WRX80マザーボード専用のモンスターCPU
まずは簡単にスペックを比較しておこう。以下の表はRyzen Threadripper PRO 5995WXとその同格モデル+αで比較したものである。前述の通りRyzen Threadripper PRO 5995WXのコア数は前世代から増えていない。ただアーキテクチャーがZen 3に変わり最大ブーストクロックが若干引き上げられている。ただしTDPは280Wで据え置かれている。
また、マザーボードはRyzen Threadripper PRO 3000WXシリーズより採用された「WRX80」チップセットが今回も継続して使用される。Ryzen Threadripper 3000Xシリーズで使われていた「TRX40」マザーボードではメモリーバス幅やPCI Expressのレーン数あたりの仕様が大きく変わっているため、WRX80マザーボードが必須となる。そのためRyzen Threadripper PRO 3000WXシリーズからの乗り換えはBIOS更新のみで可能となっている。
正直な話、Ryzen Threadripper PRO 3000WXと5000WXシリーズの差分は小さい。アーキテクチャーがZen 2からZen 3になった事以外には、セキュリティー関係の機能(AMD Shadow Stack)が追加された程度にとどまる。PROではないRyzen Threadripper 3000Xシリーズを基準にするとPCI Expressのレーン数やメモリーのチャネル数などが激増しているので、Ryzen Threadripper PRO 5000WXシリーズへ乗り換える場合は、こうした差分が重要か否かにかかってくる。
検証環境は?
今回Ryzen Threadripper PRO 5995WX(以下5995WX)が手に入ったものの、その1世代前にあたるRyzen Threadripper PRO 3995WX(以下3995WX)の調達はできなかった。そこで非PROで最多コアを誇るRyzen Threadripper 3990X(以下3990X)と比較する。さらにメインストリームCPUからRyzen 9 5950X(以下5950X)やCore i9-12900KF(以下12900KF)も準備した。メインストリームCPUから見た最強HEDT向けCPUの性能、という観点から眺めて頂ければ幸いだ。
Ryzen Threadripper系の搭載メモリーは5995WXの検証用機材としてお借りしたSanMax製のDDR4-3200モジュール8GBを8枚構成で合計64GBとしたが、RyzenおよびCore i9は32GBとなっている。ただ今回の検証は32GB環境でも十分動くように設計されている。
OSはWindows 11 Pro、コア分離(VRS)やセキュアブートといった要素は全て有効とした。Radeon用のドライバは今回AMD環境において最も苦労させられたポイントだが、クリエイティブ系アプリ向けに調整された(リリース間隔を広くした)“AMD Software: PRO Edition(https://www.amd.com/en/technologies/software-pro)”で落ち着いた。
【検証環境1】 | |
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CPU | AMD「Ryzen Threadripper PRO 5995WX」 (64コア/128スレッド、最大4.5GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN 360」 (AIO水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASRock「WRX80 Creator」 (AMD WRX80、BIOS 5.01) |
メモリー | SanMax「SMD4-U8G46MF-32AAR」 (8GB×8、DDR4-3200) |
ビデオカード | AMD「Radeon RX 6800 XT リファレンスカード」 |
ストレージ | Corsair「CSSD-F1000GBMP600」(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80PLUS Platinum) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」 |
【検証環境2】 | |
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CPU | AMD「Ryzen Threadripper 3990X」 (64コア/128スレッド、最大4.3GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN 360」 (AIO水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG Zenith II Extreme」 (AMD TRX40、BIOS 1603) |
メモリー | SanMax「SMD4-U8G46MF-32AAR」 (8GB×8、DDR4-3200) |
ビデオカード | AMD「Radeon RX 6800 XT リファレンスカード」 |
ストレージ | Corsair「CSSD-F1000GBMP600」(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80PLUS Platinum) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」 |
【検証環境3】 | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 5950X」 (16コア/32スレッド、最大4.9GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN 360」 (AIO水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG Crosshair VIII Dark Hero」 (AMD X570、BIOS 4201) |
メモリー | G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」(16GB×2、DDR4-3200)×2 |
ビデオカード | AMD「Radeon RX 6800 XT リファレンスカード」 |
ストレージ | Corsair「CSSD-F1000GBMP600」(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80PLUS Platinum) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」 |
【検証環境4】 | |
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CPU | Intel「Core i9-12900KF」 (16コア/24スレッド、最大5.2GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN 360」 (AIO水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASRock「Z690 PG Velocita」(Intel Z690、BIOS 11.01) |
メモリー | Kingston「KF552C40BBK2-32」(16GB×2、DDR5-4800動作) |
ビデオカード | AMD「Radeon RX 6800 XT リファレンスカード」 |
ストレージ | Corsair「CSSD-F1000GBMP600」(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80PLUS Platinum) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」 |
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