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映画で使われたのと同じカトラリーを購入
ちょっと前に、GEORG JENSEN(ジョージ・ジェンセン)というメーカーのカトラリーを購入しました。フォークとスプーン2種類、ナイフの4種が入った「ARNE JACOBSEN 4ピースセット」という製品です。
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映画「2001年宇宙の旅」で使われたのと同じらしいカトラリーを買いました
1968年公開の映画「2001年宇宙の旅」の劇中で使われたのがこれと同じ物と知り、そりゃタマらんとばかりにポチりと。そう、なんといまだに作り続けられていて、新品が購入可能なのです。
いかにもな近未来感が最大の魅力
大好きな映画のひとつ、「2001年宇宙の旅」との出会いは中学生の時でした。
記憶が定かではないんですけど、授業の一環で映画観賞会みたいなのがあったんですよね。他校の生徒もみんな一緒に市民ホールに集められて。
そこで上映された映画が「2001年宇宙の旅」だったんです。どこかでオススメと書かれていたのを見たのか、決定した人の趣味だったのか知らないですけど、そういう時って文部科学省(当時は文部省)推薦映画を選びそうなもなのに、なぜか「2001年」。1980年頃の話なので、公開から12年ほどしか経っていないんですが、中学生の自分の中では大昔の映画という感覚でした。
タイトルだけは聞いたことがあったものの、なんせまだビデオデッキも普及していないころです。当然観たことなんてないし、どんな映画なのかという情報さえありません。当時の自分にはストーリーがサッパリわからず、特にラストは何が何やら理解できずじまいでした。
ただ、子どもの頃から科学やSF、メカが好きだったこともあって、映像にはかなり魅力を感じた覚えがあります。宇宙船やポッド、宇宙ステーション、コンピュータ端末などにいちいち「おっ!」となったりして。
でも一番はそこではありませんでした。自分でも意外なことに、メカよりも“未来はこうなっていそう感”に強く惹かれたんです。
遥か未来だった21世紀
当時の自分にとっては21世紀なんて遥か未来のことで、物語のように現実味がありませんでした。よく考えたらたった20年しかないんですけど、中学生にとっては長い時間ですからね。漠然と、こんな風になるのかなー、なったらいいなーと妄想していました。
実際は21世紀になるのは思ったより早かったし、そこからの20年はさらに早くて本当にあっという間でしたけれども。今になっても映画のような世界は実現していません。
それでもスペースシャトルが1981年に初飛行し、1998年から組み立てが始まったISSは2011年に完成しました。さらに2002年にはスペースXが創業し、民間有人宇宙船「クルー・ドラゴン」計画がスタート。まもなく最終機となる4番機「フリーダム」の運用が始まろうとしています。木星とまではいかないものの火星への惑星間飛行を目指して、STARSHIP SN15のフライトテストも実施中です。
2001年よりは少し遅れたものの、もしかしたら案外近くまで来ているのかもと思ったりしています。
リアル企業の名前がたくさん出てきます
映画を観て「未来はこうなってるのかも」と思ったのは、劇中に見知った会社名がたくさん出てきていたせいかもしれません。
ご存知の方も多いと思いますが、「2001年宇宙の旅」ではあちこちに当時実在した会社名が多数登場するんですよね。たとえば地球と宇宙ステーションの間を往復している宇宙船「Orion III(オリオン3)」が、当時アメリカを代表する会社だったパンナム(パンアメリカン航空)の機体だったり、無重力になった機内でフワフワ浮いている「アトミックペン」がパーカー製だったり。
宇宙ステーション「Space Station V(宇宙ステーション5)」の宿泊施設はヒルトンホテルだし、撮影当時全米最大のレストランチェーンだったハワードジョンソンが「EARTHLIGHT ROOM(地球光ルーム)」というブースを構えていたり、公衆テレビ電話の「PICTUREPHONE」のサービスをAT&Tの子会社だったベルシステムが行なったりしています。
また、月着陸船「Aries 1B(アリエス1B)」や木星に向かう宇宙船「Discovery(ディスカバリー)」の船内に備え付けられている自動クッキングマシンはワールプール製で、食事をしながら見ているタブレットに映し出されているのはBBCニュースです。
宇宙食用カトラリーとして登場
アリエス1Bのクッキングマシンが作る機内食は紙パックのような容器に入れられていて、ストローでチューチュー吸うようになっています。パックに描かれたイラストからするとメニューは魚、コーン、ニンジン、チーズ、フルーツなど。魚を吸うのはちょっと勇気がいりそうですね。
これらのデザインは映画オリジナルで、元になったトレーやパックは無いみたいです。
ディスカバリー号で出てくる食べ物はペースト状。トレーにむき出しで入れられていて何も書かれていないためメニューはわかりませんが、茶色、オレンジ、緑、黄色などカラフルなペーストが何種類かあり、食べるときはフォークを使います。
