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前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第174回

エッグスチーマーが便利すぎる 「ゆで卵」の印象が180度変わった

2022年08月30日 16時00分更新

文● 前田知洋 編集●ASCII

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大切な日課はエアロバイクと卵

 筆者の最近の日課は「朝、エアロバイクを漕ぐこと」と「毎日、卵を食べること」です。その理由は、来月(2022年9月)のワンマンショーに向けた健康管理のため。

 観客から見ると、芸能の仕事は、短く、軽作業に思われるかもしれません。しかし、たった10分の出演だけでも、移動、道具や衣装の搬入、マイクテスト、リハーサル、本番……。最終日には撤収作業と、数日がかりになることも……。とくに1時間以上のワンマンショーとなると、最大級にハードルが上がります。

 ドラクエなどのRPGにたとえるなら、最後のボスキャラと戦うために準備している状態です(笑)。

すごいぞ! エッグスチーマー「KES-0400/S」

 正直に打ち明けると、「卵料理」はあまり好きではありませんでした。普段、口にするのは、ラーメンにのった半分のゆで卵くらい。

 しかし、ネットショッピング中に外観に魅かれ、KOIZUMIのエッグスチーマー「KES-0400/S」(実売価格3100円前後)を何気なく購入。

調理は、計量した水を入れ、ダイヤルを合わせるだけ。調理が終わるとランプが消灯してブザーが鳴る

 使ってみると、その調理の手軽さと、卵料理のバリエーションの多さに気がつきました。壊れることを心配して、さらに、もう1台購入するぐらいラブな状態です。

一番のメリットは簡単においしくできること

 ゆで卵を作る、食べるときに苦手だったのは、以下のポイントです。

●コンロの前にいる必要がある(とくに夏はつらい)
●冷蔵庫から出したての卵は調理中に割れやすい
●ゆで具合が安定しない
●殻が上手にむけない

 など……。苦手なので、自分で作らず、そのため調理が上達しないという悪循環でもありました。

 ところが、エッグスチーマーを使ったら、前述の悩みがほぼ全部解決。そのうえ、美しく、おいしくできる不思議。卵に「いままで誤解してすまん。全部オレが悪かった!」と頭を下げました。

エッグスチーマーなら卵のゆで加減のコントロールが簡単で完璧

 エッグスチーマーで調理すると、以下のようなメリットがありました。

○スチーマーに卵と水を入れてONにすれば勝手にできる
○冷蔵庫から出したてでも安定して作れる
○殻も割れず、剥きやすい

 さらに、黄身が真ん中になるので見栄えもよく、おいしくできているという不思議です。

エッグスチーマーで作ると、きれいに殻がむける

秘密は「蒸し」にある!?

 勘のよい方はお気づきかもしれませんが、エッグスチーマーの調理は、厳密にいえば「ゆで卵」ではなく「蒸し卵」を作るもの。ゆで卵に比べて、大量の水を沸かして加熱する必要がありません。

 なので、加熱具合も安定し、食感もプリッと仕上がり、おいしく感じるのでしょう。

説明書も親切。ゆで加減で卵の向きを変えるのも面白い

 ちなみにKES-0400/Sの場合、調理時間の目安は、半熟がおよそ10分、固ゆでがおよそ16分、温泉卵はおよそ32〜40分(1〜3個)となっています。

 鍋でゆでる時間だけを考えれば、エッグスチーマーのほうが少し長くかかるかもしれません。もっとも、スイッチを入れたあとは「何もしなくていい」というのがエッグスチーマーの大きなメリットです。

 また、鍋に水を入れ、火を点けてから茹でる(水を沸騰させる)時間を考えれば、エッグスチーマーのほうが、トータルでみれば調理時間が短く済む……と考えられるでしょう。

今の時期にピッタリな栄養効果も

 あらためて、卵の栄養や効果を調べてみると、今の時期や筆者の仕事にピッタリなことがわかりました。

 まず、タンパク質の優位性を示す、アミノ酸スコアは最高点の100点。これは、人が自分で合成できない必須アミノ酸を含んでいることを示しているそう。

 その他、代謝を支えるビタミンB2、B12や、骨や歯を丈夫にしてくれるだけでなく、インフルエンザなど感染症に有効とされるビタミンDが含まれています。

 ほかにも、悪玉コレステロールの値を低下させるというリノール酸、動脈効果を予防するなどの効果があるとされるオレイン酸、レシチンなども含まれています。

広がる料理のバリエーション

 ゆで卵や温泉卵を作っておくと、料理のバリエーションが増えるのも新発見でした。エッグスチーマーは卵と水を入れてスイッチを入れるだけなので、他の調理をしている間に完成しているのも手軽です。

 筆者のお気に入りのレシピのランキングは以下の通り。

1位:温泉卵+だし醤油+海苔かけごはん
 みんなが大好きな、卵かけご飯。それを、温泉卵+だし醤油+海苔で作ると、ゴージャスな卵かけご飯になります。

2位:自家製タルタルソース
 刻んだゆで卵+マヨネーズでできる、簡単タルタルソース。白身魚のフライだけでなく、ゆでたブロッコリーなどにつけてもおいしく食べられます。好みでレモン汁やピクルスなどを加えるとお客さん料理になります。

3位:エッグサンド
 おいしい食パンをトーストして、刻んだゆで卵+マヨネーズを挟めば手軽な夜食やバランスのとれた朝ごはんに。マスタードがとてもよく合います。

 ちなみに、本連載の担当編集の方は、「刻んだゆで卵にマヨネーズ、塩、胡椒、隠し味で少しだけ砂糖を入れる」というエッグサンドのレシピを、ご家族から教わったそうです。

4位:ミモザサラダ
 普通のグリーンサラダに刻んだゆで卵をかけるだけで、彩りや栄養バランスのよいサラダにアップグレードします。

5位:半熟卵のトリュフソース
 友人から教わった、来客用メニューです。半熟と温泉卵の中間くらいに調理して、そこにマッシュルームとブラックオリーブの入った瓶詰めのトリュフソースを少しトッピングするだけ。それだけで、イタリアンレストランで登場するような前菜に早変わりします。

番外:100円ショップの醤油漬け容器
 100円ショップで手に入る、卵の醤油漬け容器。少量の醤油でできるのがポイントです。ラーメンにのせるのもよし、そのまま食べておかずにしてもよしの、万能選手になります。

100円ショップの醤油漬け卵用容器

卵を使ったマジックも多い

 マジックの歴史でも、卵を使ったトリックが多くあります。たとえば、手の中に入れたハンカチが卵に変化したり、観客の帽子の中に注いだはずの生卵が消えたりなど。

 そんなトリックが人々にウケた理由は、卵が西洋では「誕生」や「復活」のシンボルだったことや、卵が高価な食材だった時代のなごり。アメリカのホワイトハウスでも、庭の卵を探すイースターのイベントが、ごく最近まで開かれていました。

卵から指輪が現れる古典マジック。ピストルやハンマーを使うなど、当時のマジックは過激でした(笑)

 現在では安価で手に入りやすくなった卵。その使い道は広く、栄養価も高い。今回紹介したエッグスチーマーなどを使えば、調理もラクラクです。昨今の生活における「再生」のシンボルとして、今こそ、再注目されるタイミングだと思っています。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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