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こんな所までこだわるの!? GALLERIA(ガレリア)の品質向上の取り組みを徹底取材! 第6回

GALLERIAの瀧吉氏と永田氏、ASRockの原口氏、オウルテックの中村氏が品質へのこだわりを語る!

各社高品質へのこだわり話が止まらない! GALLERIAとその中身を担うPCパーツメーカーASRock、オウルテック座談会

2022年07月19日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●八尋/ASCII

提供: サードウェーブ

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コロナ禍で大きく変わった品質管理の手順

 海外の製造現場を必ず見に行くという永田氏。直接やり取りが必要となったときにいつでも駆け付けられるよう、以前は常にパスポートを携行していたという。

 しかし、ここ2年余りのコロナ禍によって、直接現地へと行くのが難しくなってしまった。

 「コロナ禍になって海外へ自由に行き来できない中、どう品質を確保するのか我々としても苦労しました。実はサードウェーブには深センにパーツの品質管理事務所があり、そこのスタッフに、中国全土の工場へ行ってもらいました。製造工場から動画や写真を送ってもらったり、リモート会議などを駆使して、現地に行かなくとも品質を維持できるようにしています」(永田氏)

コロナになって中国へ直接行けなくなってしまったものの、さまざまな手法で品質を維持できるよう努力し続けているという

 もちろんこのコロナ禍はサードウェーブだけでなく、パーツメーカーの製造にも大きく影響がある。ASRockではロックダウンで製品が出荷できなくなるという影響を避けるため、複数あるどの工場からも、同じ製品を同じ品質で、同じ日に出荷できるような体制を整えたとのことだ。

 「作業手順書の見直しはもちろんですが、増築とか改築、新規の工場立ち上げ時には、ほかの工場と同じ品質管理基準を採用し、同じように作れる環境を構築しています」(原口氏)

 このあたり、生産の自動化率が進められているというのも大きく役立っていそうだ。人が作業するには熟練するまでにどうしてもタイムラグがあるが、機械による自動生産なら、データを切り替えるだけで生産できる。もちろん、テスト生産と検査は必要になるとはいえ、それも最初だけですむ。

 今もコロナ禍の影響が残ってはいるものの、コロナ禍以前と変わらない品質と生産量を確保できるよう、十分な体制が整えられている。

ASRockとオウルテックによる品質維持への取り組み

 工場の品質管理という点で、ASRockは生産や検査の自動化をかなり進めているというのは前述のとおり。だが実はこれ、さらに品質を高める工程がある。それが、全数テストだ。

 生産した製品は100、1000といった単位で管理され、その中からいくつか抜き取ってテストを行ない、正常に動作するのか確認するというのが一般的だ。しかし、サードウェーブ製品用に製造した製品に対しては、一部の抜き取りではなく、全数に対して動作テストを行なっているのだという。

 「CPUやメモリーを挿しての起動確認、USBやLANが動作しているのかといった機能テストなど、マザーボードがもつ機能をひととおり確認します。そもそも自動化によってかなり不良率は抑えられているのですが、この全数テストで、不良品を確実に弾くことができます」(原口氏)

自動化だけでなく、しっかり全数テストも実施しているという

 コストアップになるものの、それでも実施しているのは、信用が一番重要なものだと考えているからだ。一般のユーザーであれば、一度不良品にあたると次は別のメーカーにしよう……となりがち。とくに初期不良はユーザーに手落ちはなく、メーカーの責任になるだけになおさらだ。

 相手が一般ユーザーであれば、メーカー自身の評判が傷つくだけなので自業自得ともいえる。しかし、これがBTOパソコンだと、そのBTOパソコンのブランド、そしてメーカーにも迷惑がかかることになる。

 「もちろん全数テストをしたところで、不良率をゼロにできるわけではありません。ただ、0.01%だろうと下げることができれば、それだけお互いの信頼を高められるわけです。サードウェーブさんの信頼、そしてその先のGALLERIAを購入してくれたお客様のことも常に考え、製品を作っています。そのためにも、全数テストは絶対に譲れないところですね」(原口氏)

 オウルテックはSeasonicの電源ユニットを販売しており、直接製品の開発や生産には関わっていない。しかし、自社に技術のわかる人材がいるため、国内で何か問題が見つかればそれをSeasonicに伝え、改善してもらうといったことは行なわれている。

 また、国内での需要を考え、Seasonicの電源ユニットラインアップからどのモデルを発売するのか、といったマーケティングもオウルテックが実施している。

 「サードウェーブさんには現在、奥行きの短くてファンの回転を止められる『FOCUS』というシリーズと、ハイエンド向けの『PRIME』というシリーズを納品しています。このうちPRIMEにはMTLR(Micro Tolerance Load Regulation)という設計が採用されていて、負荷電流の変化による電圧変動を0.5%以下に抑えるようになっています。これによって電気的な安定性が得られるため、パソコンの動作がより安定するわけです」(中村氏)

Seasonicの電源ユニットの安定性へのこだわりを語る中村氏

 もちろん、オウルテックによる保証やサポートも充実。例えば、電源単体で購入する場合に、FOCUSシリーズでは10年間、PRIMEシリーズであれば12年間もの長期交換保証がある。この長い保証期間は、品質の高さに自信があるということの現れだろう。

 また、マニュアルなどもユーザーの利便性を考え、日本語のものを用意。ユーザーが安心して使えるよう、徹底しているのがわかる。

 製造品質に関してはSeasonicとなるが、保証やサポートに関してはオウルテックが担っている。そのため、ユーザーが購入して使う製品の品質という意味では、オウルテックが果たしている役割はかなり大きいものとなるわけだ。

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