マツダの多人数乗用車「CX-8」が大幅商品改良し、12月下旬に発売を開始する。今回は一足先に、その魅力度が大幅アップした内容をお伝えする。
マツダ独自の安全基準を元に
安全性能とデザインをブラッシュアップ
CX-8は3列シートを備えたSUV。2017年の登場以来、マツダの国内向けSUVの最上位モデルとして、人気を集めてきた。その理由の1つが、多人数乗車に対応できるという点だ。5名以上が乗車できる乗用車の代表がミニバンになるが、ファミリー色が強すぎるなど受け入れづらい顧客は一定数存在する。そうしたユーザー層にとって、多人数SUVは魅力的な選択肢。中でもマツダのCX-8は居住性の高さはもちろんのこと、安全性の高さでも支持されている。
その理由として、日本国内の法規よりも厳しい独自の安全基準を設けている点が挙げられる。マツダによると追突事故の99%は80km/h以下で発生しているという。そこで80km/h、70%のオフセット衝突で「燃料が漏れないこと」「最後席の生存空間が確保されていること」「非衝突側の後席ドアが人力で開くこと」を基準に開発されている。
今回の大幅商品改良では、デザインの進化、ダイナミクス性能の進化、安全性・利便性の向上、グレード体系の見直しがなされた。
まず、デザインの進化について。フロントグリルは、より上級SUVにふさわしい力強さと上質さを表現するべく、シャープでモダンなブロックメッシュパターンを採用。また、リアコンビランプとバンパーの形状を見直し、全幅を活かしきるワイドなプロポーションへと変更された。そしてCX-60から導入した「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」がボディカラーに追加された。
ダイナミクス性能の進化は、従来の「NORMAL」「SPORT(SKYACTIV-G のみ)」に加え、新追加されるグレード「Grand Journey」(後述)に、キャンプ場などの不整地において高い走破性を発揮する「OFF-ROAD」を設定。また、SKYACTIV-G 2.5Tモデルは、パワートレインの制御を見直し、よりアクセルペダルの操作力を最適化。サスペンションもダンパーとスプリングの特性を見直し、疲れや車酔いの低減を目指したほか、ドライバビリティーの向上も果たしているという。
さらに前席シートを見直し、より着座姿勢を安定させて上体の安定性を向上させている。
安全性・快適性の向上では、夜間の視認性を高めるべくアダプティブ・LED・ヘッドライトのハイビームLEDを12分割から20分割へと微細化。また、追従走行機能とステアリングアシスト機能を有したクルーズ&トラフィック・サポートを搭載した。
利便性の面では、ワイヤレスでのApple CarPlayを機能追加したほか、USB端子をType-C形状に変更している。