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NECと理研、AI画像認識で対象物の追加を容易にする新技術

2022年05月31日 16時21分更新

文● MIT Technology Review Japan

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NECと理化学研究所の共同研究チームは、人工知能(AI)を利用した画像認識において、新たな対象物を追加して認識できるようにする際に必要となる学習データの作成作業を簡素化する技術を開発した。

NECと理化学研究所の共同研究チームは、人工知能(AI)を利用した画像認識において、新たな対象物を追加して認識できるようにする際に必要となる学習データの作成作業を簡素化する技術を開発した。 機械学習技術を用いた画像認識では、新たな対象を認識させるようにするには、その認識対象だけではなく、ラベル付けをしたすべての学習済み認識対象を用いてモデルを訓練し直す必要がある。新たな認識対象のみをラベル付けしたデータでモデルを訓練する「弱ラベル学習」では、学習に必要な時間を削減できるが、ラベルの曖昧性に起因して学習が不安定になり、高精度なモデルを学習できない問題が知られている。 研究チームは、学習時の不安定性を解消するための補正を加えながらモデルを訓練することで、この問題を解決した。一般に、学習時に補正を加えると、学習が安定する代わりに、本来の目的である「対象物を正しく推定するモデルを学習」できる保証がなくなるが、弱ラベル学習の安定化と正しいモデルの学習の両方を同時に満たすアルゴリズムを世界で初めて開発した。

(中條)

 

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