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最新パーツ性能チェック 第366回

「Ryzen 7 5700X」〜「Ryzen 3 4100」まで、新たな廉価版Ryzenを現行/旧モデルと一斉比較

2022年04月04日 23時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトラハッチ

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PCI Expressの世代が異なる

 では今回入手したRyzenのスペックを確認しておこう。新Ryzenの型番から想像が付くように、Ryzen 7 5700X〜Ryzen 5 5500まではZen 3ベース、Ryzen 5 4500〜Ryzen 3 4100はZen 2ベースの製品となる。

 動作クロックは既存のモデルから大して変わっておらず、ベースクロックやブーストクロックで微妙に差が付けられている。ここまで近いと個体差の問題で性能がほぼ変わらないどころかわずかに逆転することも考えられる。

 また、CPUクーラーは今回発売される中では最上位のRyzen 7 5700Xのみが別売であり、他のモデルにはリテールクーラー(Wraith Stealth)が同梱される。内蔵GPUはどのモデルにも搭載されていないため、新Ryzenを使う際は必ずビデオカードが必要だ。

新Ryzenと、その近傍の製品とのスペック比較。価格は初出時と4月頭時点での実売価格を記載した。一部モデルは既に入手不可となっている

 今回の新Ryzenのうち、Ryzen 7 5700XとRyzen 5 5600は、既存のRyzen 5000シリーズの低クロック/低TDP版という位置付けになる。Ryzen 7 5700XはRyzen 7 5800X、Ryzen 5 5600はRyzen 5 5600Xの設計をそのまま継承している。

 一方Ryzen 5 5500〜Ryzen 3 4100については、L2/L3キャッシュの容量などからRyzen Gシリーズ(RenoirおよびCezanne)がベースとなる。クロックの設定からRyzen 5 5500は5600Gのやや下、Ryzen 5 4500はRyzen 5 PRO 4650Gの下、そしてRyzen 3 4100はRyzen 3 PRO 4350GのGPU無し版と考えることができる。GPUを無くしたことで数千円安く手に入る点は嬉しいが、結局ビデオカード分だけ予算は上がるので痛し痒しといったところだ。

 そしてAPUベースのモデルであるということは同時にCPUから出るPCI ExpressがGen3止まりとなる。M.2スロットに高速なM.2 SSDを接続して使いたいという人は自動的にRyzen 5 5600以上のモデルしか選択肢がなくなるし、Radeon RX 6500XTのようにPCI Express x4接続のGPUでは、ゲームの設定次第ではGen 3であることが足枷になる(参考記事:https://ascii.jp/elem/000/004/080/4080816/6/)。

Ryzen 5 5500環境でPCI Express Gen4接続のGPU(例えばRadeon RX 6800)を接続すると、CPUとGPUはPCI Express Gen3でリンクする。図はこの様子を「GPU-Z」で確認したもの

 今回の新Ryzenを使うにあたっては毎度の通りBIOS側で対応している必要がある。メーカーやモデルによって最新BIOSが必要なもの、最新の1つ前でも良い場合などが分かれているため、アップグレードする前は必ずBIOS更新、マザーボード(以下マザー)の新規購入なら店頭BIOSバージョンの確認をしておきたい。マザーによっては新CPU装着直後のPOSTに時間がかかることがあるので、焦らずじっくり進めると良いだろう。

「coreinfo」でRyzen 3 4100のトポロジーを調べてみると、全コアが単一のL3キャッシュにぶら下がっていた。Ryzen 3 3100は2コア+L3キャッシュのペアが2つで4C8Tを構成していたが、上図によればRyzen 3 4100のコアトポロジーは3300Xと同じであることが示されている

既存のRyzenと比較する

 冒頭で述べた通り、今回はテストできる時間が今までになく短かったため、Ryzen環境でのみ比較し、既存のRyzenとどの程度性能差があるかを見るにとどめる。Core i5-12400等の同価格帯の売れ筋CPUとの比較は別途実施したい。

 今回比較用に用意したCPUは全て内蔵GPUを持たないRyzenである。Ryzen 3 4100に対抗させるためのRyzenを3300Xにしたのは単純に手元になかったためである。GPUはどの環境もRX 6800で統一し、ゲーム検証においてGPUによるボトルネックを(あまり)出さないように配慮した。マザーのBIOSは4月頭時点で最新のF15aを利用し、Windows 11はセキュアブートやメモリー分離などの要素は全て利用している。

【検証環境】
CPU AMD「Ryzen 7 5800X」(8コア/16スレッド、最大4.7GHz)、
AMD「Ryzen 7 5700X」
(8コア/16スレッド、最大4.6GHz)、
AMD「Ryzen 5 5600X」
(6コア/12スレッド、最大4.6GHz)、
AMD「Ryzen 5 5600」
(6コア/12スレッド、最大4.4GHz)、
AMD「Ryzen 5 5500」
(6コア/12スレッド、最大4.2GHz)、
AMD「Ryzen 5 4500」
(6コア/12スレッド、最大4.1GHz)、
AMD「Ryzen 5 3600」
(6コア/12スレッド、最大4.2GHz)、
AMD「Ryzen 3 4100」
(4コア/8スレッド、最大4GHz)、
AMD「Ryzen 3 3300X」
(4コア/8スレッド、最大4.3GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN II 360」
(AIO水冷、360mmラジエーター)
マザーボード GIGABYTE「B550 Vision D」
(AMD B550、BIOS F15a)
メモリー G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」
(DDR4-3200、16GB×2)
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」(1TB NVMe M.2 SSD、システムドライブ)+
Silicon Power「SP002TBP34A80M28」(2TB NVMe M.2 SSD、データドライブ)
ビデオカード AMD「Radeon RX 6800リファレンスカード」
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(80PLUS Platinum、1000W)
OS Microsoft「Windows 11Pro」

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