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クラウドAIにも対応予定で本体2980円!今ならキャンペーンも

ポン置き&簡単設定できるクラウドカメラサービス「ソラカメ」発表

柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

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 2022年5月18日、ソラコムはクラウドカメラサービス「ソラカメ」を発表。「ソラカメ」対応カメラとして、アトムテックの「Atom Cam 2」が採用された。また、ソラコムはビジネス分野でのカメラ活用を推進するため、アトムテックへの出資を伴う資本業務提携を契約した。

ソラコム代表取締役社長CEOのの玉川憲氏(左)、アトムテック代表取締役の青山純氏(右)

日本から世界をリードできる製品を作りたい! ソラコムとアトムテックで共同開発の「ソラカメ」

 ソラコムは「IoTテクノロジーの民主化」を掲げ、IoTの「つなぐ」を簡単にするサービスを提供している。SORACOMの接続回線は400万回線を突破。140以上の国と地域で2万を超える顧客が利用している。

 ソラコムもエッジAIカメラ「S+Camera」をリリースしており、AIを活用した機能を利用できる。しかし、「S+ Camera Design」は開発者が使えるように多機能で、価格も4万円強とややお高めだ。

「機能を絞り込み、より安価で、すぐ使えるものを作りたいな、とチームと話していました」とソラコム代表取締役社長CEOの玉川憲氏。

 ガジェット好きの玉川氏は新しいIoTデバイスが出たら買って試してみるそうで、アトムテックが販売している「Atom Cam」を触ってみたところ、非常にいいプロダクトだと感じ、作っている人に会いたいと考えた。そこで、Facebook経由で共通の知人から紹介してもらい、アトムテックの青山純氏と食事に行ったそう。

「話していると、青山さん自身もIoTをもっと普及させたい、日本から世界をリードできる製品を作りたい、という強いパッションを持っていました。そこで、一緒に何かやろうということで、出資させていただくという形になりました」(玉川氏)

 その流れで資本業務提携を行い、ソラコムとアトムテックで「ソラカメ」を共同開発することになった。

シリーズ累計販売台数15万台越えの「Atom Cam」

 アトムテックの青山氏は中国浙江省の生まれで、2003年に日本に留学。その後富士通に入社し、ベンチャー企業への転職を経て、2019年に創業した。その際、日本が再び世界をリードする製品を生み出すためIoT製品を手がけることにしたが、カメラにしたのは“あれば便利”より“なくては困る”モノのほうが売れると考えたからだという。

 Atom Camは2020年クラウドファンディングで販売をスタートし、「Atom Cam 2」は2021年5月に発売。現在は3世代目もリリースされており、2022年5月現在、シリーズ累計販売台数は15万台を超え、ユーザー数も10万人以上に上っている。

 高品質で高性能な部品を採用しながらも、流通や販売、広告宣伝でのコストダウンを行ない、価格がお手頃なのが人気の理由だ。あえて高品質な部品を選んでいるのは、故障や不具合、初期不良を減らし、サポートコストや初期不良交換コストを低減するためだと言う。

 「Atom Cam 2」は1辺5cmのコンパクトなネットワークカメラで、Wi-Fiと電源があれば手軽に設置できる。解像度はフルHDで、夜間でもカラー撮影が可能なカラーナイトビジョンを搭載。真っ暗な時には赤外線LEDによるモノクロ撮影もできる。IP67準拠の防水・防塵機能を備え、屋外への設置も可能。マイク・スピーカーも搭載し、カメラを通じた双方向同時通話もできる。

「最初、Atom Camはコンシューマ向けでやっていたのですが、ふたを開けてみたら企業ユーザーも多数いました。たとえば、スーパーの野菜コーナーを映して、リアルタイムで野菜の売れ行きをわかるようにして、スムーズに品出しをすることで販売ロスを軽減できました」(青山氏)

 外壁や屋根の施工を行う建築業で、「Atom Cam 2」を使って作業風景をリアルタイムで見せる「作業・見せますカメラ」サービスを提供し、信頼性を高め、受注増も実現しているのがユニークだった。不安定な屋根だとカメラの設置が難しいのだが、「Atom Cam 2」であれば、台座に磁石が入っているので金属部分にくっつけるだけで設置できる。

 高機能な「Atom Cam 2」だが、価格は税込2980円と3000円以下。筆者も自宅やオフィスで「Atom Cam 2」を4台運用中だ。(「3000円以下で手に入る防水防塵ナイトビジョン対応の高性能監視カメラ活用術」参照)

「ソラカメ」対応の「Atom Cam 2」

「Atom Cam 2」を利用する企業も増えている

手頃な価格であらゆるビジネス現場を身近につなぐ「ソラカメ」

 「ソラカメ」の開発に至った背景には、「IoT時代のカメラのポテンシャルがまだまだ大きいという考えがある」と玉川氏は語る。一般のカメラは十分に普及しているが、現場へのカメラ導入を阻む課題もある。

 警備や防犯用途のカメラは普及しているが、DX/IoTの取り組みとして、離れた現場の見える化やオフィスの遠隔モニタリングをしたくても、IoT/M2M向けカメラの導入は初期投資が高額だったり、セキュアなデータ保存環境の整備が必要だったり、初期設定や操作方法が煩雑という高いハードルがある。

 その点、「ソラカメ」は1台2980円、月額990円という手頃な価格であらゆるビジネス現場を身近につなぐIoT時代のクラウドカメラサービスとなっている。

 なお、現在のところ、既存の「Atom Cam 2」は「ソラカメ」としては利用できない。ハードウェア本体としては同じなのだが、「ソラカメ」専用のファームウェアを搭載しているためだ。とは言え、玉川氏は青山氏と話しており、個人的には既存の「Atom Cam 2」ユーザーにも「ソラカメ」を使ってもらいたいと言う。

「ソラカメ」の価格は1台2980円、月額990円~

「『Atom Cam 2』を『ソラカメ』に対応させることで、開発費もかかりませんし、安くて高クオリティで、Wi-Fiと電源があればどこにでも置けます。僕らは『ポン置き』と呼んでいます。これを店舗の監視だったり、バックヤードの入退室管理、工場の設備監視など、どんなところにもアイディア次第で使えます」(玉川氏)

 モニタリングはスマホもしくはスマホが1台あればよく、初期設定は5分で済む。その後は、いつでも遠隔からリアルタイムで映像を確認したり、カメラを管理できるようになる。

「ソラコムは“Pace of innovation”の会社ですから、アトムテック社と共に、どんどんお客さまの要望にお応えして、新しいサービスを進化させていきます」(玉川氏)

ポン置きして直ぐ使える「ソラカメ」

 すでにAtom Camアプリがバージョンアップされており、ソラコムログインができるようになっている。ソラコムクラウドカメラサービスのアプリとなり、カメラを追加できる。Wi-Fiを選択し、スマホに表示されるQRコードをカメラに読み取らせれば設定が完了する。

 アプリ上で多数の「ソラカメ」を管理でき、カメラをタップするとリアルタイムで映像や音声を確認できる。ナイトビジョンをオンにすると、肉眼でも暗い状態でも明るく表示される。スマホやタブレット上で4台までのカメラの映像を並べて表示でき、複数箇所を同時にチェックできるのも便利だ。

QRコードをカメラに読取らせて手軽に接続できる

薄暗くても真っ暗でも録画できるのが心強い

4台のカメラ映像をまとめて表示できるので、監視するのも楽だ

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