京都大学と大阪大学、コグナノ(COGNANO)などの研究グループは、オミクロン株(B.1.1.529、BA 系統)などの新型コロナウイルスのすべての変異株に対して、既存の治療用抗体製剤よりも中和活性が高いナノボディ抗体を開発した。
京都大学と大阪大学、コグナノ(COGNANO)などの研究グループは、オミクロン株(B.1.1.529、BA 系統)などの新型コロナウイルスのすべての変異株に対して、既存の治療用抗体製剤よりも中和活性が高いナノボディ抗体を開発した。 ヒトに比べて抗体の大きさが10分の1程度のアルパカから抗体を作ることで、ヒト抗体では入り込めないスパイクタンパク質の深い溝に入って結合する抗体を開発することに成功した。アルパカ抗体が入り込む深い溝は、ウイルスの変異がほとんどない領域であり、さまざまな変異種に対応できるという。 研究成果は7月6日、コミュニケーションズ・バイオロジー(Communications Biology)誌にオンライン掲載された。研究グループは、今回開発した抗体よりもさらに中和活性が高い改変ナノボディ抗体を作成し、臨床応用を目指すとしている。(笹田)