アマゾンの巨大EC事業をコスト増が襲う
Amazon.com(アマゾン)の1-3月期決算は「7年ぶりの赤字」と大きく報じられました。赤字の理由は、アマゾンが投資した新興EVメーカー「Rivian Automotive(リビアン)」の株価下落による評価損となっています。
前の四半期にはリビアンの上場による巨額の純利益を計上していました。ただ、リビアンに関する数字を切り離したとしても、アマゾンの状況はあまりよくありません。その理由がコスト増です。
コロナ禍での需要に対応すべく、アマゾンの従業員数は2年で80万人から160万人に倍増しています。人手不足による賃金上昇に加え、最近では米国で労働組合の結成が進むなど、コストは増える一方です。
米国ではインフレが進んでおり、消費者物価指数は前年同月比で8.5%も上がっています。さらにウクライナでの戦争により燃料などの価格も高騰。アマゾンのビジネスが大きすぎるがゆえに、コスト増の影響を大きく受けていることがうかがえます。
GAFAといえば利益率が高いイメージがあるものの、アマゾンの営業利益率は3%台にとどまっています。比較的利益率の高いクラウド事業のAWSが伸びており、最近注目の広告事業も一定規模に成長していることから、何とか持ちこたえている印象です。
米国ではアマゾン以外のサイトでプライム特典を利用できる「Buy with Prime」のように面白いサービスが始まっています。大型セールであるプライムデーは、昨年は6月でしたが2022年は7月開催に戻るとのこと。こちらは日本でもセールを期待できそうです。
この連載の記事
-
第270回
スマホ
iPhone値上げ、Pixel躍進──2022年のスマホを振り返る -
第269回
Apple
アップル「iPad(第10世代)」なぜ値上げ? -
第268回
iPhone
iPhone「mini」ユーザーはどこへ向かうのか -
第267回
Apple
アップル「M2 MacBook Air」M1ユーザー視点でレビュー -
第266回
スマホ
iPhone値上げ 高コスパAndroidにチャンスはあるか -
第265回
Apple
アップル製品の「壁」を取り払う新機能に注目 #WWDC22 -
第264回
スマホ
メガネをかけると大画面? 「Nreal Air」を試した -
第262回
PC
出張用のPCやモバイル回線を見直した -
第261回
Apple
アップル「Mac Studio」Mac miniから買い換える価値はある? -
第260回
スマホ
楽天モバイル「Apple Watch」は新たな強みになるか - この連載の一覧へ