こんな所までこだわるの!? GALLERIA(ガレリア)の品質向上の取り組みを徹底取材! 第6回
GALLERIAの瀧吉氏と永田氏、ASRockの原口氏、オウルテックの中村氏が品質へのこだわりを語る!
各社高品質へのこだわり話が止まらない! GALLERIAとその中身を担うPCパーツメーカーASRock、オウルテック座談会
2022年07月19日 11時00分更新
国内組み立て品質を上げるための、パーツメーカーとの協力体制(ASRock編)
専用マザーボードが誕生した経緯は、実はASRockからの提案
マザーボードはパソコンのベースとなる大切なパーツ。性能に大きく影響するCPUやビデオカードのような派手さはないが、USBやLAN、SSDやメモリーの接続といったパソコンの基本機能を提供しており、縁の下の力持ちといった存在だ。また、CPUクーラーやケースファン、LEDストリップといったアクセサリー類の接続を担うのも、マザーボードの役割となっている。
BTOパソコンの製造において、マザーボードが変わると組み立てやすさが大きく変化する。それは、コネクターの位置などは規格化されておらず、製品によって変わってくるためだ。
組み立てが難しいものになると、それだけ時間がかかるだけでなく、製造不良の原因ともなりかねない。そのためサードウェーブでは以前からASRockと協力し、コネクター位置の見直し提案や、組み合わせによる動作不良の原因究明などを行なっている。
現在GALLERIAで使われているケースは、サードウェーブが独自に設計したもの。
「設計でこの形にしていくまでに、試作品を製造ラインに持ち込んで、どの部分をどう変えたら組み立てやすいか、というプロセスを何度も行なっています。新たにケースを作るので、そもそもこういう形だったらこういった効率のいい組み立て方ができる、という提案ですね」(瀧吉氏)
既存品ではケースのほうを改造することはできないため、「どうすれば組み立てやすいか」ということを考えるのだが、自分達でケースを設計できるのであれば、組み立てやすさを最優先でき、もう一歩踏み込んだBTOパソコンが作れることになる。ほんのちょっとの手間や不便が改善されるだけでも、何百台、何千台と作ることになれば、組み立て時間も不良率も大きく下げることができるからだ。
もちろん、ケースだけを一方的に設計しても、搭載するマザーボードとの兼ね合いによっては、むしろ組み立てにくいものになってしまう。そのため、マザーボードメーカーのASRockとの協力は不可欠なものとなっていた。
そんな協議が何度か続いたあと、原口氏から提案されたというのが「専用マザーボード」の開発だ。
「サードウェーブさんからの要望が、普通の製品をカスタムしたくらいではまかないきれなくなってきていたのもあります。また、汎用のマザーボードですと、何千、何万というパーツとの組み合わせで動作しなくてはならないのですが、専用のマザーボードなら、サードウェーブさんが使う特定パーツだけを考えればよくなります。すると、特化できるぶん品質や安定性も上げられるため、お互いメリットがあるなと思ったので、提案させてもらいました」(原口氏)
これは、長年信頼関係のあるパートナーだというのが大きい。もちろん数が少なければ専用品などは作れないわけで、それだけGALLERIAが売れているということの証左でもある。
実は専用マザーボードだということは、販売開始当初は公開していない情報だった。しかし、自作PCファンが見たことのないマザーボードだということに気づき、Twitterなどで噂になった。
それがちょうど、週刊ドスパラTV(毎週木曜20時より)に原口氏が登場するタイミング。それならもうオフィシャルに認めてしまおうということで、急遽番組内で専用マザーボードだと公開する流れとなったというのが面白い。
国内組み立て品質を上げるための、パーツメーカーとの協力体制(オウルテック編)
日本で相談、対応してくれる窓口としてオウルテックが心強い
電源ユニットはオウルテックが製造しているわけではないので、ASRockのように専用設計品を作る、といったことは難しい。では協力体制が薄いかといえばそうではなく、むしろ、何かあった際にはかなりスピーディーに対応してくれるという。
「パソコンの動きが怪しい、でも電源が原因かどうかはわからない……といったときでも、ちょっと見てもらえませんか? とオウルテックさんに声をかけると、スグに対応してくれて、一緒に原因究明をしてくれます。我々としてはそれが心強いです」(永田氏)
もちろんほかの輸入販売を行なっているだけの代理店でも、製造元に掛け合ってくれるが、返事が来るのに時間を要することがある。現物を送って調査を依頼するとなると、数週間かかることもある。
その点オウルテックは技術者がいることもあり、何が原因かわからないという状況でも相談可能。しかもその窓口が国内にあり、日本語でスピーディーにやり取りできるのだから、心強いというのも当然だ。
ちなみにオウルテックの本社は海老名市にあり、サードウェーブの綾瀬事業所までの距離も近い。何かあればすぐに駆け付けられる距離にいる。
「ちょっと車に乗ればすぐにつきますからね」(中村氏)
というのも頼れるところだろう。
なお、電源ユニットは意外と軽視されがちなパーツで、自作PCで一式買い替えることになっても、電源ユニットは壊れていないから使い回しでいいか、と考えられてしまうことが多い。しかし、ATX電源の技術仕様は毎年といっていいくらい細かなバージョンアップがあり、実は少しずつ変化している。
そのため、最新マザーボードで10年前の古い電源を使ってしまうと、起動するまでに2分かかる、電源ボタンを何度か押さないとオンにならない、スリープができない、電源オフを選んだはずなのに再起動になるなど、ちょっとした不具合が起こりがちだ。
こういった細かな技術仕様の話をしても、オウルテックはしっかりと情報交換できるという。
「CPUやビデオカードで新しい仕様が出ていますが対応できますか? と聞いても、メーカーによっては明確な回答に時間がかかることがあります。その点、オウルテックさんはすぐに回答いただけるところがありがたいですね」(瀧吉氏)
サードウェーブのBTOパソコンでは電源ユニットを選べる機種が多いが、そのほぼすべてで、Seasonicの電源ユニットが選べるようになっている。このことからも、電源ユニットへの信頼性の高さが読み取れる。
「とくにハイエンドモデルになると高負荷がかかりますし、安定性も重要となるので、使用電源ユニットの吟味が必要なんですよ。そういう意味でも、検証段階から使うことが多いSeasonic製の電源ユニットは信頼できるので、全モデルで選べるよう配慮しています」(瀧吉氏)
実際、ユーザーのカスタマイズ内容を見ると、電源ユニットをわざわざSeasonic製品へと変更して購入している人がかなりの数いるそうだ。
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