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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第208回

障害対策のサブ回線に必要 eSIMが使えるサービスの手数料や手続対応を比べた

2022年07月17日 12時00分更新

文● 正田拓也 編集● ASCII

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 au(KDDI)の長時間にわたる通信障害もあり、回線トラブル時の対策を考えようと思った人も多いはず。まず、思いつくのはデュアルSIM機を使うことだが、iPhoneをはじめ、最近では2枚目のSIMにeSIMを用いるスマートフォンが増えている。そこで、eSIMに対応した主な通信サービスをピックアップした。

iPhoneやPixelを始め、最近では人気のSIMフリー機でもデュアルSIMの活用にはeSIMを必要とする機種が増えている

eSIMはデュアルSIMの利用に不可欠という時代に

 ケータイが使えないという大規模な通信障害は定期的に発生している。7月2日未明からのauの障害はほぼ復旧という段階まで2日以上かかり、完全復旧の宣言までは3日を要した。ここまで長い障害は経験がない。

 今回はauネットワークの問題だが、他社も障害自体は過去に発生させており、auネットワーク以外を使っているからと安心できない。

 そこで思いつくのが予備回線の確保。昔なら「もう1台ケータイ」だったが、今はデュアルSIM機が普及して、1台のスマートフォンで2回線利用することは当たり前にできる。iPhoneでも、XS/XR世代(第2世代iPhone SEを含む)以降で対応しており、2回線の同時待受が可能。電話を受ける番号がトラブル中なら着信不可だが、緊急通報や急ぎで誰かに連絡しなければならない場合には対応できる。

 しかしここに来て、物理的なSIMが2枚入れられる機種は減ってきた。国内仕様のiPhoneはいずれもnanoSIM+eSIMという仕様。さらにiPhone 13以降はeSIM×2のデュアルSIMにも対応した(nanoSIM+eSIMも可能)。

 またAndroid機では、nanoSIMが2枚入る機種が多かったが、こちらもnanoSIM+eSIMという仕様が増えている。たとえば、“全部入り”ミドルクラス機として現在人気のモトローラ「moto g52g 5G」、シャオミ「Redmi note 11 Pro 5G」、OPPO「Reno 7A」の3機種のうち、SIMが2枚入るのはOPPO Reno7 Aのみだ(nanoSIM+eSIMとの両対応)。

eSIMのサービスは3大キャリアのサービスに楽天モバイル
MVNOの格安SIMはまだ対応例が少ない

 現在、eSIMが利用できるキャリアはというと、3大キャリアのメインブランド、サブブランド、オンライン専用サービスに加え、楽天モバイルが代表格。MVNOの格安SIMでは主なものではIIJmioと日本通信、またゲーム好きに人気のLinksMateも対応している。このほか、海外キャリアが日本でも使えるプランとして国内で受け付けている例もある。

 IIJmioについては、データ通信専用のeSIM専用プラン(ドコモネットワークを使用)で、070/080/090番号を用いた音声通話はできない。また、日本通信も現在主流の「日本通信SIM」ブランドのサービスのみとなっている。

 そこで主なeSIMのサービスを表にした。

eSIMの注意点はSIMの端末間の入れ替えが
キャリアのシステムに依存すること

 表を見ていくと細かな違いがあることがわかってもらえると思うが、筆者が最も注意してほしいと思う項目は「eSIM再発行」だ。

 通常のSIMでは、使いたいスマートフォンを変える場合は、SIMを差し替えるだけだが、eSIMではキャリアのシステムから再発行をしてもらい、新たに登録しなおさなといけない。これが簡単にできないと自由度が下がるだけでなく、故障などの際に予備機への移行が難しくなる。

 特に紛失や故障で、現在eSIMを挿入しているスマートフォンが通信できない状態に陥った際、3大キャリアのほとんどの例ではキャリアショップでの有料のeSIM再発行が必要になる。これは手続きの際、SMSによる二段階認証が必須となっているためだ。

 また、オンラインでSIM再発行できる場合でも、再発行を受け付ける時間が限定されていることも。夜中に思い立って、移行をしようと思っても、実際にできるのは翌日の営業時間になってしまう場合がある。

 そして、ドコモ(ahamo含む)でeSIMを使おうと考えている場合は特に注意が必要。eSIMのシステムメンテナンスが昨年の10月25日から終了未定で継続中だ。オンラインでは、MNPを含む新規契約こそ可能なものの、eSIM再発行がオンラインではできず、サポート対応となり、ドコモショップへ予約を取って、来店というケースもあるようだ。

 背景になんらか事情があるのかもしれないが、事実上、eSIMの再発行がかなり困難であることから、万が一の際、物理SIMに比べて復旧が遅くなる可能性は高いと言える。

気になるのはeSIMへの3大キャリアのやる気のなさ
ただし楽天モバイルは優秀

 また、現在物理SIMを利用しているユーザーがeSIMに変更する場合の対応の悪さは3大キャリアで共通だ。各社のウェブサイトのQ&Aを見ても物理SIMとeSIM相互の変更の案内はほとんどなく、問い合わせても「変更は不可」とネット上の体験談と違った回答を受けたこともあった。あらためて問い合わせることで正答を得たが、eSIMに対するやる気のなさを感じる次第だ。

 前述のeSIM再発行の対応時間帯も、わかりやすく表示しているキャリアはなく、受付が24時間対応であっても実際に適用されるのは翌朝であったりと差は大きい。

 またMVNOの格安SIMでは、そもそもの料金が安価なこともあってか、残念ながら細かく手数料がかかってしまう。

 反対にeSIMに関して優秀なのは、楽天モバイル。eSIMの再発行も物理SIM間との変更もすべて無料。対応も24時間。ログインにSMS認証などを使っていないので、故障した場合でも別機種でのeSIM登録がすぐに可能だ。

 1つだけ残念な点があるとすれば、eSIMでの新規契約時、開通案内の書類が宅配便で届くまで利用開始が不可なこと。本人の所在確認のためなのだとは思うが、契約してすぐ利用できないという点が惜しい。また、宅配便の配達ステータスが「配達完了」になり、それが楽天のシステム側に反映されないと開通しないシステムのため、MNPで早まって移行手続きを進めてしまうと回線が使えない状態になってしまうことがある。

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