内蔵GPU「GeForce MX350」を搭載したモデル

第10世代Coreでもまだまだ現役! 15.6型ノートPC「mouse K5」のポテンシャルを徹底チェック

文●勝田有一朗 編集●市川/ASCII

提供: マウスコンピューター

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在宅ワークにも十分対応できる性能。軽めの設定であればゲームもプレイ可能

 mouse K5は、CPUにインテルのモバイル向け第10世代Coreプロセッサー、Core i7-10750Hを搭載する。第10世代というと2020~2021年にかけて主力だった少し前の世代のCPUになるが、6コア/12スレッドのマルチコア構成でブースト時の最大動作クロックが5.0GHzに達するCore i7-10750Hは現在でも十分通用する性能を持っている。在宅ワークでオンライン会議をしながら並行してオフィスアプリでの作業を進めるなど、少々ヘビーな使い方にも十分対応できるだろう。

 システムメモリーは16GB(DDR4-2666 8GB×2)を搭載。一般的な用途から軽めのクリエイティブ系、ちょっとしたゲームなど様々な用途に対して必要十分な容量だ。メモリー容量は注文時のカスタマイズで最大64GBまで増量可能なので、動画編集など重めの作業を視野に入れているのであれば、最初から増設しておくのもオススメ。

 そして、mouse K5はグラフィックス機能にdGPUとしてNVIDIAのGeForce MX350を搭載している。MX350はPascal世代のGPUで、デスクトップ向けでいうところの「GeForce GTX 1050」と同等のGPUだ。ただ、モバイル向けということで最大消費電力が大きく抑えられている。ビデオメモリーもGDDR5 2GBと現在の基準では少なめで、GPUの世代自体も少し古いので、最新ゲームをバリバリ……というわけにはいかない。それでもインテルのCPU内蔵GPUよりは強力なので、様々な場面で役に立つはずだ。

 なお、mouse K5のグラフィックス機能は「NVIDIA Optimus テクノロジー」によって、軽負荷時にはCPU内蔵GPUを、高負荷時にはMX350を……といった具合に使用GPUを自動的に切り替えて、消費電力とパフォーマンスの最適化を図る設計になっている。

CPU-Z(左)とGPU-Z(右)の実行結果

 では、各種ベンチマークの結果を交えながら、mouse K5のパフォーマンスを確認していこう。

 最初のベンチマークは、CPUのマルチスレッド性能とシングルスレッド性能を3DCGのレンダリング速度で測る定番ベンチマーク「CINEBENCH R23」から。

CINEBENCH R23の実行結果

 結果はマルチスコアー6544pts、シングルスコアー1269ptsというものだった。やはりモバイル向けCPUは消費電力制限が厳しくマルチスコアーは伸びにくい傾向だ。一方でシングルスコアーはデスクトップ向け「Core i7-10700」と遜色ない値を記録している。多くのアプリにおいて、マルチ性能よりもシングル性能の高さが動作レスポンスなどに直結するので、mouse K5はCore i7-10700を搭載するデスクトップPCと同等の快適性を持っていると考えて良いだろう。

 次に、実アプリケーションに近い負荷でPC全体の性能を測る「PCMark 10」(Ver.2.1.2563)のベンチマーク結果をチェックしよう。

PCMark 10の実行結果

 総合スコアーは4803で、その内訳は、アプリ起動速度、ビデオ会議、ウェブブラウジングの性能を測る「Essentials」が9101。表計算や文書作成のオフィスソフト性能を測る「Productivity」が7775。写真編集や動画編集、3DCG製作などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が4252という結果になった。

 Essentialsは十分高いスコアーを記録しており、アプリの起動やレスポンスなどの一般的な使い勝手において、mouse K5の動作に不満を覚えることはあまりないだろう。

 Productivityも十分高いスコアーで、在宅ワークで用いるオフィスアプリも十分快適に実行できそうだ。一方でGPU性能が大きく影響するDCCのスコアーはあまり振るわないものの、軽めの画像編集をするぐらいなら十分かもしれない。

 続いて、3Dグラフィックスの性能を測る定番ベンチマーク「3DMark」(Ver.2.22.7359)を実行した。結果は以下のとおり。

 フルHD(1920×1080ドット)のDirectX 11テスト「Fire Strike」は4105、WQHD(2560×1440ドット)のDirectX 12テスト「Time Spy」は1483という結果に。予想通り、いずれもかなり厳しいスコアーで、ベンチマーク中のフレームレートも10~20fps前後となっていた。リッチグラフィックスの3Dゲームを遊ぶのは難しいと言わざるを得ないだろう。

 なお、Time Spyはベンチマークに使用するGPUを明示的に選択できるので、内蔵GPUでもベンチマークを実行してみた。結果はわずか3桁の462というもので、性能が低めとは言え、dGPUのMX350は内蔵GPUに対してかなり大きいアドバンテージを持っていることを再確認できた格好だ。

 では次に、軽めの設定で実行する3Dゲームの動作はどうかということで、定番のゲーム系ベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」を試してみた。画質設定はプリセットより「標準品質(ノートPC)」を選択し、フルHD(1920×1080ドット)解像度でのパフォーマンスを計測した。

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレの実行結果

 結果はスコアー9670で“快適”の評価が得られた。ベンチマーク中のフレームレートも平均65.8fps/最小36fpsと平均60fpsを超えており、軽めの設定であれば3Dゲームも十分遊べることが確認できた。

 最後のベンチマークは「CrystalDiskMark 8.0.4」を用いたmouse K5内蔵ストレージの速度計測。事前に「CrystalDiskInfo 8.12.7」にて内蔵ストレージのモデルを確認したところ、試用機にはSAMSUNG製の「PM991a 512GB」が搭載されていた。PCI Express Gen3接続で、容量512GBのM.2 NVMe SSDだ(モデルにより内蔵ストレージは異なる)。

CrystalDiskMarkの実行結果

 テスト結果はシーケンシャルリードが3101MB/秒、シーケンシャルライトが1897MB/秒。PCI Express Gen3接続のM.2 NVMe SSDとしては高速な部類に位置する性能だ。アプリの起動など、普段使いでストレージのスピードに不満を持つことも少ないはずだ。

 SSDの容量に関しても、大容量ゲームなどをインストールすることもないと思うので、512GBあれば当面困らないだろう。注文時のカスタマイズで最大2TBまでSSDを増量することも可能だ。