ソフトバンクが3Gケータイユーザー向けに「スマホデビュー体験教室」を開くと聞き、取材に行きました。
通常のスマホ教室はソフトバンクショップで行なわれるそうですが、今回は60代以上でガラケー(フィーチャーフォン)を使っている人を対象に、東京・新宿の貸し会議室で開催されました。どのキャリアのケータイを使っている人でも参加でき、スマホに興味を持った人は、その場でソフトバンクショップでのスマホ教室を予約することもできる、という趣向でした。
体験教室は、途中の休憩を含めて約1時間半。講師のほかに、参加者のそばで操作をサポートするスタッフも複数いて、わからないことがあれば、すぐに聞ける態勢。
まずは、スマホがどんなものかという説明から始まり、ソフトバンクのシニア向けスマホ「シンプルスマホ」を用いて、スマホの基本操作がレクチャーされました。
基本操作を教えるために使われていたのは「マップ」アプリ。現在地を表示させて、スクロールや拡大・縮小などを体験させる趣向ですが、「スワイプ」や「ピンチ」といった耳慣れない言葉は使わず、「ゆっくりなぞる」「親指と人差し指をくっつけて画面に当てて開く」というように、わかりやすい表現が用いられていました。
検索にはキーボードではなく音声入力を利用。エッフェル塔を検索させて、ストリートビューの見方まで教えていました。初めてスマホに触れるにしてはレベルの高い内容のように思えたのですが、参加者のみなさんはスムーズに習得して、スマホの楽しさを実感している様子でした。
続いて、参加者のみなさんが見たい場所を自分で検索して、ストリートビューを起動して見る体験に進みました。旅行で実際に訪れた場所を検索する人が多く、笑顔で思い出を語られている方もいました。
続いて、3Gの停波についての説明が行なわれました。教室が開催されたのは3月29日。auの3Gサービスが終了する直前ということもあり、参加者の関心は高かったようです。自分のケータイが3Gなのか4Gなのかがわからず「確認してもらいたくて来た」という人もいました。
ソフトバンクには「スマホアドバイザー」という制度があり、スマホアドバイザーが在籍する店舗では、初心者向けのスマホ教室を受講されていたり、ケータイからの乗り換えや料金プランを相談したりできるといったメリットが紹介されました。
休憩を挟んで、次はカメラの使い方を体験。ケータイのカメラよりも簡単と感じたようで、みなさんスムーズに使いこなして、インカメラへの切り替えやビデオ撮影も習得。「こんなに小さいのに8ミリカメラまで入っているのね」と驚いている方もいました。インカメラに切り替えて自分を撮ることに抵抗していた女性が、講師から「手鏡としても役立つ」と聞き、自分から切り替えてみるという場面も見かけました。講師の方は、シニア世代が興味を持つポイントを心得ているようです。
最後にGoogleアシスタントの使い方を覚えて、体験教室は終了。参加されていた方に感想をうかがうと、スマホの操作に対する不安は薄れたようで、「いずれは使ってみたい」「料金は高くならないのであれば」と、乗り換えに前向きになった方が多いようでした。一方「私はスマホにしたいけど、主人は絶対に反対する」「妻がスマホに変えてから料金が高くなったので、自分までスマホにすると……」と、家庭の事情で即決できない人も少なくないようでした。
スマホは「LINE」や決済アプリなどを使えるなど、ケータイよりも便利なだけではなく、マイナンバーカードとの連携など、日常生活に欠かせない道具になりつつあります。国もスマホの普及を推進しており、ソフトバンクは総務省の「利用者向けデジタル活用支援推進事業」を受託し、行政サービス講座なども開催しているとのこと。
この記事を読まれている方で「まだスマホを使っていない」は少ないでしょうが、身近に3Gケータイを使っている人や、スマホへの乗り換えを躊躇している人がいれば、こうした教室に参加させてあげるのもいいでしょう。