Pixel 7/Pixel 7 Pro発表! Pixel WatchはFeliCa入り! 第17回
30倍ズームも綺麗に撮影、AI技術で強力なカメラ機能を実現した「Pixel 7 Pro」
2022年10月13日 12時00分更新
ボイスレコーダーの
文字起こし精度は変わった?
そのAI技術を活用したカメラ以外の機能として注目されるのが、翻訳や文字起こしなど、言語に関する機能である。Pixel 7シリーズはPixel 6シリーズ同様、翻訳や字幕文字起こしなどの機能が引き続き用意されているが、注目されるのは自動文字起こしができるボイスレコーダー機能であろう。
ボイスレコーダーは新たに話者を認識した文字起こしに対応するとされているが、日本語だけでなく英語などでも試してみたものの、まだ認識はできておらず、対応はこれからのようだ。しかしながら、それ以外の部分でも進化を遂げているようで、新たに録音した音声の再生速度を変えたり、文字起こしした内容をGoogleドキュメントにコピーする機能などが用意されている。
これまで文字起こしの内容を他のアプリで活用するにはパソコンからWebブラウザ経由でダウンロードする必要があっただけに、後者の機能はとりわけ仕事で文字起こし機能を使っていた人などにとって非常に役立つことだろう。
ちなみにボイスレコーダーの文字起こし品質についても、以前のチップセット「Google Tensor」を搭載した「Pixel 6a」のボイスレコーダーアプリを使い、ASCII.jpのYouTubeで配信されている動画の音声を直接USB端子経由で入力、録音して比べてみた。その結果認識スピードや精度に大きな違いはないようで、音声や話し方が良ければ高い精度で認識してくれる。
ただ精度が落ちるケースも少なからずあるのに加え、突然文字起こしが数十秒~1分程度止まってしまう事象が発生することも変わっていないので、過度な期待は禁物だ。加えて執筆時点では話者認識ができていないこともあって、複数人による会話はどうしても見づらくなってしまうだけに、今後のアップデートに期待したい。
ハイエンドとして見ると性能はやや抑えめ
カメラ以外の性能面を確認すると、チップセットは「Google Tensor G2」、ストレージは128GBまたは256GB(モデルによって異なる)と、Pixel 7と共通しているが、上位モデルということもあってメモリーは12GBとなっている。
性能をゲームで確認すると、「PUBG MOBILE」ではグラフィックのクオリティーが「FHD」まで上げることができ、「原神」のデフォルト設定は「低」となっている。AI処理以外の部分は「Snapdragon 8 Gen 1」より性能が抑えめで、ディスプレーのリフレッシュレートは120Hzと滑らかな表示が可能ではあるものの、ハイエンドモデルの中ではゲーミングにやや弱いといえる。
バッテリーは5000mAhで、30Wの急速充電に加えQi規格のワイヤレス充電やバッテリーシェアにも対応するなど充実度は高い。FeliCaやIP68の防水・防塵性能にも対応しているので安心感がある。
最後にモバイル通信に関して確認すると、従来のPixelシリーズ同様eSIMと物理SIMのデュアルSIM構成となっており、5Gにも対応。Pixel 7が対応周波数帯がサブ6まで出会ったのに対し、Pixel 7 Proはサイズが大きくアンテナを増やしやすいこともあってかミリ波にも対応、日本で使われている28GHz帯(n257)にも対応するが、NTTドコモの4.5GHz帯(バンドn79)に対応しないのは相変わらずだ。
【まとめ】カメラの満足度は高いが
ハイエンドとしては気になる性能
まとめると、Pixel 7 ProはPixel 6 Proから順当に進化を遂げており、AI技術を活用したカメラ機能の進化と充実度合いは目を見張るものがある。価格は12万4300円からとPixel 7と比べれば高くなるものの、大画面とカメラを重視して選ぶのであれば満足度は高いといえるだろう。
一方で外観のデザインは大きく変わっておらず、新規性がやや薄いこと、そしてAI関連処理を除く Tensor G2の性能があまり上がっていないことが残念な点といえる。性能を求めるならSnapdragon 8 Gen 1搭載機種を選んだ方がメリットがあるだけに、ハイエンドモデルの中で選択するとなると悩ましいかもしれない。
Pixel 7(参考) | Pixel 7 Pro |
|
---|---|---|
価格 | 8万2500円 (128GB) 9万7900円 (256GB) |
12万4300円 (128GB) 13万9700円 (256GB) |
ディスプレー | 6.3型有機EL (20:9) 90Hz対応 |
6.7型有機EL (19.5:9) 120Hz対応 |
画面解像度 | 1080×2400 | 1440×3120 |
サイズ | 73.2×155.6 ×8.7mm |
76.6×162.9 ×8.9mm |
重量 | 197g | 212g |
CPU | Google Tensor G2 | |
内蔵メモリー | 8GB | 12GB |
内蔵ストレージ | 128/256GB | 128/256/512GB |
OS | Android 13 | |
5G対応バンド | サブ6(n1/2/3 /5/7/8/12/14 /20/25/28/30 /38/40/41/48 /66/71/75 /76/77/78) |
サブ6+ミリ波 (n1/2/3/5/7 /8/12/14/20 /25/28/30/38 /40/41/48/66 /71/77/78 /257/258 /260/261) |
4G対応バンド | 1/2/3/4/5/7/8/12 /13/14/17/18/19/20 /25/26/28/29/30/32 /38/39/40/41/42/46 /48/66/71 |
|
無線LAN | Wi-Fi 6 | |
FeliCa | ○ | |
カメラ画素数 | 50メガ (標準) +12メガ (超広角) /イン10.8メガ |
50メガ (標準) +12メガ (超広角) +48メガ (光学5倍) /イン10.8メガ |
バッテリー容量 | 4355mAh | 5000mAh |
生体認証 | ○(画面内指紋+顔) | |
防水・防塵 | ○(IP68) | |
Qi | ○ | |
SIM | nanoSIM+eSIM | |
USB端子 | Type-C | |
イヤホン端子 | × | |
カラバリ | Lemongrass、Snow、Obsidian | Hazel、Snow、Obsidian |
この連載の記事
-
第23回
スマホ
Google Pixelの「空間オーディオ」開始もまだ第一段階、現時点で何ができるのか? -
第22回
スマホ
Pixel 7 Proで「カッコいい料理写真」を撮るテク〜2倍ズームとポートレートモードを使いこなせ! -
第21回
スマホ
Pixel 7ユーザーは無料で使える「Google One VPN」を実際に試した -
第20回
スマホ
Pixel 7/7 Pro、12月のアップデートでGoogle One VPNやWi-Fi 6Eが利用可能に -
第19回
スマホ
【写真家レビュー】マクロと30倍ズーム搭載 Pixel 7 Proは処理能力が向上、グーグルAIの底力を感じる -
第18回
ウェアラブル
「Google Pixel Watch」の真価は、いいとこ取りにあり! -
第16回
ウェアラブル
【レビュー】使ってわかったGoogle Pixel Watchを「選ぶ理由」とは? -
第15回
スマホ
ついに登場した「Pixel 7」は最新チップとAI技術でカメラが一層進化 -
第14回
スマホ
【レビュー】Google Pixel 7も「Proがオススメ!」仕事にも使える機能が洗練! -
第13回
スマホ
グーグル「Pixel 7/7 Pro」円安無視の価格設定と下取り強化、他社と友好関係を維持できるか(石川温) - この連載の一覧へ