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過去の名車から最新マシンが見られて買える「オートモービルカウンシル 2022」レポ

2022年04月23日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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新車だけじゃなく
過去のクルマも展示する自動車メーカーブース

 一般的に展示会においては新型車を置くことが多い、自動車メーカー/インポーターの出展エリア。ですがオートモビルカウンシルでは、歴史のあるクルマを展示する会社もあります。それがまた新車以上に興味深かったりするので、見ていて飽きません。では各社の展示ブースをご紹介しましょう。

CIVICも誕生50周年!
Honda

 まずはHondaブース。同ブースでは、今年シリーズ誕生50周年を迎えるCIVICの初代が展示されていました。CIVICの誕生は1972年のこと。世界市民のベーシックカーというコンセプトで開発されました。エンジンは水冷1169㏄の直列4気筒OHCで、最高出力は60馬力。1973年にマスキー法などの厳しい排ガス規制をクリアしたCVCCエンジンを搭載したモデルが登場し、世界的にヒット。発売5年で生産累計100万台を達成しました。

 そしてHondaといえばモータースポーツ。CIVICもまた、モータースポーツには切ってもきれないクルマです。会場には1978~1984年まで活躍した富士GCマイナーツーリング仕様車両が展示されていました。ちなみにエンジンは1298㏄直4OHCで、最高出力は150馬力とのこと。

 そして、なんとブースの外にはF1マシン・RB16Bが鎮座。しかも「ありがとう号」として親しまれている昨年の第16戦トルコGP仕様ではないですか! 見ているこちらがありがとうという感謝の気持ちでいっぱいになりました。

フェアレディZ歴代モデルがずらり
日産

 特別展示として、日本のスポーツカーの代表選手であるフェアレディZの歴代モデルが勢ぞろいしました!

 まずは初代のS30型Z-L。1970年nに登場した伝説の始まりとなる1台です。

 次に2代目のHS130型280Z。こちらはTバールーフと呼ばれる、天井の屋根が取り外せるタイプのモデルです。

 こちらは4代目GCZ32型300ZX。展示車は2by2ツインターボと呼ばれるモデルで、エンジンは当時としては規制値いっぱいの280馬力を発生していました。

 そしてマフラーやホイール、フロントバンパーや色まで初代Z432をオマージュしたRZ34型カスタマイズプロト。こうして並べてみると、ロングノーズ・ショートデッキのスタイルは不変であり、あらためてZの魅力を感じずにはいられません。

レースカーから電気自動車まで
ポルシェ・ジャパン

 ヒストリックカーの歴史、そしてモータースポーツ史の中で、ポルシェの名は外すことはできません。ブースにはビンテージから最新のBEVまで幅広く展示されていました。

 タイカン ターボSはタイカンシリーズで俊足の1台。その速さは0-100km/h加速がわずか2.8秒というから驚きです。ちなみにお値段は2454万1000円(税込)。

 ポルシェのすごいところは、昔の車種のパーツを今でも作っていたり、保管していたりしているところ。いい物を長く使うという文化が根付いているのですね。

 写真のモデルは911 SC(Super Carrera)。1980年のモデルです。ポルシェ・ジャパンの所有車両で、オリジナルの状態に戻すプロジェクトを遂行中とのこと。またメカニック育成トレーニングとして使われているそうです。

 1973年に誕生した911 Carrera RS 2.7。とても綺麗な車両なのですが、これからレストアするとのことでした。

ルマンの奇蹟をもう一度!
マツダ

 オートモビルカウンシルで驚き発表をしたのがマツダ。なんとモータースポーツに力を入れるというではありませんか! トークショーでは2021年11月にMAZDA SPIRIT RACINGを立ち上げたこととともに、「倶楽部MAZDA SPIRIT RACING」という活動を実施することを発表しました。これは夏以降にオンラインコミュニティー機能を有したアプリを配信して、オリジナルグッズやカスタマイズカーのアイデアを募集するようです。

 さっそくグッズがつくられていました。以前取材したMIZUNOと共同開発し、即完売したドライビングシューズの色違いも検討しているようです! そしてなんとコンセプトモデルとして自転車まで作っているからスゴイ! ひょっとしたらグッズ展開しちゃうのかも?

 クルマももちろん展示。まずは1968年のマラソン・デ・ラ・ルートというニュルブルクリンク北コース84時間耐久レースで4位になったマシンの仕様をレプリカ再現したコスモスポーツ。

 次に1969年の全日本鈴鹿自動車レース大会シリーズⅡグランドカップ仕様のファミリア・ロータリークーペ(レストアモデル)。片山義美さんがドライブして、国内レース初参戦初優勝をはたした名車です。

 そして注目が、マツダがサポートする参加型モータースポーツを楽しむドライバーのステップアップ用として、スーパー耐久ST-5クラス参戦用ロードスターを準備しているというではありませんか! このマシンは7月のスーパー耐久第3戦(スポーツランドSUGO)から参戦する予定とのことで、ステップアップのシステムは2023年から実施する計画とのことです!

