近畿大学情報学部棟に見守りセンシングシステムを導入。学生生活をサポートするAI技術の開発に取り組む
株式会社バカン
近畿大学情報学部(大阪府東大阪市)は、学部棟(E館)に導入した「見守りセンシングシステム」を活用し、学生生活をサポートする人工知能(AI)技術の開発に取り組みます。このシステムは、公共空間のモニタリングシステムを開発・販売している株式会社バカン(東京都千代田区)の協力を得て導入したもので、大学建物内に研究用途で設置されたものとしては最大規模です。
1、本件のポイント
● 情報学部棟に大学では最大規模の見守りセンシングシステムを導入
● 本システムを用いて、AI技術を用いた行動認識と、情報提供システムの開発を実施
● 本システムを活用して、株式会社バカンと協力し社会で稼働するシステム構築について学生が学べる機会を提供
2、本件の内容
情報学部棟(E館)に導入した見守りセンシングシステムは、IoTやAIを活用して混雑緩和や導線把握を行うシステムで、首振りカメラ25台、魚眼カメラ10台、サーマルカメラ2台から構成されています。これらのカメラを、エントランス、オンデマンドサロン、esports Arena、i-COREといった情報学部の特徴的な施設と、学生が日常的に研究を行う壁なし研究エリアに設置しました。本システムの設計・設置には、人やモノの混雑状況の自動取得や解析を行うプラットフォームを開発・提供している、株式会社バカンの協力を得ました。
今後、このシステムを用いて、情報学部情報学科(コンピュータビジョン研究室)准教授 波部斉が中心となり、AI技術を用いた行動認識と、それをもとにした情報提供システムの開発を行います。それにより、学生が自由に利用する場所での混雑状況の自動把握や混雑回避の誘導、人物の動きによってコンテンツが動的に変化するインタラクティブなメディアアートなどに活用していく予定です。
また、情報学部のゼミや卒業研究においても、本システムを用いて、AIの基礎技術の研究開発や、学生の柔軟な発想を取り入れた斬新なアプリの開発を行います。その際には、株式会社バカンと協力し、社会で稼働するシステムを構築するノウハウについて学生が学べる機会を提供します。
3、情報学部施設
■オンデマンドサロン
多様な授業形態に対応可能な、学生が自由に利用できるスペース。情報学部では、文部科学省が定める上限の60単位までメディア授業を実施しており、時間に縛られない効率的な学びを促進します。
■esports Arena(イースポーツアリーナ)
全学生が利用できるこのesports施設では、プレイヤーとしての技術を向上させることはもちろん、最新の照明・音響・配信機器を完備しているため、イベントの企画運営などを通じて、esports関連の様々な知識を身につけることができます。
■ i-CORE(アイコア)
高性能のプロジェクターを設置した、壁面4面が大画面スクリーンとなるデジタルコンテンツ空間。学生のプログラミングによる作品を展示するだけでなく、研究発表の場としても活用することで、プレゼンテーション技術を身につけます。
■壁なし研究エリア
閉鎖的な大学の研究室のイメージを刷新したいと考え、物理的な垣根(壁)を取り除きました。学部生や大学院生、教員など様々な人が好きな時間に好きな場所で研究に取り組み、自然にディスカッションが生まれるような空間を創出します。
4、株式会社バカン
IoT、AIを活用して飲食店やトイレ、観光地、避難所、投票所などあらゆる場所の空き状況を検知し、サイネージやスマートフォンに配信しています。他にも混雑の抑制や管理など含め、空きや混雑情報を起点とした「待ちをなくす」サービスを提供しています。
所在地:東京都千代田区永田町2丁目17−3 住友不動産永田町ビル2階
代表者:代表取締役 河野 剛進
設立:平成28年(2016年)6月8日
事業内容:IoTとAIを活用した「待ちをなくす」DXサービスの提供
ホームページ:https://corp.vacan.com/
5、本資料の配布先
大阪科学・大学記者クラブ、東大阪市政記者クラブ、文部科学記者会、科学記者会