PST、音声解析で心不全を評価する音声バイオマーカーを共同開発
PST株式会社は2022年6月20日、ヒトの音声解析で心不全の状態の評価が可能な心不全特異的音声バイオマーカーの共同化研究開発の実用化の目処が立ち、特許の共同出願を完了したと発表。
共同研究開発はPSTと横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター内科の岡田興造医師および、横浜市立大学附属病院次世代臨床研究センター(Y-NEXT)戦略相談室の小林雄祐医師とで行なっており、医療機器化へ向けて進めていくことを合意した。
循環器系疾患の死因第1位となっている心不全は、心臓の機能が低下が要因で、国内の患者数は120万人以上にのぼる。平均入院期間は14日〜18日、平均入院費用120万円と、患者の負担は大きい。早期介入ができれば再入院や進行を防ぐ可能性も報告されているが、有効な病態モニタリング手法が確率されていないのが現状である。
PSTはこの課題解決を目指し、音声バイオマーカーの共同研究開発を進めている。音声バイオマーカーは、患者が少し声を出すだけで心不全の程度を定量評価することを可能とする、新たな生体指標だ。デジタル音声データからAIなどにより開発されたアルゴリズムを使用。病態特異的な音声症状の変化を数値化する。肺や気道のむくみ(うっ血)、倦怠感など、音声に影響する心不全の症状を利用し、心不全特異的な音声症状の数値化を可能とした。
この分析技術によって、アプリを通して患者によるセルフモニタリングや、クリニックにおける心不全の定量評価、災害時や感染症流行期の通院困難な状況下の心不全管理など、多様なシステムやアプリ、ハードウェアへの実装など広い活用が見込まれる。