サーバー導入が簡単に、そしてWebが速くなる、GMOインターネット+プライム・ストラテジー連携がもたらす効果を激白 (2/2)
2022年08月05日 09時00分更新
世界ではじめてのサービスを目指して~提携の経緯
大谷:ではいつ頃からどのように話をはじめたのかなど、今回の提携の経緯を教えていただけますか?
相川:プライム・ストラテジーさまとは長くお付き合いをさせていただいていまして、「ConoHa VPS」で2015年から「KUSANAGI」のテンプレートを提供させていただいていました。「WEXAL」も使えるのですが、VPSだと自由度が高いメリットがある反面、IT技術を持たない方は使いづらく、より多くの方々に使っていただく点には課題を感じていたところがありました。
また「ConoHa WING」は「国内最速(※2)」をコンセプトとして持っていますが、近年は他のサービスもどんどん高速化しているため、今後どういった高速化を進めるかが大きな課題になっていました。
そういった課題がある中、ちょうど昨年(2021年)の今頃です、こういった課題を解決してサービスを強化できる取り組みができないか、という話を相原さまとさせていただいたのが一番はじめのきっかけでした。
小島:「ConoHa WING」の設計開発ではデータベース調整やキャッシュの利用などいろいろな施策で他社さんに負けないレスポンスを実現していたんですが、レスポンスは速いのにPageSpeed Insightsのスコアでは負けている、ということがあって悩んでいました。
調べていくとそのようなサービスではwebサーバにLiteSpeedを使っていました。 でもLiteSpeedとNginxの間にWebサーバとしての性能差はありませんでした。さらに調べていくと、WordPress用のLiteSpeedCacheプラグインというのがあって、キャッシュをするだけではなくて画像やJSの遅延読み込みといった最適化が行なわれていてPageSpeed Insightsのスコアにも反映されていることがわかったんです。
弊社としてもレスポンスだけではなく、お客様にコンテンツが届いてからのレンダリングも高速化しないと戦っていけないだろうと。
そこでプライム・ストラテジーさまと協力して「WEXAL」をなんとか共用サーバーに組み込めないか、という開発をすることになりました。
大谷:そうしますと、これまでVPSでしか利用できなかったものが、共用サーバー、個人で利用できるようなものになったというのが今回のサービス提供の価値と考えればいいのでしょうか。
相川:はい、共用サーバーにおいて難しかったフロントの高速化を解決し、それをかんたんにお客様に届けられるようになった点、そしてそれを最初に世に出すことができた点がとても大きな価値であると考えています。
数千ドメインで「WEXAL」を共有?~プロジェクトの裏話
大谷:このプロジェクトで苦労したことなどあれば教えてください
小島:共用サーバーでは数千ドメインが1台のサーバーに入っているので、VPSに入れるような感覚でWEXALを有効化してしまうと、すべてのドメインに対して強制的に有効な状態になってしまいます。お客様によっては「WEXAL」を利用することが最適ではない場合もあるので、ドメインごとに切り替えられるようにしなければならない、という課題がありました。
これを解決するために「WEXAL」をリバースプロキシとして外出しにして、使うときだけDNSをそちらにむける、ということも考えたんですが、そうするとONにしたりOFFにしたりするのにものすごく時間がかかってしまう。
大谷:なるほど。
小島:そこで「WEXAL」をサーバーの中に内包することにしました。仮想的なコンテナの形でリバースプロキシとして動くようにしています。フロントエンドのnginxでそのプロキシ先を切り替える形なのでDNSの反映待ちもなく、一瞬で切り替えができます。これが一番大きな工夫ですね。
お客様としても、気軽に試していただいて、ダメだったら、すぐに戻すことができます。
相原:わたしたちは普段、VPSを対象にしているので、共用サーバーで動作させるためにはパフォーマンスや負荷の考え方も大きく変わります。さまざまな仕様のサイトで問題なく動く必要もありますから、この取り組みは私達にとっても大きなチャレンジでした。
「WEXAL」の導入効果
大谷:いろいろ工夫されたんですね。実際に導入するとどのくらいの効果があるのでしょうか。
加藤:もともとスコアが良かったケースや、あまり相性が良くなかったなど、サイトの中身によって変わりますが、PageSpeed Insightsのスコアが70点台のものが90点台に上がっている、というような効果は確認しています。
「お名前.com」のサイトでも、できるだけわかりやすく導入効果を説明するようにしています。
大谷:相原さんにお聞きしたいんですが、「WEXAL」と相性が悪い、効果が出にくいというサイトもあるんですか。