こちらのトレーも映画用にデザインされた物らしいですが、カトラリーの方は市販品で、それがこのジョージ・ジェンセンの製品です。
デンマークのメーカーです
ジョージ・ジェンセンは1904年にデンマークのコペンハーゲンで創業された会社で、ジュエリーや腕時計、花瓶などのホーム製品、カトラリーやピッチャーなどのダイニング用品を手掛けています。
メーカーのサイトを見ると、映画のカトラリーと同じデザインのフォーク&スプーンはサイズがいくつかありました。
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フォークとスプーン2種類、ナイフのセット。映画で使われたのもこのサイズなんじゃないかと思います
購入した「ARNE JACOBSEN 4ピースセット」はダイニングフォークとダイニングスプーン、ロングディナーナイフ、ティースプーンがセットになったもの。このダイニングフォーク&スプーンが真ん中のサイズで、もっと大きいものも、もっと小さいものもあるようです。
映画で使われたフォーク&スプーンがどのモデルかはわからず、正確なサイズもわからないそうですが、手の大きさや使い道を考えるとこの4ピースセットの物が一番近いんじゃないかと思います。
もっとも、自分が探した時はこれしか売ってなかったので選びようもなかったんですけども。
もともとはホテルの備品です
このカトラリーが発売になったのは1957年。製品名のARNE JACOBSEN(アルネ・ヤコブセン)はデザイナーの名前で、1960年に完成したデンマークのSASロイヤルホテルのためにデザインした製品だそうです。
建築家でもあったヤコブセンは、SASロイヤルホテルの建物設計を担当したほか、家具や照明、ドアノブ、テーブルウェアなどあらゆる物のデザインをも担当したとのこと。ものすごいトータルコーディネートっぷりです。
普段使いもできるステンレススチール製
銀製だったらお値段的に買えないところでしたが、お財布にやさしいステンレススチール製です。つや消しのマット仕上げで素材や仕上げは今も昔も変わらないようですが、食洗機対応と書かれているあたりは今っぽくアップデートされています。
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メインのダイニングフォークは長さ199mm
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裏側にはGEORG JENSEN DENMARKの文字とヤコブセンのロゴが刻印されています
ペーストを食べるのに使っていたのはフォーク。日本人はスプーンでいろいろなものを食べますけど、欧米人はスプーンはスープを飲む時ぐらいしか使わないと聞きました。ほんとかどうかは知りませんが、劇中ではフォークで食べています。
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ダイニングスプーンは長さ201mm。映画のスプーンよりちょっと長いかも
劇中ではフォークだけ使っていて、スプーンはトレーに置いたままになっていたと思います。そのためサイズがはっきりとわからず、フォークより少し短いようにも見えるんですが、このダイニングスプーンはフォークよりほんの少し長め。これじゃないのかもしれません。
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ティースプーンは134mm。これじゃさすがに短過ぎます
とはいえティースプーンはフォークの2/3ぐらいの長さしかなく、ちょっと短過ぎ。別の方向からの映像ではフォークと同じぐらいに見えたりするので、やっぱりダイニングスプーンなのかな。もしかしたら、別のセットにに入っている183mmのデザートスプーンがそれなのかもしれません。
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ロングディナーナイフは200mm。くびれている部分に指が引っかかって使いやすいです
自分が覚えているディスカバリー号の食事シーンでは、映っていたのはフォークとスプーンだけでナイフは無かったように思うんですけど、劇中で使用された実物を販売していたサイトの写真にはナイフもあるんですよね。クッキングマシンのところに置いてあったり、別のシーンで使ったりしてたのかなぁ。
ちなみにそのサイトでもスプーンがすこし短めに見えるので、やっぱりダイニングスプーンじゃないのかも……。いつか正解を知りたいところです。
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先端は波刃になっています。肉もバッチリ
ナイフは背のところがくびれていて人差し指が引っかかるため、すべらずにグッと押し込めます。刃の先端にはギザギザがあって肉などもしっかり切れるし、デザインだけじゃなく、実用性も高いのがすばらしいところです。
それにしても、カトラリーだけじゃやっぱり寂しいですよね。せっかくなのでトレーが欲しくなってしまいます。自作してみようかなあ。
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