1インチセンサーとSUMMICRONレンズが
スマホとは思えない色を出す
ドコモとソフトバンクから発売中の「AQUOS R7」。シャープ製のスマートホンとしては最高級の旗艦モデルです。
前作のAQUOS R6から比べると大幅な値上げとなりましたが、最新のSoCであるSnapdragon 8 Gen 1を搭載し、ディスプレーのリフレッシュレートが1~240Hzだったり、サウンドが前モデル比で1.5倍広帯域になったり、放熱を考慮したアルミ削り出しフレームだったりと、さすが18万円を超えるだけの内容で高性能の塊のようなスマートフォンです。
AQUOS R7にはこれだけの高性能要素があるにもかかわらず、すべてを抑え込んで話題のトップになっているのがカメラ機能です。AQUOS R6でも話題になった、ライカとの協業によるカメラ開発で、1インチセンサーとSUMMICRONレンズの組み合わせが注目されています。
カメラ部分はレンズとセンサーを含めてライカが監修し、シャープが設計開発製造しているもので、プロセスとしてはパナソニックのデジタルカメラ用ライカレンズと同じ。しかし、監修をするということは製品検査はライカ基準なわけで、レンズ部分には「LEITZ SUMMICRON 1:1.9/19mm ASPH」と表記されます。
レンズの表記についてもう少し詳しく書くと、「LEITZ」は「ライツ」と読み、ライカの製造元であるドイツ・ライカカメラ社の前身となるエルンスト・ライツ社の「LEITZ」から。「SUMMICRON」は「ズミクロン」と読み、ライカのレンズの場合は解放F値でF2もしくはその近い数字を表す単語となります。「1:1.9」はその開放F値の数字で、日本でなじみの深い表記に当てはめれば「F1.9」となります。
「19mm」は焦点距離を表します。通常のカメラであればそのレンズそのもの焦点距離が表記されるのですが、このAQUOS R7の場合は35mmフルサイズ換算された数字で表記され、その数字が「19mm」なのです。かなりの広角レンズと言えます。「ASPH」はアスフェリカルの略で、レンズ構成の中に非球面レンズが含まれることを表します。非球面レンズを採用することにより光学的な収差が解消されるため、ミラーレスカメラの高級な交換レンズ、たとえばキャノンRFレンズのLシリーズなどに採用されますが、球面レンズに比べて圧倒的にコストがかかります。
つまりAQUOS R7に搭載されるレンズは開放F値がF1.9と明るく、19mm超広角の非球面レンズを含んだ高級レンズ、ということになります。実際、この小さなスペースの中に高屈折レンズや非球面レンズを含めて7枚構成となること自体、職人技と言えるでしょう。

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