スタートアップのSynspectiveとUbieもゲスト出席、プログラム活用で得られたメリットを語る
Google Cloud、リニューアルしたスタートアップ支援プログラムの強化点を紹介
グーグル・クラウド・ジャパン(Google Cloud)は2022年7月13日、今年リニューアルした「Google for Startupsクラウドプログラム」を中心とする、同社のスタートアップ支援施策についての記者説明会を開催した。同プログラムを活用しながら事業を拡大させてきた衛星データサービスのSynspective、医療向けサービスのUbieもゲスト出席し、Google Cloudからどのようなサポートを受けたのかを紹介した。
資金/技術/ビジネスという3つの側面からスタートアップを支援
Google Cloudでスタートアップや中堅中小企業向け事業を担当するSMB事業本部長の長谷川一平氏は、同社では2014年からスタートアップ支援プログラムを展開してきたと紹介した。この支援プログラムを利用したスタートアップは累計610社、支給したGoogle Cloudのクレジットは総額1740万ドル分に上るという。
このプログラムをリニューアルし、今年2月から提供を開始したのがGoogle for Startupsクラウドプログラムだ。提供開始から約半年が経過した現在、すでに昨年1年間の旧プログラムを上回る活用実績社数になっているという。
「長年スタートアップ支援させていただく中で、どのような形の支援がスタートアップ企業に役立つのかを考え、継続的にプログラムならびにGoogle Cloud側体制を改善してきた」(長谷川氏)
特に今年は、創業期に近い初期段階(アーリーフェーズ)のスタートアップに対する支援を拡大しているという。Google for Startupsクラウドプログラムの対象は株式投資を受けているシリーズA以前のスタートアップとなるが、それ以前の、株式投資を受けていないブートストラップ(自己資金で起業)のスタートアップに対しても、2000ドル分のクレジット、Google Cloudのスタートアップ担当やエンジニアとの面談などを通じた支援を行えるようにした。
Google for Startupsクラウドプログラムにおいては、資金面、技術面、ビジネス面の各側面からサポートを行っている。資金面でのサポートだけではなく、技術やビジネスの側面からも強力に支援する点が特徴だと、長谷川氏は説明した。
「スタートアップの成功にはビジネス面でのサポートが欠かせない」「Googleはクラウド事業(Google Cloud)だけでなく、たとえば広告などさまざまな事業を展開しているので、そうした事業部門とも連携しつつ支援を進めている。さらに単純なクレジットプログラムではなく、たとえば海外進出していくための強い組織の設計だったり、人材採用の方針だったり、そうした情報やサポートを提供している点も特徴だと考える」(長谷川氏)
資金面では、Google Cloud利用料に充当できる年間最大10万ドル分のクレジットを提供する。プログラム1年目は利用料の100%(全額分)をこのクレジットでカバーできるほか、今年から新たに2年目も利用料の20%をカバーできるようにした。加えて「Google Workspace」「Google Maps Platform」にも別途、利用特典がある。
技術面では、Google Cloudのスタートアップ専任担当とのオンライン相談やエンジニアとの一対一のガイダンスといった機会、有料のオンライントレーニングやハンズオンラボに充当できる500ドル分のクレジットなどが提供されている。
ビジネス面のサポートとしては、Google内のスタートアップ専任組織との連携によるメンターシップ/アクセラレータープログラムの提供、ユーザーグループである「Jagu'e'r(Japan Google Cloud Usergroup for Enterprise)」内に新設されたスタートアップ分科会への参加機会などを挙げた。
「こうしたサポートを通じて、スタートアップ企業が最適なテクノロジーを選定しつつ、技術面やビジネス面での支援も通じて事業を成長させる、そういうお手伝いができればと考えている」(長谷川氏)