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165Hz対応WQHD液晶の15.6型モデルなのに厚さ20.6mm・重量約1.73kg!

GeForce RTX 3060&Ryzen 9のゲーミングノートPC「G-Tune E5-165-R9」はAAAタイトルでも快適?

文●勝田有一朗 編集●八尋/ASCII

提供: マウスコンピューター

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ハイエンド向けAPUの高いプロセッサー性能を実感。RTX GPUのグラフィックス性能にも注目

 では、いくつかの定番ベンチマークソフトを用いて、G-Tune E5-165-R9の基礎性能を検証していこう。

 まずはじめに、CPUのマルチスレッド性能とシングルスレッド性能を3DCGのレンダリング速度で測るベンチマーク「CINEBENCH R20」「CINEBENCH R23」による検証を行なった。今回の検証では、G-Tune E5-165-R9の3つの動作モードそれぞれでベンチマークを回し、動作モードがCPU性能に与える影響についても探ってみた。

CINEBENCHR 20のスコア

CINEBENCHR 23のスコア

 各動作モードのスコアを比較すると、まずシングルスレッド性能は動作モードに影響されないということがわかる。つまり静音モードでもシングルスレッドはフル性能が発揮されるということだ。普段使いにおけるレスポンスの快適さなどはシングルスレッド性能による部分も大きいので、静音モードでも快適な動作を期待できそうだ。

 続いてマルチスレッド性能に目を移すと、各動作モードでそれなりの差は出ているものの、パフォーマンスモードとバランスモードではそれほど大きな差になっていないと読み取れる。そして少し驚いたのが静音モードのスコアで、バランスモードと比較して約13%しか性能ダウンしていない。

 過去に同様の機能を持つインテルCoreプロセッサー搭載機で行なった検証では、静音モードのマルチスコアの落ち込みが50%以上に達していたので、それと比較するとだいぶ緩やかな性能ダウンに留まっていると感じられる。

 この程度の性能ダウンでファンノイズを大きく抑えられるのであれば、3DCGレンダリングや動画エンコードなどのCPUパワーを必要とする用途であっても、静音モードで静かに演算させるという選択肢がアリになるのではないだろうか。

 続いてPC全体の性能を測る「PCMark 10」(Ver.2.1.2532)の結果を見ていこう。総合スコアは6635で、その内訳は、アプリ起動速度、ビデオ会議、Webブラウジングの性能を測る「Essentials」が9667。表計算や文書作成のオフィスソフト性能を測る「Productivity」が9148。写真編集や動画編集などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が8965というスコアだった。

PCMark 10の実行結果

 PCMark 10では統合スコアよりもそれぞれの内訳スコアが重要になってくるが、各スコアともに9000前後というのは十分高いと思われる。ゲーミングパソコンは単純に高性能なパソコンでもあるので、在宅ワークなどに使用した場合でも十分快適に作業できるということが、スコアからも再確認できた。

 次に3Dグラフィックスの性能を測る定番ベンチマーク、「3DMark」(Ver.2.21.7324)でのパフォーマンス計測も行なった。

 DirectX 11のテスト「Fire Strike」では、フルHD解像度(1920×1080ドット)のFire Strikeが18630、4K解像度(3840×2160ドット)のFire Strike Ultraが5271というスコアに。

3DMarkのスコア

 DirectX 12のテストを行なう「Time Spy」では、WQHD解像度(2560×1440ドット)のTime Spyが8618、4K解像度のTime Spy Extremeが4157という結果になった。リアルタイムレイトレーシングのDirect X Raytracing(DXR)のテストとなる「Port Royal」のスコアは、5024だった。

 傾向としては、GeForce RTX 3060 Laptop GPUの性能を順当に引き出しているが、やはり4K解像度になると大きくスコアを落としており、RTX 3060 Laptop GPUの守備範囲外であることを確認できる。とはいえ、G-Tune E5-165-R9のディスプレーの解像度はWQHDなので、4Kでのゲームプレイについては、あまり考えなくていい。

