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「VeeamOn 2022」基調講演レポート

Veeam、主力製品新版「VBR V12」やSalesforce向け新製品を披露

2022年05月30日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 米Veeam Softwareは2022年5月16日と17日、米ラスベガスで年次イベント「VeeamOn 2022」を開催した。2日目の基調講演で同社のCTO 兼 製品戦略担当SVPのダニー・アラン氏が、主力製品の次期バージョンである「Veeam Backup & Replication v12」や2022年中にリリースされる新製品「Veeam Backup for Salesforce」をはじめ、最新の機能をデモと共に紹介した。

Veeam Software CTO 兼 製品戦略担当シニアバイスプレジデントのダニー・アラン(Danny Allan)氏

Veeam製品を通じて進む“クラウドへのデータ移行”

 これまで解決が難しかったり時間がかかるような問題でも、データがあれば早期に解決できることがある。こうしたデータの重要性は言うまでもないが、Allan氏がポイントに挙げるのは「データがクラウドに移行していること」だ。データがクラウドに移ることで、これまでにはない使い方が可能になるからだ。

 VeeamはすでにAmazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudなど主要なクラウドをサポートしており、SaaSでは「Microsoft Office 365」に加えて、Salesforceのサポートも発表した。

 「(Veeam製品では)2019年からクラウドに対応している。2020年にVeeamの顧客は合計242ペタバイト(PB)のデータをクラウドに送ったが、このデータ量は2021年には500PBとなった」(アラン氏)。このペースで行けば、2022年は1エクサバイト(EB)超のデータをオンプレミスからクラウドへ動かすことになる、と予想している。

 さらに、Veeamが保護するAWS、Azure、GCP上のワークロードも420%増加した。Saasにおいても、2021年にはVeeamが保護するMicrosoft 365のデータは73%増加している。買収したKastenを通じて保護するKubernetesやコンテナのデータは、2021年に900%もの成長を見せた。

 「Veeamは、ハイブリッド環境にあるデータのバックアップとリカバリを管理できる。ダウンタイムや損失から保護することができ、さまざまな課題の解決に役立てられる」(アラン氏)

主力製品の次期バージョン「VBR V12」の新機能を一部披露

 Veeamの優位性についてアラン氏は、1)信頼性のあるプラットフォーム、2)技術革新、3)パートナーエコシステム、の3点を挙げる。中でも3)パートナーエコシステムについては、「Veeamはソフトウェア定義(Software-Defined)のソリューションであり、特定のインフラにロックインすることはしない」と述べ、サードパーティ製の100以上のストレージ/クラウドと統合できることを強調した。

 主力製品の現行最新バージョンである「Veeam Backup & Replication(VBR) V11/V11a」は、2021年2月の提供開始以来、85万回もダウンロードされている。2022年中には次期バージョン「VBR V12」もリリース予定だ。今回の基調講演では、VBR V12で搭載予定の一部機能も披露された。

 まずVBR v12では、オブジェクトストレージに直接、バックアップデータを書き込む機能が加わる。従来はセカンダリストレージとして、バックアップデータのコピーを保管する用途にとどまっていた。

 アラン氏によると「これまでオブジェクトストレージにはパフォーマンスの課題があったが、現在はデプロイがシンプルになり、不変性(イミュータブル)もあり、コスト効率も改善している」。パブリッククラウド上のバックアップだけでなく、エッジ環境のバックアップに活用したり、オンプレミス環境でもプライマリのデータリポジトリとしてオブジェクトストレージを採用したりすることができるとした。

VBR V12ではオブジェクトストレージに直接バックアップを書き込めるようになる

 DRaaSも強化される。デモではVeeamパートナーのサービスプロバイダ(VCSP:Veeam Cloud & Service Providers)が、オンプレミスにあるデータベースファイルからNetwork Extension Applianceを使ってネットワークコネクションを作成し、クラウドに部分フェイルオーバーを行う様子を見せた。

 Kastenが提供するKubernetesデータ保護「Kasten K10」の、VBRプラットフォームへの統合も進む。すでにV11ではバックアップリポジトリを統合しているが、V12ではVBRから直接Kastenを使ったKubernetesバックアップが操作できるようになるという。

Kastenmは5月16日に「Kasten by Veeam v5.0」を発表している。今回の基調講演では、VBR V12で実装されるVBRコンソールからのKastenの操作をデモした

Salesforceデータを保護する新製品も2022年中にリリースへ

 「Veeam Backup for Microsoft 365」では、2022年後半に次期バージョン(V7)を公開する予定だ。搭載予定の新機能として、Veeam製品の監視/分析を一元化する「VeeamOne」を使ってMicrosoft 365のバックアップ状況を俯瞰する機能、データ保護上の異常を感知したらすぐにそれを解決する“アクショナブル・アラーム”機能などが紹介された。

Veeam Backup for Microsoft 365では、VeeamOneから送られてきたレポートから異常箇所を探し、事前に設定しておいた緩和策であるPowerShellスクリプトを実行するデモを披露

 アラン氏によると、VeeamOneは大規模なHadoopデータストアをバックエンドに持ち、ソフトウェア、ファームウェア、ハイパーバイザー、ストレージなどの組み合わせを見ながら問題を検出するアルゴリズムが継続的に動いている。設定やインフラの既知の問題を自動検出する「Veeam Intelligent Diagnostics」が190件以上組み込まれており、セキュリティのレポート機能も備える。

 Veeam Backup for Microsoft 365はコロナ禍で順調にユーザー数を伸ばしており、現在の有料契約ユーザーは1100万人に達しているという。

 さらに、Salesforceに対応するバックアップ新製品「Veeam Backup for Salesforce」も披露した。2021年に発表していたもので、2022年中の提供開始予定だ。

 実は、Veeam自身もSalesforceユーザーであり、社内でデータバックアップの必要があることから生まれた製品だという。SalesforceのネイティブAPIを使い、添付ファイルや関連するオブジェクト階層まですべてを含む完全なリストアも、ファイル/メタデータ/フィールド値の個別リストアも選択できる。Salesforceデータをバックアップすることで、ヒューマンエラーや統合時の問題などのデータ損失リスクから保護できるとした。

今年中に登場予定の「Veeam Backup for Salesforce」デモ画面

 アラン氏は最後に、「Veeamはモダンデータ保護技術の提供を通じて、バックアップ/リカバリーとデータ管理ソリューションにおいて最も信頼できるプロバイダであり続ける」と述べ、パートナー、顧客と共に「不可能と思われていた問題を解決したい」と締めくくった。

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