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Paper Rexに見事勝利、今の心境を選手とコーチにインタビュー

VALORANT世界大会でZETA DIVISIONが3位確定の歴史的快挙! 試合直後のインタビューをレポート

2022年04月23日 12時10分更新

文● 八尋 編集●ASCII

世界3位という歴史的快挙を成し遂げた「ZETA DIVISION」。

 4月4日から24日までアイスランド・レイキャビクで開催中の「VALORANT」の世界大会「VCT 2022 Stage 1 Masters」。日本からは「ZETA DIVISION」が参戦しており、23日にはPaper Rexと対戦。

 1マップ目のアイスボックスは落としたものの、2マップ目のヘイヴン、さらには3マップ目のスプリットを制し、世界3位という歴史的快挙を成し遂げた。

 今回、Paper Rex戦終了後に開催されたメディアカンファレンスにて、ZETA DIVISIONのLaz選手、crow選手、Dep選手、SugarZ3ro選手、TENNN選手、XQQコーチへのインタビューを実施。試合後の貴重な時間を割いてメディアの質問に答えてくれたので、紹介したい。

左からSugarZ3ro選手、TENNN選手、Laz選手、crow選手、Dep選手、奥がXQQコーチ

戦いの中で話し合い、最善策を模索する

──ヘイヴンはPaper Rexの勝率が100%だったにも関わらず、大差で勝利しました。Dep選手はヘイヴンが得意ではないとのことでしたが、どのあたりに注意して挑まれたのですか?

Dep選手:1マップ目を落としてしまったので、皆でリセットしようと話し合いをして、悔いのないようにやろうと思い、イケイケでプレイしました。

悔いのないようにイケイケでプレイしたというDep選手。ヘイヴンでは苦手だったというオペレーターでワンピックをもぎ取ったり、複数人を同時に倒したりと、素晴らしい活躍をみせた

──勝因はどういった点が挙げられますか?

Dep選手:皆がちゃんとリセットできて、コミュニケーションもたくさんとれたのが勝因だと思います。

──世界3位に対しての率直な感想を教えてください。

Laz選手:めちゃくちゃうれしいです。世界3位と同時にアジア1位も獲得できたので、そこも含めて率直にうれしいです。

前の試合から3日間空いたのだが、そのときに体調を崩してしまったというLaz選手。驚いたが、見事勝利してくれた

──事前の研究でPaper Rexにどんな印象がありましたか?

Laz選手:イケイケで個人でブイブイいわせている印象を持っていたのですが、かなり繊細かつアグレッシブにスキルを組み合わせてプレイしてくるいいチームだなと思いました。

──そんなPaper Rexに対して、どんな戦略で挑まれたのでしょうか。

Laz選手:いつもどおり相手の戦い方をみて、自分たちの戦い方で通用するものを探しつつ、こういう試合の流れで行こうと話し合っていました。

──連日トレンド入りしている注目の高さに関してどう感じられていますか? また、この盛り上がりを知った方にどのようなことを伝えたいですか?

crow選手:CS:GO時代から応援してくれる方はいたのですが、今は数が桁違いになってきているので、とてもありがたいなと感じています。今までの、日本のVALORANTシーンは活発だけど世界では勝てないというイメージを覆せたと思っています。日本は強いんだぞというのを伝えられたと思うので、うれしいです。

CS:GO時代からLaz選手とともにチームをけん引してきたcrow選手

──大差で勝利したヘイヴンで印象的だったのが、Aロングにてかなり前に出て戦っていたシーンです。前に出て戦うのはPaper Rexが得意とする戦法ですが、打ち合わせ段階で前にでて戦うというのは意識されていたのでしょうか?

TENNN選手:そうですね。Paper Rexはフィジカルがとても強く、相手のペースに飲み込まれると負けるので、前に出て戦うというのは決めていました。

フィジカルが強いと語ったPaper Rexに対して堂々とした撃ち合いを見せてくれたTENNN選手

世界大会での壁を乗り越えたZETA DIVISION
次戦からはリラックスしてのぞめる

──本大会の最初の頃はプレッシャーを感じられているように見受けられました。しかし、そこから世界ベスト3までたどり着き、今どのような心境の変化がありますか?

