東京大学の研究チームは、日本人成人644人の詳細な食事記録データをもとに、日本人が日常的によく食べる食品の種類と量を示した画像データベースを構築した。209品目の食品と料理について、1回の食事における摂取量や、食品の種類のバリエーションを幅広く示した食品画像と、12種類の食器の画像が収められている。
東京大学の研究チームは、日本人成人644人の詳細な食事記録データをもとに、日本人が日常的によく食べる食品の種類と量を示した画像データベースを構築した。209品目の食品と料理について、1回の食事における摂取量や、食品の種類のバリエーションを幅広く示した食品画像と、12種類の食器の画像が収められている。 研究チームは、食品画像データベースに収載する食品を決定するため、日本人成人男女644人による計5512日分の食事記録データを解析して、登場回数や総摂取重量などから日本人がよく食べる食品を特定。食品や料理の量や皿の大きさを認識しやすくするために、箸やナイフ、フォーク、スプーンなどから各食品や料理に合うものを1~2個選んで、一緒に写真に収めた。 日本人の食事摂取状況に基づいて構築された日本で初めての網羅的な食品画像データベースであり、さまざまな食事調査法と組み合わせて、食品の摂取量の推定に使うことを想定する。特定の写真を選択したり、写真に示されている分量と比べた相対的な大きさを報告したりすることで、食品の重量を推定できるほか、各写真と栄養素含有量のデータを紐づけることで、エネルギーや栄養素の摂取量を計算することも可能になる。 海外では食品摂取量の推定に食品の画像が広く使われているが、日本ではこれまで、食事摂取データに基づいて作られた網羅的な食品画像データベースが存在しなかった。今回の研究成果は、ヌートリエンツ(Nutrients)オンライン版に5月26日に掲載された。(中條)