相原:「WEXAL」と似たような機能、リソースファイルをキャッシュファイルとして書き出していたり、画像圧縮のプラグインを使っているような場合などでは、機能がぶつかってしまって効果が出にくくなることがあります。このような場合にはどちらか一方を利用いただくことを推奨しています。
AIは、できるだけサイトが崩れないように安全な戦略をとることを基本にしてます。もちろんそれで効果のでるサイトも多いのですが、スクリプトの依存関係が複雑だったり広告が多いサイトなどでは効果がでにくいことがあります。そのためAIにこのスクリプトは遅延させても大丈夫だよ、などと教えることができるモードも提供しています。
「WEXAL」の導入はポチッとおすだけ~シンプルさへのこだわり
大谷:「WEXAL」にはいろいろな機能やモードがあるということですが、「ConoHa WING」や「お名前.com レンタルサーバー」で「WEXAL」を使う場合、どういった初期設定が必要になるのでしょうか。
相川:今回とてもこだわったのが「いかにかんたんに使い始められるか」というところです。それぞれの管理画面でボタンをポチっとおせば使い始められる、というくらいシンプルな作りになっています。
もともと「WEXAL」には「PST Manager」というプライム・ストラテジーさまが提供している管理画面があるのですが、サービスの導入にあたってはConoHa WINGのご利用者様に特化した使いやすいUIに作り込みをしました。
加藤:「お名前.com」の方も、初心者の方も多い点を踏まえ「ボタン1つでスコアが上がりますよ、どうぞ使ってみて下さい」というイメージを意識してUIを落とし込み、細かいチューニング機能はあえて省いて提供しています。
大谷:いろんな機能があるサービスでも、ユーザーさんに合わせて、どのように設定できるか、というところをサービス提供側がきちんと用意するというのは重要ですね。
家電のように「ボタンをポチッとすると全てがなおる」という世界になっているわけなんですね。最後にユーザーさんに向けてひとこといただけますか。
相川:Webサイトを多くの方に見ていただくためには表示の高速化やSEO対策がとても重要な要素だと思いますが、WEXALを搭載したConoHa WINGを使えばそれがかんたんに初心者の方にもできるので、これまでは運用が難しそうだなと諦めていた方もどんどん使って情報発信をしていただきたいです!
加藤:私としてはそうですね、もう、本当にボタン1つでスコアが上がるので、まずは機能を利用してみてください!、という率直な気持ちですね。ぜひみなさんに使っていただきたいです。
小島:サイトを開設されたお客様が今後運用していくにあたって、セキュリティですとか、そういう大変な知識が必要な部分は私どもが代わりにやりますので、安心してレンタルサーバーという環境の上で情報発信をしていただければと思います。
相原:今回のGMOインターネットさまとの連携で「WEXAL」ってこういうものなんだ、ということを多くの方に知っていただいて使っていただけるようになったことがとても嬉しいです。みなさまにもっと便利に使っていただけるように「WEXAL」の機能やAIを強化していきたいです。
大谷:プライムさんのこの連載でも書いていますけど、表示速度とUXがどうして大事なのかとか、PageSpeed InsightsやCore Web Vitalsはどういうものか、などの認知が深まっていくと、「WEXAL」ってすごいことやっていて価値があるんだな、とか価値があるんだな、いうことが浸透していくんだろうな、と個人的には思いました。
本日はどうもありがとうございました。
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いかがでしたでしょうか。「ConoHa WING」と「お名前.com レンタルサーバー」で「WEXAL」を使うときに「ああ、こんなことにこだわっているって言ってたな」と思いながら使っていただけたら嬉しいです。
GMOインターネットさまからイベントとWordPressに関するお役立ち情報が掲載されたメディアの案内をいただきました。ぜひ皆さま、ご参加、お役立てください。
「このはぴば!2022」:https://www.conoha.jp/conoha/conohapiba2022/
美雲このは9周年を記念して、8月5日(金)20時よりYouTube生配信イベントを開催します。
「ワプ活」:https://www.conoha.jp/lets-wp/
ConoHaが運営する、WordPressの使い方や記事の書き方、運用のヒントになるお役立ち情報を発信するメディア。
※1:2022年2月自社調べ。Webhosting.infoおよびDomainToolsのデータをもとにグループ提供サービスの合算値を元に算出。
※2:2022年5月自社調べ。サーバー処理速度の計測結果は、日本国内シェアを90%以上占めたトップ10サービスの、各サービスの最下位プランをh2loadとApache Benchで5回計測した平均値。