eSportsからリアルレースへ! SUPER GT マッハ号、冨林勇佑選手密着レポ 第4回
SUPER GT 第4戦は思わぬ形で予選・決勝ともに苦戦で冨林/平木組は我慢のラウンドに
2022年08月20日 12時00分更新
雨の影響は少なく気温もあがらず
決勝レースは奇策に出たものの……
迎えた日曜日の決勝レース。スタート1時間前に雨が降った影響もあり、路面の一部が濡れている状態の中で決勝が始まった。ただ、フォーメーションラップが始まると濡れた路面に足元をすくわれるドライバーも多かったため、急きょフォーメーションラップを1周追加。各車が安定した状態で、レーススタートが切られた。これにより、当初は100周で行なわれる予定のレースが1周減算の99周で争われることなった。
GT300クラスの25番手からスタートした5号車は、冨林がスタートドライバーを担当。450kmレースでは、途中に2回の給油が義務化されているが、そのうちの1回を1周目に消化するという変則作戦に出た。
これは5月の第2戦と同じ作戦で、途中までうまく機能していたのだが、当時は途中に赤旗が出されたことでプランは崩れた。そのリベンジをはたしたいところだったのだが、今度は別の問題が発生した。
前後にマシンがいないところでペースを上げようとした冨林だが、選んだタイヤと路面コンディションがうまくマッチせず、異常磨耗が発生していた。それでも何とかペースを保とうと必死のドライビングを続けた冨林だが、1分42秒台をキープするのがやっとという状況。1分40秒ほどで走るライバルとの差をなかなか縮められない状況が続いた。
スタート当初のポジションから挽回することはできたものの、ポイント圏内には程遠い状況。43周を終えたところで2度目のピットストップを行ない、平木に交代し、タイヤもすべて交換して後半スティントでの逆転にかけた。
しかし、ここでもタイヤの内圧設定と実際のコンディションが想定よりズレる状況となり、平木も苦戦しながらのドライビングとなった。終盤にはポジションを落としてしまう場面もあったが、平木は我慢強く走り続け、2時間30分を超える長丁場のレースを完走。最終的にGT300クラスで17位でノーポイントという結果に終わってしまったが、苦しい状況の中でも諦めることなく完走できたという点はポジティブだったが、レース後の5号車ピットは悔しさに満ち溢れた雰囲気が漂っていた。
冨林勇佑選手コメント
「僕たちが想定していた路面温度より、実際は低くてタイヤが発動しなくて、途中からタイヤにブリスター(異常磨耗)ができて、とにかく大変でした。最初は数周は良かったんですけど、あれよあれよとペースが落ちていってしまって……。その中で何とか1分41秒後半で周回できるかなという感じだったんですが、ブリスターの影響で突然グリップがなくなってしまったりして、かなり厳しかったです。悔しいでけど、完走できたのは良かったかなという感じです。幸いランキング上位だった人たちがあまりポイントを取れてませんでしたが、今回速さをみせていたチームが軒並み0点で終わってしまったので、次の鈴鹿はサクセスウェイトが載ってないぶん、彼らが手強いのではないかなと思います。もう一度、高得点を狙ってランキング上位に戻りたいですね」
平木玲次選手コメント
「前回(第2戦)と同じように1周目に最初のピットストップを消化して、だいたいレースの半分くらいでドライバー交代をする想定でしたけど、チョイスしたタイヤが思ったよりコンディションに合わなくて、ラップタイムが全然上がりませんでした。最初はタイヤ無交換も想定していたんですけど、このままだと厳しいということで、前半スティントの状況を考慮してタイヤ交換をしました。しかし、それもうまくいかなくて、僕が走り始めてから5周くらいで、内圧が想定よりもかなり上がってしまって……終始、調整しながら走っていました。ペースも思うように上げられないまま、淡々と走行することになってしまいました。鈴鹿大会とは真逆の感じになって、良いところがなかった週末でした」
GT300は昨年王者のSUBARU BRZが今季初優勝
なお、GT300クラスの優勝争いでは、予選からメルセデスAMG GT3勢が好調で、65号車「LEON PYRAMID AMG」がポールポジションを奪い、レースもリードしていたが、18周目にトラブルが発生しリタイア。代わってトップに立った4号車「グッドスマイル 初音ミク AMG」も安定した走りで、一時は後続に20秒以上の大差をつけたが、こちらもレース終盤に左フロントタイヤにトラブルを抱え、大きく後退してしまった。
波乱続きの展開となったが、最後は11号車「GAINER TANAX GT-R」と61号車「SUBARU BRZ R&D SPORT」によるトップ争いが白熱。最後まで抜きつ抜かれつの展開となったが、残り10周のところで逆転をはたした61号車が、そのまま逃げ切って今季初優勝を飾った。
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