 また、Port Royalのスコアも低めなので、レイトレーシングは設定を下げるか、60fps未満のフレームレートでも問題ないゲームにおいてのみ有効にできるといった感じになるだろう。

 Windows起動やゲームのローディングなどのレスポンスを司るストレージ性能は「CrysrtalDiskMark 8.0.4」を用いて計測した。G-Tune E5-165-R9は標準構成で容量512GBのM.2 NVMe SSDを搭載しており、「DiskInfo 8.12.7」で情報を確認したところ試用機にはMicronの「MTFDHBA512QFD」が搭載されていた。3D QLC NANDを使用しているSSDだ。

CrysrtalDiskMark 8.0.4の結果

 テスト結果はシーケンシャルリードが2239MB/s、シーケンシャルライトが1122MB/sで、ライト性能が若干低いものの、PCI Express Gen3接続のM.2 NVMe SSDとすればリード性能は標準的といえる。

 一方で512GBという容量は、ゲーム1本100GBになることも珍しくない昨今、ゲーミング用途では少々心もとないかもしれない。注文時のカスタマイズで大容量SSDへの乗せ換えも可能なので、予算に余裕があれば1TB以上への換装を検討したい。

人気FPSゲームを高解像度高フレームレートで楽しめる! 超重量級AAAタイトルも設定次第で高解像度プレイOK

 では、実際のゲームでG-Tune E5-165-R9はどれくらいのパフォーマンスを発揮するのか、実際のゲームやゲーム系ベンチマークを用いて検証を進めていこう。

 まずは定番のゲーム系ベンチマークの1つ「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」でパフォーマンス計測を行なった。画質設定はプリセットから「最高品質」を選択し、画面解像度は2560×1440ドット(WQHD)および1920×1080ドット(フルHD)の2パターン、そして今回はG-Tune E5-165-R9の動作モードをパフォーマンスモードと静音モードの2パターン、合わせて計4パターンの計測を行なった。

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークのスコア

ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク計測時のフレームレート

 パフォーマンスモードでのスコアは、WQHDで「とても快適」、フルHDで「非常に快適」の評価が得られた。フレームレートはフルHDで平均120fps近く出ており、WQHDでも平均90fpsに迫っているので、十分滑らかなゲームを楽しめるだろう。これだけ動くのであれば、ディスプレーのネイティブ解像度のWQHDで楽しむほうがよさそうだ。

 そして静音モードにも注目すると、WQHDでのスコアは「やや快適」の評価で、平均フレームレートも60fpsを大きく割り込んでしまっている。一方フルHDでは平均60fpsを超えて「快適」の評価が得られるスコアに達していた。これはファンノイズを抑えた静音モードでも快適に遊べることを示している。チャットのためだけに長時間ログインすることも珍しくないMMO RPGでは、静音モードでもしっかりとプレイできるのはうれしいポイントといえるだろう。

 次に、謎の生命体を相手に1~3人のプレイヤーが協力して挑む協力型タクティカルFPS「レインボーシックス エクストラクション」でのパフォーマンスを計測した。計測にはゲーム内のベンチマーク機能を使用している。なお、本ゲームはGPU動作モードをMS Hybridモードにしているとタイトル画面などで画像が乱れる不具合が発生した。

レインボーシックス エクストラクションのゲーム内ベンチマークの結果

 ゲームを開始すると問題は起きないので、おそらく低負荷シーンで内蔵GPUと外部GPUの切り替えが上手くいっていないようである。念のためDiscreteモードでも計測を行ない、せっかくなのでMS HybridモードとDiscreteモードでのパフォーマンス差も確認することとした。

 ゲーム内のグラフィックス設定は、解像度を2560×1440ドット、総合品質の「最高」をベースに、解像度品質を「固定100%」、DLSSを「オート」にて適用している。

 Discreteモードでは、平均フレームレートが150fpsに達し、リフレッシュレート165Hzのディスプレーを存分に活かしたゲームプレイが可能だ。またMS Hybridモードとのパフォーマンス差が約6%ということも確認できた。誤差の範囲は超えていると考えられるので、常に電源に接続して使用する場合はDiscreteモードでの運用を考えてもいいかもしれない。

