アップルは、同社の直営店舗Apple Storeにて無料で提供する文教研修プログラム「Today at Apple」の新しい試みとして、2021年にスタートした「Creative Studios」を今夏から東京を含む世界14都市で開催する。
Today at Apple Creative Studiosは2021年6月にロサンゼルスと北京で始まった、アップルが無償で提供する教育プログラムだ。開催される各地域において、雇用・教育の機会に恵まれない不利な状況を抱える方々が、Creative Studiosへの参加を通じてプロフェッショナルなビジネススキルとしても役に立つプログラミング、クリエイティブツールの使い方などを、アップルのデバイスを手にしながら身に着けられる。これまで若いクリエイターの育成にも貢献してきた。
プロフェッショナルと一緒にテクノロジーの最先端が学べる
最初に2つの都市からスタートしたプログラムは、2021年内にロンドン、シカゴ、ワシントンD.C.、バンコクなど各都市にも拡大した。開催から2年目を迎える今夏に東京を含む7つの都市へ広がる。
今年のCreative Studiosのテーマーは「Belonging(=つながること/一体感)」。各地域で、アップルと連携するNPO(非営利団体)を通じて最大40名の参加者を募集する。各都市ごとに異なるテーマと課題が決められ、約4週間に渡って参加者がテクノロジーへの理解と知識を深めながらクリエイティビティを育む。プログラムは複数の参加者によるグループワークにより進められることから、各自がスキルと自信を獲得できるだけでなく、参加者どうしでつながることで仲間意識も高められるという。
セッションの進行はApple Storeの熟練したスタッフのほか、各専門分野の豊富な知識と経験を持つスペシャリストがメンター(=コーチ)として担当する。例えば昨年夏にロサンゼルスで開催されたCreative Studiosにはグラミー賞を受賞した音楽プロデューサーのLarrance “Rance” Dopson氏や、ドキュメンタリー写真家・映像作家のBethany Mollenkof氏、Apple MusicのGlobal Editorial Head of Hip-Hop and R&BであるEbro Darden氏がメンターとして教鞭を執り、参加者とクリエイティブワークの時間を共有した。
プログラムを修了した参加者のひとりが、後に作曲した音楽がApple Musicを通じて世界に配信されたり、パリのCreative Studiosからは参加者による短編ショートムービーがApple TVを通じて羽ばたいたというエピソードもある。
Creative Studiosの研修現場には、アップルとNPO団体のサポートを通じてiPadやMacなどアップルの製品が参加者に提供される。アップル製品と親しみながら、詳細な活用方法を学べることもToday at Appleから派生したCreative Studiosならではの醍醐味だ。