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仕上げ焼き専用のサラマンダーモードを搭載:

う、うめええええ! バルミューダ「BALMUDA The Toaster Pro」

2022年09月01日 10時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)編集●ASCII

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シェフとの出会いがProの始まり

 なぜBALMUDA The Toaster Proだったのか。

 もともとBALMUDA The Toaster Proを作るつもりはなく、寺尾社長が岡嶋伸忠シェフと出会ったのがきっかけと言います。マンダリン オリエンタル東京、メゾンカイザー、リッツ・カールトン日光などで腕をふるっていたシェフですが、縁あってバルミューダで製品開発に携わることになりました。岡嶋シェフが提案したサラマンダー状態で仕上げたバタートーストが「びっくりするほどおいしかった」(寺尾社長)ため、「これはもう作るしかないな」(同)と思わされたということでした。

岡嶋伸忠シェフ、寺尾玄社長(写真左から)

 その上で、製品名にProとつけた理由は「作る喜び」があるため。

 これまでのBALMUDA The Toasterはどんな環境でも「90点のパンを作る」(寺尾社長)ことを目的とした製品。パンの種類、電圧の違い、経年変化があっても、安定して「食べる喜び」を味わえることを目的にして作りました。一方、BALMUDA The Toaster Proは自分で仕上げをすることでおいしさを追求する「作る喜び」を目指した製品。業務用として使えるほど本格的なわけではなく、プロっぽい調理体験が楽しめるという意味でProなわけです。

 Proシリーズは今後も岡嶋シェフを中心に開発予定で、新しいジャンルの調理家電を「来年前半にはお届けできるのでは」(寺尾社長)と話していました。トースター、炊飯器、電気ケトル、オーブンレンジ、コーヒーメーカーと作ってきたのでそれ以外ということになります。電気鍋ですかね。

 トースターの展開としては、通常版のBALMUDA The ToasterとBALMUDA The Toaster Proを併売する形になります。ただし今後他の製品も「通常版」「Pro版」の上位下位構成にするというわけではなく、あくまでも「作る喜び」がある製品のProシリーズ入りを検討するということでした。

 事実上の上位機種であるBALMUDA The Toaster Proは本体デザインも少しだけ変えています。マット仕上げの樹脂に塗装をかけることで、より黒味の強い鉄鋳物鍋のような光沢感を出しています。ハンドルやつまみは、クラシックな調理器具を思わせるつやのある銅色になりました。個人的には鉄鋳物鍋なら真鍮風の飾りもよかったかなと思いましたが、銅色もきれいな色味です。

塗装で黒色を強めている(写真右から通常版、Proの順)

ハンドルはつやのある銅色にした

つまみも銅色のリングをつけた

 BALMUDA The Toaster Proの実売価格は3万5200円で、通常版の2万7940円に比べて7000円ほど高め。普通のトースターでよければ通常版、サラマンダーで遊びたければProというラインナップ。どうせ高いんだし、7000円ちょっとの差ならProのほうが楽しそうかもなと思わされるのがバルミューダの恐ろしいところです。さすがはマーケティングのプロ。

 というわけで、BALMUDA The Toaster Proは確かに魅力的でした。バルミューダの売上の柱であるトースターの顧客単価を上げられるIR的にも魅力的な製品と言えそうです。ただしあくまでも趣味性に寄せたサブ的な製品で、初代機を大きく上回るインパクトはありませんでした。トースター発表の知らせを聞いたとき勝手に完全なリニューアルモデルを期待してしまったおかげで、気持ちが不完全燃焼になったところもありました(それはおまえが悪いんだろ)。

 サラマンダー仕上げのトーストを食べながら来年のPro新製品に期待したいところです。

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