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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第342回

山根博士のグロスマレビュー

ハイデザインのインド製5Gスマホ「Infinix Zero 5G」を使ってみた

2022年03月25日 12時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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オリジナルアプリは比較的使いやすい

 プリインストールアプリにはInfinix独自のものが多い。「X」や「Hi」で始まるアプリなどで、インドならではの便利なアプリが数多く入っている。なお、インストールアプリが増えた時は、ディスプレー右側のアルファベットをタップすることで対応する頭文字のアプリを表示して簡単に探すことができる。もちろんよく使うアプリはホーム画面にショートカットを置くほうがいいだろう。

プリインストールアプリはかなり多い

 プリインストールアプリで気になったものをいくつか紹介しよう。まずはエンタメ系。Breezはソフトウェア・リズムマシンで、Rap、Pop、Hip-Hopの3つのベースの音楽を選び、自在なドラミングを行い録音もできる。Magic LineはいわゆるARペイントカメラで、写真に3Dなアートを手書きで加えることができる。

Breez(左)とMagic Line(右)

 InSyncはスマートフォンの画面をTVなどにミラーリングできるアプリ。WeLifeはInfinixのスマートウォッチやスマートTVを接続、管理する。コネクテッド関連アプリもプリインストールされているのである。

InSync(左)とWeLif(右)

 ソーシャル関連のアプリとしては、自分の顔写真入りのデジタル名刺を作れるXCardと、Infinixが運営しているSNSのXClubがインストールされている。

Xcard(左)と、XClub(右)

 本体をざっくり操作してみたが、重い処理を行わない限り困ることはなさそうだ。ディスプレーも120Hzでスクロールも滑らかだ。ベンチマークはAnTuTuが473006、Geekbench 5のシングルコアが706、マルチコアが2148だった。

AnTuTu(左)。Geekbench 5(右)

カメラは3眼だが超広角がないのが不満

 さてカメラは若干割り切った設計となっている。まずカメラ部分を見るとOPPOの「Find X3 Pro」のように、台座部分と背面をなだらかな曲面で接合した美しいデザインに仕上げられている。カメラはメインが4800万画素の広角(26mm、F1.8)、1300万画素の2倍望遠(50mm、F2.5)、そして200万画素の深度測定という組み合わせだ。一般的なスマートフォンは広角+超広角を基本とするものが多いが、Zero 5Gは超広角を搭載していない。そのため集合写真を撮るときなどに、やや不便を感じるかもしれない。

特徴的なカメラ部分のデザイン。広角+望遠の組み合わせだ

 カメラのUIはシンプルで、モードは「Short Video」「Video」「AI CAM(写真)」「Beauty」「Portrait」「Super Night」の6つ。SNS時代らしくショートビデオのモードがあったり、セルフィー好きなインド人の好みを反映してポートレートとビューティーは別モードとなっている。プロモードなど他のモードは「AI CAM」の文字部分を上にスワイプして呼び出す。4800万画素の切替も設定画面を開く必要はなく、AI CAMモードからワンタッチでできる。なお、倍率切替は基本的が「1倍」「2倍」のみで、デジタルでは最大10倍に対応する。

一画面でほとんどの機能にアクセスできるカメラUI

 いくつかZero 5Gで撮影をしてみた。まずはインド製のスマートフォンということで、インド料理を撮影。標準では約1200万画素相当となる。マクロには対応していないため最短撮影距離は7cm程度。料理の撮影にはぎりぎりといったところだろうか。

広角撮影(3968×2976ドット)

 次に画角の差を見てみよう。等倍と2倍では光学望遠でしっかりと拡大撮影される。しかし超広角を搭載していないため、この作例のように引いた写真を撮りたいときは、被写体からちょっと離れる必要がある。

広角で撮影(3968×2976ドット)

2倍で撮影(4160×3120ドット)

デジタル10倍撮影(4160×3120ドット)

 4800万画素に切り替えると、拡大しても細いワイヤーや遠くの文字もしっかりと撮影してくれる。

広角で撮影(3968×2976ドット)

広角、4800万画素に切替えて撮影(8000×6000ドット)

 Portrait(ポートレート)モードでボケ撮影をしてみると、F16ではしっかりボケるがやや色味が変わってしまう。とはいえ絞りを自在に動かし映える写真も手軽に撮れる。

広角、F16で撮影(3968×2976ドット)

広角、F1.0で撮影(3968×2976ドット)

 Super Night(夜景)モードは2倍で撮影するとかなりの差が出た。2倍でも光がにじむことなく綺麗な撮影ができるため、夜間撮影はSuper Nightモードに切り替えたほうがいいだろう。

2倍でSuper Nightモード撮影(4160×3120ドット)

2倍でSuper Nightモード撮影(4160×3120ドット)

【まとめ】インド製の5Gスマホも悪くない

 Zero 5Gのインドでの価格は19999ルピー(約3万2000円)である。スペックを考えると中国メーカーのスマートフォンとしっかり対抗できる価格と言えるだろうか。本体の質感も悪くなく、XOSの使い勝手や独自アプリも楽しく使うことができる。唯一の不満は超広角カメラがないことだが、一方では2倍光学望遠の画質は悪くなく十分実用的と感じられた。

 インドでは2022年から本格的に5Gが始まる予定であり、今後インド製の5Gスマートフォンも増えるだろう。Zero 5Gの登場はインドで現在シェア1位のシャオミなどにとって、強力なライバルとなりそうだ。

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