今(2022年6月)パフォーマンス重視でWindowsノートPCを買うとすれば、CPUはAMDの「Ryzen 6000 シリーズ」、もしくはインテルの「第12世代Coreプロセッサー」のどちらかから選ぶことになる。ではどちらのCPUが高性能なのか? これを正確に把握するのは難しい。
ノートPCの場合メモリーやグラフィックスといったスペックの差異に加え、本体サイズ(=冷却力に直結)や独自機能の違い、さらには価格差(高級志向か、廉価版か)なども影響する必要があるからだ。
だが今回、この制約を乗り越えられるゲーミングノートPCに巡り会えた。「Ryzen 7 6800H」を搭載した「TUF Gaming A15 FA507RM-R76R3060(以降FA507RMと略)」と「Core i7-12700H」を搭載した「TUF Gaming F15 FX507ZM-I7R3060(FX507ZM)」がそれだ。コア数(後述)は異なるがRyzen 7とCore i7という“ランク”は共通している。
さらにGPUはGeForce RTX 3060(以降RTX 3060)、メモリーもDDR5-4800の16GB構成。本体のデザインも同じなら搭載液晶も144HzフルHDで同じ。ダメ押しに価格(税込18万9800円)まで同じだ。これならモバイル向けRyzen 6000 シリーズと第12世代Coreの性能を互角の条件で比較できる。そのため、この2モデルでの検証を実施していきたい。
ただ両者は完全に同じという訳ではない事も言っておきたい。FX507ZMはUSB Type-Cの仕様においてFA507RMより高速である一方、FA507RMのバッテリー駆動時間は11.3時間とFZ507XMの9.3時間(ともに公称)より2時間長い。バッテリー容量はともに90Whであるため、後者はパフォーマンス差を示唆している可能性もある。