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地域ごとにバラエティーに富んだ農産物が楽しめる「農産物を買Walker2023」発売! 第2回

最年少野菜ソムリエプロが野菜の“旬”の魅力を紹介。「農産物」を知って、買って、食べて楽しむことに特化したムック「農産物を買Walker」第2弾発売中

2022年11月03日 15時00分更新

文● 木村敬(ウィット) 撮影●渡邊明音 編集●大場徹(サンクレイオ翼)

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野菜ソムリエプロとして活躍中の緒方湊くん

 KADOKAWAは、日本全国の農産物を地域ごとにピックアップして紹介するウォーカームック「農産物を買Walker2023」を発売中。

 第2弾となる2023年度版は、農業を愛する俳優・杉浦太陽さんがこれまでの農業体験や好きな農産物を語り尽くすほか、最年少野菜ソムリエプロ・緒方湊くんによる旬の野菜紹介も掲載。さらに、注目の加工品や調味料、話題のふるさと納税返礼品カタログなど、野菜に関連する情報も盛りだくさんの内容となっている。

 今回、「農産物を買Walker2023」の本誌から野菜ソムリエプロ・緒方湊くんのインタビューを抜粋して掲載する。

最年少野菜ソムリエプロ・緒方湊が教える、野菜の“旬”の魅力とは?
(「農産物を買Walker2023」本誌から抜粋)

 テレビやSNS、イベントで活躍中の最年少野菜ソムリエプロ・緒方湊くん。現在発売中のウォーカームック「農産物を買Walker 2023」にも登場し、全国で野菜の魅力を伝える彼に、野菜を“旬”に食べることの意味、全国で作られる“伝統野菜”の魅力など、野菜選びが楽しくなる知識を教えてもらった。

――野菜のことが大好きになった、そもそものきっかけを教えてください。

緒方 特別なきっかけはなく、気付いたときには野菜が大好きで、小学1年生のときに近所のレンタル農園で野菜作りを楽しんでいました。その農園にはインストラクターさんも常駐されていたので、野菜作りの基本を学ばせてもらいました。6年生になって、レンタル農園では作れない珍しい品種を育ててみたくなって自宅で野菜を育て始めました。

――お気に入りの珍しい品種は、どんな野菜ですか?

緒方 例えば愛知の「ファーストトマト」がお気に入りです。お尻がツンととがっていて、果皮が薄くて傷付きやすく輸送が難しいため市場に出回りにくいので、自分で育てて収穫して食べています。ほかに、新潟の「十全なす」もお気に入りです。小さい卵形で、水分が豊富で搾ったらジュースにして飲めそうなくらいみずみずしくて、よく生で食べています。ほんのり甘くておいしいですよ。

――そういった珍しい品種の野菜を育てるのは難しくないですか?

緒方 僕が作りたいと思う野菜は、日本各地のそれぞれの地域で長く愛されてきた伝統野菜が多いです。そういった野菜はその土地の特性や気候といった環境に合った野菜が多いため、家庭菜園で作るのは非常に難しいです。例えば、北海道に札幌大球という大きなキャベツがあり、大きなものだと重さが20キロにもなるのですが、うちの庭で育てたときは3キロほどにしか育ちませんでした。だからこそ、伝統野菜はその土地や気候に合った野菜なんだなということを改めて実感しました。

――そうした経験から感じる、野菜作りの魅力とはどんなことでしょう?

緒方 どんな種から、どんな野菜が育つのかを観察できるのが楽しいですし、収穫したてを食べられること、それからキュウリを完熟させて自家採種したり、いろいろな体験を自由に楽しめるのも魅力だと思います。黄色く完熟したキュウリは一見すると、硬くて苦そうに思えるのですが、ポリッとした食感でおいしいんですよ。

自宅の庭で、四季折々さまざまな野菜&フルーツを育てている

――野菜ソムリエの資格を取ろうと思ったのはどうしてですか?

緒方 レンタル農園のインストラクターさんに教えてもらい日本農業検定を受けたのですが、「ほかにも何かないかな…」と両親が調べてくれて、その中で野菜ソムリエが「野菜に詳しくなれそう」と思えて、資格を取りました。野菜ソムリエプロの資格試験の勉強は本当に大変で、野菜や調理の知識のほかに、人前で説明するときの作法や、関税やTPPなど流通の知識、栄養学や健康面から三大疾病や生活習慣病のことまで勉強しました。そうするとテキストに(小学生には)読めない漢字がいっぱい出てきて、そっちも大変でした(笑)。でも、頑張れてよかったです。これからもおいしい野菜をもっともっと紹介していきたいです。

――今、旬を意識して野菜を食べる人は少ないと思います。そこで季節ごとのおすすめを、春から順番に教えてください。

緒方 春の3~4月はトマトがおすすめです。夏野菜のイメージが強いトマトですが、旬は春と秋です。原産地が標高の高い中南米のアンデスで、本当はあまり暑さに強くないので、春や秋に流通するトマトがおいしいです。特に冬の寒さに耐えてじっくり育てられたトマトは、養分をため込んで春に流通するので、とても濃厚な味です。4~5月はニラがおすすめです。ニラは株元を少し残して収穫しますが、刈り取った後も再び成長して何度も収穫できます。最初に収穫したものを1番ニラ、次が2番ニラ、3番ニラと呼びますが、春に収穫する1番ニラが最も太くて甘いです。また、春は新ジャガの季節でジャガイモもおすすめです。主に春と秋に流通されますが、5月ごろに出るものはみずみずしくておいしいです。

――続いて、夏のおすすめはどんなものがありますか?

