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中古スマホ販売サービス「にこスマ」の検品の現場をじっくり見学

2022年03月21日 10時00分更新

文● 村元正剛(ゴーズ) 編集●ASCII

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 スマホの料金プランが端末価格から分離され、端末割引の上限が2万円になったこともあり、キャリアが販売するスマホの代金は数年前より割高になっています。最新のハイエンド機は10万円を超えることも珍しくなくなりました。そのため、お手頃な中古スマホを買う人が増えているようです。

 ですが、「中古スマホは使えない機能があるのでは?」「電池が持たなそう」と、不安を抱く人も少なくないでしょう。伊藤忠商事グループのBelongが運営する「にこスマ」は、そんな人に向けた中古スマホの販売サイト。独自に設定した品質基準を満たした“三つ星スマホ”だけを取り扱い、中古ながら1年間の無料保証を付けるなどのアフターサポートも行なっています。

 筆者は以前にも「にこスマ」を取材したことがあるですが、今回は、実際に中古スマホの検品を行なうオペレーションセンターを見学させていただく機会を得ました。

毎日数千台の中古スマホを点検

 Belongのオペレーションセンターは、神奈川県座間市の「GLP座間」の中にあります。GLP座間は多くの企業が入居している大規模な物流施設です。Belongのオペレーションセンターには全国各地、さらには海外からも中古のスマホやタブレットが届き、ここで検品・整備されています。その中から特に状態が良い端末が厳選されて“三つ星スマホ”として「にこスマ」で販売されるとのこと。

オペレーションセンターでは150~200人のスタッフが端末の点検・整備などの業務に当たっている

 Belongはオンラインで完結する「Belong買取」という中古スマホの買取サービスを行なっていますが、ほかにもさまざまなルートから中古スマホが入荷され、クライアントから検品だけを請け負うこともあるそうです。

 センターの入り口近くには、数多くの段ボール箱が並んでいました。入荷数は日によって差はあるものの、毎日数千台を検品しているそうです。

点検を行なうセンターの入り口。ほかに、法人向けレンタル端末のキッティング(設定)などをする部屋もあった

毎日数千台の端末がここに運ばれてくるそう

段ボールの中にはスマホがぎっしり

 検品作業は、まず製品を識別するための登録作業が行なわれ、続いて充電。その後、専用ソフトを用いた自動点検をして、ボタンの反応を確認。スピーカー、マイク、カメラなどは実際に1台ずつ音を鳴らしたり、撮影したりして確認していました。そのため、場内ではピーピーという音が鳴り続けていました。

点検する端末の登録後、1台ずつ充電されていた

スマホに点検用アプリを入れて、基本機能が正しく作動するかを自動で点検する

カメラやマイクの状態は実際に起動して確認する

 25項目以上の点検がされるそうですが、項目をクリアできなかった端末は再検査に回される仕組みです。筆者は、スマホメーカーの工場を見学したことが何度かあるのですが、工場のラインにおける最後の工程に近い印象を受けました。

 FeliCaを搭載する端末は、FeliCaに登録したデータを消去し、初期化する作業も行なわれていました。スマホ本体を初期化してもFeliCaは初期化されません。たとえば「メルカリ」で中古スマホを買った場合、出品者が初期化していないと、購入者がおサイフケータイを使えないというトラブルが発生することがありますが、にこスマではその心配はないようです。

スマホをこのトレイに載せて、FeliCaのデータを消去する。仕組みとしては、キャリアショップに設置されているものと同じ

 端末の内部の点検が終わったら、外観をチェックする工程に移ります。小さなキズや汚れを確認するために、まず本体をクリーニングします。その後、細部を目視で確認し、6段階のレベルに分けられるとのこと。ちなみに、この6段階はBelongの基準で、出荷先によっては評価基準が異なるようです。にこスマで販売されるのは、新品に近い状態やキズがさほど目立たないものだけで、それらをABCの3つのグレードに分けるのです。

キズや汚れは1台ずつクリーニングした後に目視で確認

外観のグレードの査定には細かい基準が設けられているが、判断が難しい状態ものあるので、トレーニングを積んだスタッフが担当しているそうだ

にこスマで販売される端末は
ここからダイレクト発送

 点検を終えた端末は最後にデータが削除され、ここから各地に出荷されます。にこスマで販売される端末については、サイトに掲載するため端末の撮影も行なわれます。ターンテーブルに載せて5方向から撮影し、最後にキズがわかりやすいように、あえてハイキーでも撮影していました。

にこスマで販売する端末は1台ずつ撮影される。購入者は細部まで確認してから注文できる

 オペレーションセンターの一角には、にこスマのブロックがあり、にこスマに掲載されているスマホが整理され、出荷を待っている状態でした。14時までに注文した場合、その日のうちに出荷されるので、最短で翌日に届くとのこと。専用のパッケージにしっかり固定して発送されるので、フリマサイトよりも安心できそうです。

にこスマの在庫があり、発送するスペース

にこスマのウェブサイトには常時3000~4000台が掲載されていて、それらがここに保管されている

注文された製品はここから出荷される

購入者向けのメッセージや案内が記されたカードが同梱される

1月にオープンした「にこスマSHOP」では実機を確認できる

 今年の1月14日に神奈川県川崎市の「マルイファミリー溝口」に、にこスマの初の常設店「にこスマSHOP」がオープンしました。座間のオペレーションセンターで点検・整備された中古スマホの一部はここに届き、実際に手に取って状態を確認してから購入できます。というわけで、オペレーションセンターの取材の後に、お店にも寄ってきました。

「にこスマSHOP」はマルイファミリー溝口の7Fにある

日本では発売されなかった初号機を含め、歴代のiPhoneが展示されている

 にこスマは、全端末がSIMフリー、またはSIMロック解除済みで、ネットワーク利用制限がある端末も取り扱っていません。iPhoneについては、電池残量(最大容量)が80%以上であることも条件にしています。端末の状態はABCの3つのグレードに分けられていますが、店頭に並ぶ端末を実際に確認したところ、Aはほぼ新品同等、Bはよく見ないとキズを発見できない、Cは細かいキズがあるといった感じ。キズと言っても、向きを変えて光を当てたりしないとわからなかったりするので、人によっては「新品同様」と評価したくなるかもしれません。「メルカリ」などのフリマサイトでは、その評価を出品者に依存することになりますが、厳密で細かい基準を設けていることがにこスマの利点と言えそうです。

オペレーションセンターで検査される25項目についての説明もあった

にこスマで取り扱うスマホはキズの状態などによって3ランクに分けられる

3つのグレードの製品を実際に手に取って比べられる

 お店にはiPhoneの他に、Xperiaもありましたが、Androidスマホの取り扱いも増えているようで、ウェブサイトではGalaxy、AQUOS、arrows、Pixelシリーズなどを買えることも確認できました。

Xperia XZ1も展示されていて、すぐに購入可能。今後、Androidのラインナップも拡張予定

購入した端末をすぐに持ち帰れるのが実店舗の利点。ここで“三つ星スマホ”の状態を確認して、ウェブで注文する人もいるようだ

 中古スマホは、あくまでも中古ですから、安いなりにキズがあったり、おかしなことがあったり……という認識だったのですが、にこスマでは思っていた以上に厳しい検査をしていて驚きました。お店にふらっと寄った人は、それらが中古スマホだとは気づかないかもしれません。安心して使える中古スマホを探している人にオススメします。

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