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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第383回

性能だけでなく操作も多彩なゲーミングスマートフォン「Black Shark 5 Pro」

2022年10月08日 12時00分更新

文● 佐野正弘 編集●ASCII

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ゲーム操作に役立つ3つのインターフェース

 続いてゲームプレイを快適する操作に関してだが、Black Shark 5 ProはBlack Shark 4 Proと同様3つのインターフェースが用意されており、かなりの充実が図られている。

 1つ目は「マジックプレス」。以前iPhoneにも搭載されていたディスプレーの感圧センサーを用い、ディスプレーを押し込むことで指定の操作ができるもので、Black Sharkシリーズで継続して搭載されている機能だ。Black Shark 5 Proでは単に押し込むだけでなく、連続して押す、複数のポイントを押すなどさまざまな割り当てが可能となっている。

「マジックプレス」の設定画面。これを使えば、かつてのiPhoneの「3D Touch」のような感圧センサーを使った操作が可能になる

 2つ目は「マスタートリガー」。これは横にした状態で上側面の左右に配置されているマグネット式ポップアップトリガーを特定の操作に割り当てるもので、発動条件もボタンを押すだけでなく、連続して押す、複数回押すなど好みに応じて設定変更可能だ。

 そして3つ目は「モーションセンサー」で、本体を上下左右に振る、傾けるなどした時に特定の操作をできるようにするもの。もちろんすべて設定する必要はないのだが、ゲームに応じてプレイしやすいよう幅広いインターフェースが備わっている点はBlack Sharkシリーズならではといえ、カスタマイズが好きな人にはメリットが大きいだろう。

こちらは「モーションセンサー」の設定画面。本体を上下左右に振るなどして特定の操作が可能になる

 もちろん通常の操作に関しても、ゲーミングに関するさまざまな機能が利用できる「Shark Space 4.0」で細かな設定が可能だ。パフォーマンスやタッチの感度、画面の色合いなども調節できるので、ゲームに応じて設定するのがいいだろう。

「Shark Space 4.0」でゲーム中のさまざまな設定が可能。先のインターフェースだけでなく、画面タッチや色合い、本体パフォーマンスなどの調整も可能だ

 ただ一方で、最近のゲーミングスマートフォンに共通した問題ともいえるのだが、機能が増え非常に細かな設定が可能になった一方で、その分設定が複雑化してしまい、手軽に利用したい人にとっては設定にかかる手間が大きくなってしまった印象を受けてしまう。やはりゲームに応じた「お勧め設定」などもぜひ用意して欲しい所だ。

 ちなみに感圧センサーやマグネット式ポップアップトリガーは通常の操作に利用することも可能。設定によりさまざまな機能が割り当てられるのだが、その設定項目に日本ではほぼ用いられないであろう「Alipay」や「WeChat Pay」の呼び出しなどが設けられているのは少々気になった。

マジックプレスやマスタートリガーはスマートフォンの通常操作にも用いることが可能。設定できる項目は多くカスタマイズ性も高い

120W急速充電は驚異的
カメラ機能も必要十分

 それ以外の機能・性能について確認すると、バッテリー容量は4650mAhと、とりわけ大きいワケではないが、最近のスマートフォンとしてはスタンダードな容量を備えている。だが注目されるのは120Wの急速充電に対応している点で、本体付属の充電器を用いることで15分での充電が可能とされている。

 実際に試してみたところ、およそ6分で50%を超え、約17分でフル充電できたことからやはり驚異的な充電速度だと言える。ただ付属の充電器はシャオミ製のスマートフォンと同じ、形状はともかく色やデザインがBlack Sharkと合わせた仕様となっていないのが惜しい。

付属の120W対応充電器と本体を並べてみたところ。サイズが大きいのはやむを得ないが、デザインがシャオミのものほぼそのままというのが惜しい

 またバッテリーを充電せずにスマートフォンに直接給電する「バイパス充電」も新たに搭載されるなど、充電しながら利用する際にも配慮がなされている。だが一方で、付属のUSB Type-Cケーブルが一般的な形状で、POCO F4 GTのようにL字型でないなど、ハード面では不満が残る印象だ。

付属のUSBケーブルは通常の形状なので、横にした状態でのゲームプレイ時はやや邪魔になる

 通信に関しては5Gにも対応しており、ドコモの4.5GHz帯(n79)もカバー。SIMは物理SIM(nanoSIM)×2のデュアルSIM仕様で、eSIMは搭載されていない。従来のBlack Sharkシリーズ同様、5Gと4Gのどちらを優先するか設定することもでき、速度有線なら5G、バッテリー節約なら4Gといった使い分けも可能だ。

 最後にカメラについてだが、Black Shark 5 Proの背面のカメラは1億800万画素/F値1.75のメインカメラと1300万画素/F値2.4(Exif値より)の広角カメラ、500万画素/F値2.4のマクロカメラの3眼構成。一般的なフラッグシップモデル比べると突出した性能を持つワケではないが、ゲーミングスマートフォンとして見ればカメラの充実度は高い方だろう。

カメラはメイン、広角、マクロの3眼構成。メインカメラは1億万画素超と性能は高い

 望遠カメラは備わっておらず最大で5倍のデジタルズームとなるが、メインカメラに画素数の高いセンサーを備えているだけあって日常的な撮影用途には十分だろう。機能やインターフェースもシャオミのものを踏襲しており、印象的なショート動画を撮影できる「VLog」などが利用できる一方、マクロカメラは上部のメニューから呼び出す必要がある点も共通しているので注意したい。

メインカメラで撮影した写真

同じ場所から広角カメラで撮影した写真

マクロカメラで撮影した写真。マクロカメラの呼び出しはシャオミ製端末と同じだ

利用できる機能を見ても、「VLog」などシャオミのものを踏襲している

【まとめ】ゲームプレイに申し分ないが
詰めの甘さが目立つのも確か

 まとめると、Black Shark 5 Proはゲーミングに特化していることもあり、性能面はもちろんだが機能面での充実度も高い。他のゲーミングスマートフォンと比べても多様なインターフェースを備えているだけに、うまくカスタマイズすればプレイをより快適にできるだろう。

 一方で、全体的に詰めの甘さが残る点が気になった。ハード面で言えばスピーカーや音量キーの位置、付属のUSBケーブルなどが挙げられるし、ソフト面でいえばメニューの日本語に不自然さが残る部分がまだ多く、アシスタントキャラクターの「Shark Chan」の会話も、どことなく違和感を抱く部分があるように感じた。価格を抑える上でやむを得ない部分もあるかもしれないが、よりターゲットを広げる上でも細かな部分での配慮や改善を求めたい。

アシスタントキャラクターの「Shark Chan」が利用できるアプリも用意されており、目覚ましなどに利用可能だ

「Black Shark 5 Pro」の主なスペック
メーカー Black Shark
ディスプレー 6.67型有機EL
画面解像度 1080×2400ドット
サイズ 約76.5×163.9×9.5mm
重量 約220g
CPU Snapdragon 8 Gen 1
内蔵メモリー 12GB
内蔵ストレージ 256GB
OS Android 12(JOYUI13)
カメラ アウト:約1億800万画素(標準)
+約1300万画素(広角)
+約500万画素(マクロ)
/イン:約1600万画素
バッテリー容量 4650mAh(120W充電対応)
防水/防塵 IPX2/×
対応バンド 5G:n1/n3/n5/n8/n28/n41/n77/n78/n79
4G:1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/28
/34/38/39/40/41
SIMカード nanoSIM×2
カラバリ ブラック
価格 11万8800円

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