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360度カメラならではの、ぎゅわんと湾曲した超広角シーン。猫と自分の間にTHETA Xを置いて撮影。ただ、撮影の瞬間は猫のほうを見ているべきでしたね。2022年9月 リコー RICOH THETA X
今回のテーマは、360度カメラで猫と遊ぼう、である。これがまた普通のカメラでは撮れない写真が撮れておもしろいのだ。
取り出したるは、2022年7月に日本での発売が始まったリコーのRICOH THETA X(以下、THETA X)。360度撮れる全天球カメラの最新モデルで、初のディスプレー(タッチパネル式)付きモデルだ。今回はディスプレーを使わずにiPhoneからのリモート操作で撮ったので、最新型の意味はあまりないのだけど、撮影風景はこんな感じ。THETA XにVR撮影用のスティック+三脚のセット(マンフロット社)を付けて、地面に立てて撮ったのだ。
すると、360度全部収めた1枚の写真が撮れる。
この写真を、専用アプリを使って好きなアングルで切り出してやればいいのだ。冒頭の写真は、「真上から」の絵として切り出したもの。私と猫の間に三脚の脚だけがちょろっと見えてるのがわかるはず。私と猫の間にTHETA Xを置いたわけやね。
そして、猫を中心に別のアングルで切り出したのがこちら。指を差し出したら、両前足でぎゅっと挟まれたので、その瞬間をねらってみた
とまあ、この日は雨が降りそうな重い曇天下だったので画質的にはちょい地味だけど、360度カメラならではのおもしろいアングルの猫写真をお届けしようと思うのである。
続いて訪れたのは、前回と同じ神社(しかも、前回と同じく曇天……実は、この神社を訪問するのは5回目なのだけど、そのうち3回は雨あるいは曇天でした。とほほ)。すると、神社前に駐めてあった3輪バイクの間に猫が隠れてたのだ。
これをTHETA Xでどう撮るか。360度カメラの性格上、ぐっと近寄って撮りたい。大きなカメラを持って近寄るよりも警戒されにくいのがよさなので、スティックを手に持って、こんなふうにそっと差し出すのである。
そして撮れたのがこちら。地面ギリギリで撮り、下から見上げる感じを強く出してみた。
さらに、おもしろい写真が撮れるかなと、バイクの真下からそっとTHETA Xを差し入れて撮ってみた。右側にスティック(VR用一脚)に付けたカメラを差し入れてる私の姿が映っております。なんか怪しい。
とかやってたら、ますます空が重くなり、天気予報アプリがまもなく雨が降るという通知をよこしてきたので、これは撤収しようと帰途につくと、途中の住宅街で人なつこそうな猫に出会う。出会っちゃったらしょうがないよね。
しゃがんで撮ろうとすると、カメラを構える暇もなく、とことことこっちへ歩いてきて、私にお尻をくっつけるように座ったのである。人なつこい猫あるあるだ。しょうがないので、よしよしとなでてやる。分譲住宅が並んでいるような一角だけど、そのどこかで世話をしてる人がいるようで(少し離れたところにもう1匹いた)、なでてみると毛並みはきれいだし、栄養もしっかり行きわたっているようで、何より見知らぬ怪しい人(私)に近寄ってくるわ、すぐ横を子供が歩いても特に気にしないわで、泰然自若っぷりがたまらない。
こんなときはTHETA Xの出番。スティックに付けたTHETA Xを猫の顔の向こうにまで伸ばしてピュウッと撮影(シャッターの電子音がそんなかわいい感じなのだ)すればいいのだ。そこから、いい感じのアングルで切り取ったのがこちら。わかりやすいように、私の手も入れてみた。
THETA Xらしい写真になったかと思う。そして、この猫はなかなかいい顔をしてたのだった。下町の細い路地は、思わぬ出会いがあって楽しいですな。
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1枚くらいはデジタル一眼で撮ったものを、ってことで、人なつこいのをいいことに、顔のアップを撮ってみた。健康そうないい顔をしております。2022年9月 OMデジタルソリューションズ OM SYSTEM OM-1
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老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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