

 では、SENSE-14FH120-i5-UXSXの外観をチェックしていこう。本機は黒一色のシンプルなデザイン。14型ディスプレーを採用し、1kgを切る約0.93kgという軽量かつ薄型のボディーは、収納場所を選ばず携帯性に優れた筐体になっている。材質はマグネシウムとアルミニウムの合金製で、軽く頑丈に仕上がっており単体で持ち運ぶのはもちろん、ほかに仕事道具と一緒に持ち運ぶ際にも邪魔にならず、余計な負荷を増やすこともない。

背面は中央にロゴが入っているのみでシンプル。全体的に黒一色で、反射しにくいようマットな仕上げになっている

 14型ながら、狭額縁デザインということもあり、設置面積(フットプリント)はおよそ幅322mm×奥行き218mmとコンパクト。高さも、ゴム足含めて約19.6mmとかなり薄い。第12世代Coreプロセッサーを採用したことで、発熱を抑えることができ、薄くできているのだろう。

厚さはゴム足含めて約19.6mmとかなり薄い

正面と背面にはインターフェースが備わっていない

ディスプレーは3辺狭額ベゼルを採用している

 また、小型軽量で薄いボディーながら、インターフェイスは十分な数が用意されている。

 付属のACアダプターを接続する電源コネクターに外部ディスプレー出力用のHDMI端子、ヘッドフォンの入出力端子、microSDカードスロット、USB 3.0、USB 3.1、Thunderbolt 4に対応したUSB Type-C端子を、それぞれ1基ずつ配置。モバイルノートパソコンにしては、十分な数といえるだろう。

右側に電源コネクター、HDMI、USB Type-A、Thunderbolt 4を備える

左側にmicroSDカードリーダー、ヘッドフォン端子、USB Type-Aを備える

 給電にはACアダプターが付属しているが、USB Type-C端子による給電も可能で、65W出力以上のアダプターを用意すれば、Type-Cから電源供給や充電が可能になっている。欲をいえばACアダプターは廃止してUSB Type-Cでの電源供給のみにして、Type-C端子を2つ用意してくれたら、もう少し汎用性は上がるかもしれない。

 最近はType-C接続の外付けストレージも一般化してきているので、複数のType-C接続ストレージを接続できたほうが、高速にデータ転送が行なえる。そのため、Type-C端子が2基あると何かと便利だからだ。とはいえ、付属のACアダプターはコンパクトなので、別途Type-C対応アダプターを用意しなくても、そこまでカバンの中でかさばったりすることはない。

 また、基本的なインターフェースだけでなく、ディスプレー上部には約200万画素のWebカメラを備えており、ビデオ会議や配信作業も利用可能になっている。なお、薄型ボディーの関係でインターフェースから有線LAN端子が省かれてしまっており、有線LAN端子を利用するには有線LAN端子付きのポートリプリケーターやUSBType-Cから変換するアダプターを利用する必要がある。しかし、どうしても有線LANでなければいけないということも、最近は少ない。

ディスプレー上部に約200万画素のWebカメラを備えている

 本機の無線LANはWi-Fi6(IEEE802.11 ax/ac/a/b/g/n対応)に対応しており、Bluetooth 5.0も採用されているので、そうそう使って困ることはないと思われる。

 ディスプレーはノングレア処理がされており、屋外の周囲が明るい場所でも映り込みが少なく、作業の妨げにならない。また天板も含め本体の表面処理も、反射の少ないマット処理になっているので、目立ちにくいのも好印象だ。筆者はカメラマンでもあり、ロケやスタジオにパソコンを持ち込む事が多いが、本体がマット処理された黒一色なのは、被写体への映り込みの心配が減るのでありがたい。

ノングレア処理されたディスプレーで、外出先でも作業しやすい

 ノート型パソコンの重要なパーツといえば、キーボードだ。あくまでも個人的な考えだが、ノートパソコンでは好みのキーボードに交換できないため、打鍵感や配列は重要課題の1つになっている。

 本機のキーボードは、14型なのでテンキーはないが、日頃からデスクトップパソコンでもテンキーなしのコンパクトタイプのキーボードを利用している筆者には、好みに近いキーボードだった。

テンキーはないが、14型のサイズにうまい具合に配置されていると感じる。一部キーは横幅が狭いため慣れが必要な点はあるが、操作性は良好だ

 十字カーソルとその隙間に配置されている「PgUp」「PgDn」が上下に狭く、スペースキーおよび右側のキーも、若干ほかのキーよりも狭い。しかし、使用頻度が低いキーなので、狭くても問題は感じない。あと、右側のシフトとリターンの2つも狭く、この辺は慣れの必要かもしれない。打ち心地そのものはいい感じで、適度なクリック感と重さがあり、キー操作に不満は感じない。

 SENSE-14FH120-i5-UXSXは、基本的な部分に不満を感じる部分はなく、必要十分な機能がそろっていると思えた。CPUがCore i7ではなく、より消費電力の低いCore i5-1235Uなのは、トータルで処理能力に特化したのではなく、消費電力や発熱性を考慮してのことだと思われる。

 基本構成ではメモリーが16GB、ストレージがNVMe対応の500GB SSDという構成で、価格は13万9800円(12月11日現在)から。モバイル環境での作業性を重視するユーザーには、まさにオススメのパソコンになっている。

 ベンチマークや実作業の評価は次回以降に行なうとして、セットアップをした感じでは、性能面での不満も感じなさそうな気がした。筆者の本業はカメラマンで、日常的にカメラ機材を詰め込んだリュックにノートパソコンも入れているが、普段使っている14型ノートパソコンは重量が約1.4kgほどあり、なんとなく重いような気がしていた。しかし、本機の試用期間中はしばらく入れ替えて使ってたところ、わずか400g程度の差だが明るい標準ズーム1本分の重さくらいで、移動時の軽快さに結構影響した。

 カメラマンに限ったことではないが、日常的にパソコンを持ち運ぶ人にとって出先でも作業効率が下がることな、く快適に仕事ができるので、場所を選べない仕事をしている人にとって、SENSE-14FH120-i5-UXSXは最適な1台ではないだろうか。

試用機の主なスペック
CPU Core i5-1235U(最大4.4GHz)、10コア/12スレッド
グラフィックス インテル Iris Xe グラフィックス
メモリー 16GB(8GB×2)
ストレージ 500GB SSD(M.2接続/NVMe対応)
ディスプレー 14型(1920×1080ドット)、ノングレア
通信規格 無線LAN(IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n)、Bluetooth 5.0
内蔵ドライブ
インターフェース USB 3.1、USB 3.0、Thunderbolt 4、HDMI、ヘッドフォン出力/マイク入力、microSDカードリーダー
サイズ/重量 およそ幅322×奥行218×高さ19.6mm/約0.93kg
OS Windows 11 Home(64bit)

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