フランスの国民車といえば
プジョー

 数多くのコンパクトハッチを輩出しているプジョーも出展していました。プジョーのコンパクトカーは「猫足」と呼ばれる乗り心地の良さと、刺激的な走りが楽しめることもあって、我が国でも人気ですよね。ブースでは新旧モデルを並べて展示されていました。

 まずは1993年に誕生した306シリーズからホットモデルのS16。3ドアのホットハッチで、エンジンは163馬力を発生する2リットル直4。これを6速MTで走らせるのですから、楽しくないわけがないですよね!

 そんな306シリーズの最新モデルが308。写真のモデルはGT HYBRIDになります。エンジンは1.6リットルのガソリンターボで180馬力を発生。これにモーター110馬力が載りますから期待できそうです!

 Cセグメントはちょっと大きいんだよな、という方にはBセグメントの208はいかがでしょう? 208 GTは5ドアのコンパクトホットハッチです。こちらはエンジン車で1.2リットルターボエンジンから100馬力を発生。1170㎏という軽量ボディーによって闊達な走りが期待できそうです。

 そのご先祖様が205 GTI。我が国でプジョーブランドを一気に押し上げた1台です。というのも、120馬力に940㎏の軽量ボディーからなる走りは過激そのもの! ボディーサイズも一回り小さくなりまして、全長は3.7m、全幅も1.59mということで、ハンドリングも良好。今でも高い人気を誇っています。

今年ホテルなどがオープン予定
富士スピードウェイ

 今年秋にサーキット周辺にホテルとミュージアムがオープンする予定の富士スピードウェイ。ブースにはミュージアムに展示する予定の2台が置かれていました。

 アルファ・ロメオ 6C 1750グランスポルトは、1930年の作品。おそらく展示されていたクルマの中で、もっとも古いモデルでしょう。最高出力82馬力を発する1752cc直列6気筒エンジンをフロントに縦置きし、その優れた性能と、高い信頼性、ならびにメンテナンスのしやすさから人気を博したそうです。ちなみに生産台数は60台。

 トヨタ7ターボは、1970年に誕生したレース専用車両。国産初のターボチャージドエンジンを搭載したレーシングカーです。5リットルV型8気筒のツインターボエンジンは800馬力/74mkg・mを発生! しかも800馬力は嘘八百ということわざになぞらえて控えめに発表した数値で、実際は850馬力以上を出していたのだとか。600㎏台という軽量ボディーと相まって、最高速度は363km/hを記録。しかし燃費が800m/リットルしかなく250リットルの燃料タンクを搭載していたそうです。そんな国産モンスターマシンですが、不幸が続いてレース参戦は叶いませんでした。

伝統のトライデントが光る
マセラティ

 イタリアの名門、マセラティも出展していました。まずは1971年に誕生したBora 4.9。このマシンは同ブランド初のミッドシップエンジン搭載車で、1978年までの間に564台が生産されました。エンジンは当初4700㏄V8でしたが、2年後に4900㏄仕様が追加。写真はその4900㏄仕様で、最高出量は330馬力を誇ります。またボーラは同社初の4輪独立懸架サスペンションを採用したクルマでもあり、パワフルなエンジンと相まってドライビングの楽しさを存分に味わうことができたそうです。

 そんなボーラの現代版がともいえるのが、スーパースポーツのMC20です。MCとはマセラティ・コルセ、20はマセラティが新時代の幕開けと位置づけた2020年を意味しているとのこと。マセラティとしては22年ぶりとなる自社製3リットルV6ターボでエンジンは630馬力の高出力を発生。もちろんミッドシップマウントされています。ちなみに「100% メイド・イン・モデナ」「100%メイド・イン・イタリー」なのだそうです。

F1でもおなじみ
マクラーレン

 英国マクラーレンは2台のスポーツカーを展示していました。720S SPIDERは720PSの大パワーとオープンエアドライブが同時に楽しめる贅沢な1台。ちなみにお値段は3930万円だとか!

 そしてARTURAは、新世代ハイブリッドスーパーカーとして昨年2月に発表された同社の最新車種。マクラーレンは過去P1、スピードテールという2台のハイブリッドカーを輩出してますが、本気は初のシリーズ生産ハイパフォーマンス・ハイブリッドスーパーカーなのだとか。パワーユニットは3リットルV6 ツインターボエンジンとアクシャルフラックス・モーターの組み合わせで、最高出力は680馬力を実現したとのこと。

久々に日本にカムバック!
ヒョンデ

 12年ぶりに日本市場に戻ってきた韓国ブランドのヒョンデ。その第1弾はSUVでBEVのアイオニック5です。かなり未来的なデザインのアイオニック5は、72.6kWhという大容量バッテリーによりWLTCモードで618kmという航続距離を実現した1台です。気になるモーター出力は217馬力で、後輪駆動とのこと。

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