良くも悪くもクセの強い
ズミクロン19mmレンズ
この1インチセンサーと19mmレンズの組み合わせで、実際にどんな写真が撮れるのか? 「SUPER GT 2022 第4戦 富士100LAPレース」でAQUOS R7を使って撮影をしてきました。なお、本記事の写真は製品写真以外、すべてAQUOS R7で撮影しています。
レースの内容を簡単におさらいすると、今回のレースは100ラップと非常に長く、夏真っ只中ということで路面温度も心配されたのですが、まさかの雨予報。それも雨が路面を濡らすほどではなく、気温は低かったのでタイヤ選びが難しいレースでした。そんな中、セーフティーカーこそ一度も出ませんでしたが、個々のマシンやチームにトラブルがあり、上位を走りながらも沈んでいくシーンが何度も見られました。
ASCII.jpでもおなじみの4号車「グッドスマイル初音ミクAMG」もその1台。2位以下を引き離してトップを快走しつつもレース終盤にタイヤがパンクし、ポイント圏外に沈みました。今シーズン、応援している5号車「マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号」もタイヤと作戦がうまくマッチせずに下位から抜け出せないままゴールを迎えました。
GT500ではレース全編にわたって常にトップ圏内を走り続けた37号車「KeePer TOM’S GR Supra」が優勝。ドライバーのサッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋はGT500初優勝でした。そして、2位に12号車「カルソニック IMPUL Z」、3位に24号車「リアライズコーポレーション ADVAN Z」と、今年デビューしたNissan Z GT500の2台が入りました。
手始めにピットウォークでピット作業の写真を撮影してみます。撮ってすぐに写真を見た感想は「色が濃い!」。色が濃いので露出がアンダー目に見えてしまうのですが、実際はシャドウの黒い部分やハイライトの白い部分などを見てみると露出は適正と言えます(ディスプレーの設定で色の見え方は変わるので)。また、19mmという超広角のおかげで画面の周辺部に行くにしたがって引っ張られるようなゆがみが発生します。
画面のピンチ操作でズームができます。その場合のズームはデジタルズームとなります。歪みが気になる場合は、1.3倍程度までズーミングすれば、かなり解消されます。また横位置で撮るよりも縦位置で撮ったほうが歪みが少なく見えるようです。
このAQUOS R7には被写体の前後を大きくぼかすポートレートモードが搭載されています。このアップちゃんの写真はポートレートモードで撮影しています。
通常の写真モードで撮影するとCRAFTSPORTS MOTUL Zの千代勝正選手と高星明誠選手の写真のように背景までくっきりと写し込みます。
ポートレートモードで撮影するとStudie BMW M4のアウグスト・ファルフス選手の写真のように被写体を浮き立たせることが出来ます。
また、このポートレートモードはただ単純に被写界深度を狭めたものではなく、深度センサーとAI制御でボケを最適化しているので、被写体の一部だけにピントが合っているというようなお粗末なことはなく、マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号の平木玲次選手と冨林勇佑選手の写真のように、レーシングスーツに入るロゴのひとつひとつがしっかりと読めるくらいにピントが広い範囲で合っていて、その背景が盛大にボケるということになります。
AQUOS R7の写真モードでズーミングをせずに人物を入れた写真を撮ろうとすると、どうしても画面端に向かって人物が引っぱられてしまうので人物を中央に入れてしまう構図になりがちです。少しズーミングしてから構図を決める方が、簡単かもしれません。またポートレートモードの場合は少しズーミングされた状態でデジタルズームが固定されてしまうので、構図を決める場合は自らが前後に動く必要があります。
通常のスナップを撮るときなどは1.3倍程度までズーミングしてから撮影すれば素早く構図が決められます。それらを考慮してピットウォークをスナップしてみました。
Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTのピットでは大湯都史樹選手の誕生日のお祝いが行なわれていました。笹原右京選手が水鉄砲で大湯選手をお祝いする様子を、ライカを使うアメリカの写真家、ブルース・ギルデン氏を意識して撮ってみました。サーキットでは、このように水が飛び交ったり、表彰式でシャンパンファイトが行なわれたりと濡れる場面が多いのですが、AQUOS R7はIP68の防水防塵構造になっているので安心して撮影できます。
ZENT CERUMO GR Supraに乗る立川祐路選手の200戦突破記念のお祝いの場面では、MUGENのピットとは打って変わって落ち着いた雰囲気。こういうところではしっかりと構図を決める時間もあるので、より精細な写真が問うことが可能です。
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