Laz選手:(世界ベスト3は)すでに未開の地なので、最初にあった世界大会で超えなければいけない壁に対するプレッシャーはなくなったなと感じています。ただ、今回はアジア地域同士での戦いで負けたくないという別のプレッシャーがありました。でも次からはないので、リラックスしてプレイできるのかなと思っています。

──スプリットはZETA DIVISIONの得意マップという印象がありますが、結構対策されていたようにも感じました。どのように改善して勝利したのかを教えてください。

SugarZ3ro選手:スプリットで落としたラウンドは、こっちのミスだったり、あせりでズレていたりという部分があったので、そこを修正しつつ、自分たちができる手札の中でどれがいちばんささるかを考えてプレイしていきました。

SugarZ3ro選手のアストラのスキルの使い方のうまさは、本大会で世界にとどろいた

──スプリットでは、Paper Rexのf0rsakeN選手が前に詰めてくる場面が多かったのですが、どう対処されたのでしょうか。

SugarZ3ro選手:f0rsakeN選手が詰めてくるのはわかっていたのですが、最初のほうのラウンドは修正が上手くいかなかったです。ただ、ラウンドを進めるうちに無理せず引かせるだけでいいなと思いながらプレイしていて、それがうまくささってくれたのだと思います。

──次のOpTic Gaming戦はどのように考えられていますか? 意気込みも含めて教えてください。

XQQコーチ:これまでに当たってきたチームよりはしっかりと対策をしてきていますし、NAで残っている一番強いチームなのですが、NAのチームと当たるのは初めてなので、楽しみでもあります。

タイムアウトでの軌道修正でチームを何度も救ってきたXQQコーチ

──前回の試合から3日間あったと思うのですが、その間どのような過ごし方をされたのでしょうか。

Laz選手:勝ち進めると3連戦になるのはわかったいたので、試合を見直して対策をしつつ、自分たちも皆で調整してがんばるつもりだったのですが、自分が体調を崩してしまって、休みにかける時間が長くなり、そこまでやりたいことはできなかったです。ただ、本当におさえなくてはいけない部分などはしっかり見直せたかなとも思っています。

強豪たちとの激闘が強さに
応援は力になる!

──G2 Esports戦以外は、2対1での勝利となっています。この試合の経験を重ねて、マップごとやチームとしての習熟度は上がってきていますか?

Laz選手:そうですね。この舞台が未開の地なので、皆で試しながら進んでいるのですが、試合数が多いのが幸いして、試合の見直しにかける時間が増えて、そのおかげもあって上手く修正できているのかなと思います。

──XQQコーチは本戦から選手たちのプレイを近くで観ることができたと思いますが、いかがでしたか?

XQQコーチ:選手たちのプレイを近くで観られるのは、勝った喜びだったり負けている悔しさを共感できるので、よかったです。

──Laz選手が「Meet Zeta Division | 2022 VALORANT Masters Reykjavik」の中で、競技における一番の恐怖が自分の年齢を鑑みて、残りのプレイできる年数が少なくなっていることとおっしゃっていましたが、世界トップ3の立場まで来てどのように感じられていますか?

Laz選手:自分自身行けるところまで行きたいし、まだまだ通用すると思っていますけど、自分が尊敬していたり目指してきたプレイヤーが、年齢とともに競技シーンでの活躍が難しくなってきているのをみて、自分だけが逃れられるとは思っていないのですが、今回ここまで来て、昔に忘れ去っていたような子供心や闘争心が出てきた感じがします。ここまで来れてうれしいです。

──日本ではパブリックビューイングが実施されていて、ファンがラウンドを取得するたびにすごく熱狂していました。そういったファンの方にコメントをお願いします。

Dep選手:パブリックビューイングで観戦してくれている方も、自宅で観戦してくれている方も、本当に応援ありがとうございます。力になっています。熱狂的な応援をしてくれるとがんばらないとなという気持ちになるので、ありがたいですね。

快進撃が止まらないZETA DIVISION。このまま世界一になってほしい!

 以上がメディアカンファレンスでのインタビューとなる。これまで、DRX戦に敗れてしまったところから、FnaticとNinjas in Pyjamasに勝利しプレイオフに進出。プレイオフで今度はG2に敗れたものの、そこからTeam Liquidに勝ったうえでDRXにリベンジを果たした。

 そして今回、Paper Rexにも勝利し、世界3位という偉業を成し遂げたZETA DIVISION。しかし、ここまできた彼らが目指すのはもちろん世界1位の座。ここからの激闘も、間違いなく日本のeスポーツシーンの歴史に残る戦いになるだろう。これまで応援してきた人はもちろん、まだ本大会を観戦したことがないという人も、アイスランドという遠い場所で、日本代表が世界を相手に堂々とした戦いを魅せてくれるので、ぜひ観戦してほしい。次のOpTic Gaming戦は、4月24日2時からだ。頼む、勝ってくれ!

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