緒方 フルーツですがバナナが旬です。バナナは輸入ものが多く年中流通していますが、最近は沖縄などで作られた国産もよく見掛けますので、ぜひ食べてみてほしいです。

――最近は地熱発電を使って雪国でバナナを作っているといった話しを聞いたことがあります。

緒方 そういったケースではほかに、冬の北海道でマンゴーを作っているようなケースもあるそうですよ。また、奥飛騨では温泉熱でドラゴンフルーツが作られています。そこでは10種類近くのドラゴンフルーツが栽培されていて、僕も食べ比べたのですが、その味の違いに驚きました。このドラゴンフルーツも夏のおすすめです。

――フルーツ以外の夏のおすすめ野菜はどうでしょう?

緒方 フルーツ以外だと、トウモロコシですね。最近は鮮度が良く、生で食べられるものも結構見受けられますが、変わった品種で推したいのが「もちとうもろこし」。固い品種で生では食べられず、40分ほどゆでる必要があるのですが、もちもちとした食感がたまらない味わいです。ほかにも北海道に「八列とうきび」という伝統野菜があります。これは名前の通り実が一周八列に並んだ細長いトウモロコシで、札幌の方では屋台の焼きトウモロコシで販売されていたりします。

家庭菜園で、夏はスイカも栽培。大玉!

――それでは、秋のおすすめをお願いします。

緒方 まずはカブですね。大きめのものを1㎝ほどの厚みで輪切りにして“カブステーキ”にして食べます。葉も刻んで塩・こしょうで炒めて一緒に食べると最高ですよ。また、初秋はイチジクも旬ですよね。僕はモッツァレラチーズと生ハムとイチジクでカプレーゼにして食べます。それから、秋に最も楽しみにしている野菜がサトイモです。山形・真室川町の生産者・佐藤さん一家が室町時代から守り続ける一子相伝の「甚五右ヱ門芋(じんごえもんいも)」は粘り気の強いもちもち食感で最高で、僕は大好きです。

――真室川町の“食の教育大使”にも任命されていますよね。

緒方 テレビで僕が「甚五右ヱ門芋が大好きだ」と話していたのをたまたま生産者の佐藤さんが見ていて、ご連絡をいただいたのがきっかけでした。そのときは、真室川の小学校で出張授業をしてほしいとの依頼をいただき、甚五右ヱ門芋はもちろん、全国の伝統野菜のお話しをさせていただきました。

――最後に冬野菜をお願いします。

緒方 意外かもしれませんがアボカドが旬です。暖かい南米からの輸入品が多いですが、最近は愛媛のミカン畑の跡地で栽培されたものなど国産も見かけます。国産アボカドは11~12月に収穫され始めますので、ぜひ食べてみてほしいです。冬は長ネギもおいしいですよね。5㎝ほどの長さに切って豚バラを巻きつけ、鍋にずらりと並べて食べるのがお気に入りです。豚から出る脂を長ネギが吸い、最高の組み合わせです。さらにミズナを足すと、うま味を全部吸っておいしいですよ。特にミズナの原種といわれる高知の「潮江菜(うしおえな)」は食べ応えがあります。あと、ヤーコンも僕には欠かせない冬野菜です。見た目はサツマイモ、中は半透明でナシのような食感で甘みもあります。生で食べてもシャキシャキしておいしく、加熱するとより甘くなります。初めて食べたときに衝撃を受けて、「こういう野菜をもっと広めたい」という気持ちから野菜ソムリエプロの取得を目指すきっかけになった野菜です。

――四季ごとに意外な野菜もあって、とても勉強になりました。

緒方 今回いろいろな野菜をご紹介してきましたが、皆さんにも季節の“旬”のものを食べて、野菜本来のおいしさを楽しんでもらえたらと思います。

緒方湊くんも登場!「農産物を買Walker2023」好評発売中
 コメや野菜、果実や畜産物、加工品に至るまで、日本全国の多種多様な農産物をテーマごとにピックアップ。話題のふるさと納税返礼品もフォロー! 買って、食べて、取り寄せて、その魅力を堪能できる一冊。湊くんによる旬の野菜カレンダーや野菜豆知識、おすすめ伝統野菜も掲載!

▼「農産物を買Walker2023」はこちらから購入できます。
https://www.kadokawa.co.jp/product/322203000003/

農産物を買Walker2023
上記引用部:文● 木村敬(ウィット) 撮影●渡邊明音 編集●大場徹(サンクレイオ翼)
定価:781円(税込)
発売日:2022年9月26日

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