最新パーツ性能チェック 第375回
40本のゲームで検証!Ryzen 7 5800X3D対Core i9-12900K真のゲーミング最強CPU決定戦(Radeon編)
2022年07月20日 11時00分更新
Shadow of the Tomb Raider
「Shadow of the Tomb Raider」はAPIにDirectX 12を選択、画質“最高”にアンチエイリアスはTAAを選択。レイトレーシングやアップスケーラーはオフとした。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。
最低でも平均でもRyzen 7 5800X3Dの方がフレームレートが出ている。
Sid Meier's Civilization VI: Gathering Storm
「Sid Meier's Civilization VI: Gathering Storm」ではDirectX 12モードで起動。画質は最高設定、アンチエイリアスはMSAA X8とした。ゲーム内ベンチマーク機能のうち、Gathering StormのGPUベンチマークモードを利用した。出力結果はフレームタイムなのでそこからフレームレートを逆算している。
ややCore i9-12900Kの方が高いフレームレートを出せているが、Ryzen 7 5800X3Dに対しての伸び率は4%未満とさほど大きくない。
Tom Clancy's The Division 2
「Tom Clancy's The Division 2」はAPIにDirectX 12を選択し画質“ウルトラ”に設定。ゲーム内ベンチマークを再生し、その際のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。
Core i9-12900Kの平均フレームレートが5%程度高い。
Tom Clancy's Rainbow Six Extraction
「Tom Clancy's Rainbow Six Extraction」は画質“最高”をベースに固定解像度設定とした。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。
GPU負荷の高いゲームなためなのか、両者のフレームレートに差といえるような程のものはないといえる。
Tom Clancy's Rainbow Six Siege
「Tom Clancy's Rainbow Six Siege」はAPIにVulkanを選択。画質“最高”にレンダースケール100%設定を追加した。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。
1つ前のRainbow Six Extractionとはグラフィックもエンジンの作りも大きく違うようだ。Rainbow Six SiegeではRyzen 7 5800X3Dの方がより高いフレームレートを期待できる。
Tiny Tina’s Wonderlands
「Tiny Tina’s Wonderlands」ではAPIにDirectX 12を選択し画質“バッドアス”に設定。ゲーム内ベンチマークモードを利用してフレームレートを計測するが、最低フレームレート(1パーセンタイル点)はログから算出している。
この結果からでは3D V-Cacheのメリットは活きなかったのか、3D V-Cacheの効果がコア数のハンデをひっくり返したかは判断付かないが、両CPUには差が出なかった。
VALORANT
「VALORANT」では画質を最高設定とした。射撃練習場における一定のコースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。
Ryzen 7 5800X3Dの強さが際だったのがVALORANT。Hitman 3ほどは伸びなかったが、平均フレームレートにおいて約15%ライバルを上回った。
Watch Dogs: Legion
「Watch Dogs: Legion」ではAPIにDirectX 12を選択し、画質“最大”に加え精細度も100%(最大)とした。ただしレイトレーシングはオフとしている。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。
GPU負荷が高すぎるとCPUの差が出にくくなるという一例といえる。
Witcher 3: Wild Hunt
「Witcher 3: Wild Hunt」では最高画質に設定。マップ内の一定のコースを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。
平均フレームレートよりも最低フレームレートにおいてCore i9-12900Kの方がRyzen 7 5800X3Dを9%程度上回った。
平均fpsがRyzen 7 5800X3Dの方が高かったゲームは40本中29本と、全体の約7割!
以上でゲーム40本を使ったRyzen 7 5800X3D対Core i9-12900Kの対決は終了だ。DRMの制限やDLサイズ、ベンチマークに適さない等の理由から泣く泣く検証から除外したゲームもあったが、まあこの程度のサンプルを見れば、優劣の傾向は掴めるだろう。
ではどちらが優秀かの判定だが、ここではRyzen 7 5800X3Dを基準とした時のフレームレートの増加(減少)率に注目してみたい。下の表はここまで紹介してきた結果を一覧にしたものだ。それぞれのCPUにおいて最低と平均フレームレートを列挙している。
そして“どちらが優秀か”の判定基準として、今回は「フレームレートで2.0%(小数点第2位を四捨五入)以上の差を付けて勝っているもの」とした。101fps対100fpsなら誤差だが、102fpsなら辛うじて差として認めて良いだろう、という判断だ。表中の黒字+太字の部分はライバルに対して数値で上回っているが、伸び率が2%未満のものであることを示している。
この表によれば、平均フレームレートにおいてRyzen 7 5800X3DがCore i9-12900Kを単純に上回ったゲームは40本中29本。そのうち2%以上上回ったのは21本であり、さらにその中の10本のゲームがCore i9-12900Kに対し5%以上上回っていた。逆にCore i9-12900Kが数字上で上回ったのは11本だが、2%以上上回ることのできたゲームはわずか6本で、5%以上上回ったゲームはわずか2本に過ぎない。
3D V-Cacheはどんなゲームでも効くとは言えないが、コア数で上回るCore i9-12900Kに対し互角以上に渡り合っている。Core i9-12900Kが勝つゲームもあるが、Ryzen 7 5800X3Dに対する伸び幅は小さい。
一方最低フレームレートの方に目を向けると、勝率はやや変わってくる。40本中Ryzen 7 5800X3Dが2%以上勝ったのは17本だが、Core i9-12900Kは13本。ただHorizon Zeroのように最低フレームレートが乱高下しやすいゲームもあることを考えると、平均フレームレートよりは信頼性に劣るデータなので、その点は注意して頂きたい(平均フレームレートはある程度時間をかけて計測し、スパイクが発生しても平均にはあまり影響しないことが分かっている)。
という訳でビデオカードがRadeon RX 6800環境においてゲーム40本を利用したRyzen 7 5800X3D対Core i9-12900K対決ではこのような結果になった。コア数や最大クロックにおいてCore i9-12900Kを下回るハンデを背負っていてなお、ゲームによっては格上のCore i9-12900Kを大きく上回るフレームレートが出せるものもある。
だがこれだけでは検証は不十分だ。なぜならGPUのアーキテクチャーが全くGeForce環境での性能検証も行わなければならない。そこで次回はGeForce RTX 3080環境で全く同じ検証をやってみたいと思う。
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