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LINE WORKSでPTAを活性化した先人たちのノウハウが満載

PTA運営を効率化させるLINE WORKS活用のヒントが満載 「PTA改革学びウィーク」レポート

2022年07月29日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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千葉市立幸町小学校での組織の作り方、機能の活用方法

 「LINE WORKSでPTA運営をよりスマートにするには」というテーマでLINE WORKS活用について説明したのは、千葉市立幸町第一中学校PTA会長の安藤直裕さん。3人のお子さんがおり、小学校PTA9年、中学校PTAを2年経験しているという。

 2011年4月にPTA会長に「仕方なく」就任し、2019年2月にLINE WORKSを導入している。導入の目的は、「可能な限り電子化」「役員全員で利用したい」「学校行事や活動スケジュールを共有したい」「会議回数を削減したい」「役員切り替わりをスムーズに行ないたい」「ITリテラシーの低い方でも利用できるようにしたい」の6つだ。

 幸町小学校(当時)の規模は318名、254世帯で、このうちPTAである「幸っ子応援隊」は49名。内訳としては、各学年(6学年+特別支援)と本部役員で構成されており、対外活動、役員選考、ベルマーク、バザー、パトロールなどを担当する。役員になるのに抵抗感がある人も多いので、すべての作業を全学年で実施し、各学年は全員で担当のリーダーを行なう。「三役制度を廃止し、全員で責任を持って活動することにしました。お仕事をやっている方もいますので、全員で協力し合った方が効率的」と安藤さんは語る。

すべての作業を全学年で実施

 次はLINE WORKSの使い方の紹介。まずトークは普段の会話、ノートは重めの議論のテーマ、フォルダは引き継ぎ資料や配付した手紙などを置く。また、掲示板はニュース、お知らせに使っており、運用上のルールや緊急時の連絡を掲出。カレンダーは行事の共有、会議室の予約、アンケートは会議開催の日程調整に使っている。すべてをフリープランで実現しているという。

 LINE WORKSでは、LINEのようなグループのみならず、組織を階層ごとに作ることができる。組織を作ることで、そのチームごとのトークグループが自動生成され、組織ごとに使えるカレンダー、ノート、フォルダ、トークが現れる。幸町小学校では、PTA全体の下に本部役員、学年役員という組織を設置し、カレンダー、ノート、フォルダ、トークを割り当てている。 学年役員の下にはさらに各学年の組織も作っており、学年役員と同じように各機能を割り当てている ため、組織内に閉じたLINE WORKSの利用が可能になる。また、全体としては、カレンダー、ノート、フォルダ、トークに加え掲示板を共有するほか、会長・副会長・教頭先生との連絡用としても使っている。

組織の作り方

今の時代にあわせてPTAは変えられる

 幸町小学校での具体的な活用としては、トークで混乱しがちな議題についてはノートを作成。たとえば、広報誌の話題についてノートを作り、議論はそちらで行なっているという。また、フォルダに関しては、組織内でのみ利用する文書を共有するほか、全体用のフォルダでは役割ごとに分けて文書を共有している。学年が変わっても、フォルダは 削除されないので、引き継ぎのときにも利用できるという。

 全体で公開されている掲示板に関しては、PTAの運用ルール、災害時の学校の対応、不審者情報などをおもに掲載している。たとえば、インフルエンザで学級閉鎖になった場合は、本部役員に連絡が来るので、それを掲示板に投稿する。各学年の役員もいち早く対応できるという。

 カレンダーはPTA全体のカレンダーに学校行事や地域行事を登録。各学年はそのカレンダーを見て、必要に応じてスケジュールを作成したり、会議室の予約も行なっている。さらにアンケートは急な会議が発生したときの日程調整に使われている。参加者の数や担当の属性を見ながら、最適な日程で会議を開催できるという。

 導入後、変わったこととしては、まず手紙を配布する手間が省けるようになったほか、議論が活発になったという。「対面で会議すると話す人は決まってしまう。でも、LINE WORKSであればLINE感覚で発言できるので、議論が活発化しました」と安藤さんは語る。全体が集まっていた会議の開催日数も5回から2回に削減。さらに役員の入れ替えもメンバーを入れ替えるだけで、LINE WORKSであれば個人情報を知られずに利用できるというメリットもあった。登録用のQRコードやポケットマニュアルも配布して、利用者の負担も減らしたという。

導入後の変わったこと

 最近はメディアの影響でPTAの風当たりも強いが、現在就任している幸町第一中学校では次年度に向けて手を打っている。今年度よりPTAの加入を任意にし、来期は役員も廃止する予定。完全ボランティア制にし、会員全員をLINE WORKSに登録。また、ITの利用促進を兼ねてIT担当を本部に設置していく。「フリープランは上限100名までですが、非営利団体向け特別プランは登録者の上限が1000人。全員入っていれば、お手紙を配布すること自体がなくなる。ようやくやりたかったことがやれる」と安藤さんもうれしそうに語った。

非営利団体向け特別プランの登録者数の上限は1000人

 最後、安藤さんは昔決められたPTAの組織や活動は、今の時代にあわせて変えていく必要があるとアピール。「『PTAって簡単に変えられる』ということを知っていただきたい」とコメントし、セッションを終えた。

 ワークスモバイルジャパンはPTAの利用に向けてLINE WORKSの使い方や運営効率化のヒントになる情報発信しているので、ぜひ参照して欲しい。

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