 続いて、大人気のバトルロワイヤル型FPSゲーム「Apex Legends」でのフレームレート計測を行なった。ゲーム側の設定は、画面解像度を2560×1440ドットに固定。画質設定は全てのオプションを最高に設定した「最高画質」と、「モデルディテール」のみを最高にし、その他の設定は概ね最低にした「フレームレート優先」の2パターンを用意した。

Apex Legendsのフレームレート計測結果

 計測方法は、射撃訓練場で特定のルートを移動したのちに「バンガロール」の「スモークランチャー」を射出するという一連の動きを、「CapFrameX」で計測している。なお、CapFrameXによるフレームレート計測では、データ全体を100分割して最小値から1%の数値を「min(1%)」としたものを、最小フレームレートの代わりに記載している。

 結果は、最高画質設定でも平均フレームレートは100fpsを大きく超え、フレームレート優先の設定ではリフレッシュレート165Hzに迫る平均156fpsを記録できた。G-Tune E5-165-R9は高解像度高フレームレートでApex Legendsを楽しめるゲーミングノートパソコンといっていいだろう。

 最後に、2022年2月に大型アップデートが配信されたばかりのAAAタイトル「サイバーパンク2077」でのパフォーマンス計測を行なった。販売開始から1年以上経った現在でも、もっとも豪華なグラフィックスで重いゲームの1つに数えられている本作は、ゲーミングパソコンの性能を測る大きな指標にもなっている。今回は、大型アップデートで追加されたベンチマーク機能を用いてパフォーマンスを計測した。

サイバーパンク2077のゲーム内ベンチマーク計測結果

 ゲーム内のグラフィックス設定は、画面解像度を2560×1440ドットとし、クイックプリセットから「レイトレーシング:ウルトラ」「ウルトラ」「高」の3パターンを設定、それぞれにDLSS「自動」を適用したものをベンチマークにかけている。

 レイトレーシングを有効にすると、さすがに負荷が高すぎるようで、平均フレームレートは30fpsちょっとという結果に。プレイできなくもないが、基本的にレイトレーシングの効果をちょっと確かめる程度の用途に留まるだろう。

 レイトレーシングをオフにするとフレームレートは一気に向上し、ウルトラ設定で平均60fpsに到達する。高設定にまで画質を落とすと平均フレームレートは80fpsを超え、ベンチマーク中のフレームレート表示も60fpsを下回ることがほとんどなくなった。高設定でも十分美しい映像なので、G-Tune E5-165-R9でのサイバーパンク2077のプレイは、高設定+DLSSがオススメだ。

スリムなゲーミングノートパソコンを探している人にオススメ

 以上の検証結果からG-Tune E5-165-R9は、人気FPSゲームなどを解像度2560×1440ドット、リフレッシュレート165Hzのディスプレーを活かした高解像度高フレームレートでプレイ可能なことが確認できた。また超重量級AAAタイトルも、ある程度の高画質設定を保ったまま、解像度を下げずに平均60fps以上でプレイできることを確認できた。ゲーミングパソコンとして、十分に及第点以上の働きといえるだろう。

 また、G-Tune E5-165-R9の最大の利点はスリムで軽量な筐体にあると考える。重量約1.73kgで厚み20.6mmというサイズは、15.6型のRTX GPU搭載ノートパソコンとしてはトップクラスのスリムさになる。家の中でも頻繁に持ち運んだり、外出先でもゲームを楽しんだり、可搬性の高いスリムなゲーミングノートパソコンを探している人にピッタリな1台だ。

 使用する前は、ハイエンド向けAPUのRyzen 9 5900HXとミドルクラスGPUのRTX 3060 Laptop GPUの組み合わせが少しアンバランスに感じたが、この組み合わせだからこのサイズに収められた絶妙なラインといえるのかもしれない。

 そしてRyzen 9 5900HXについても、ハイエンド向けAPUが持つ余裕の処理能力に加えて、静音モードでも十分な性能を発揮する点に驚かされた。動画エンコードなどCPUにヘビーな処理をさせつつ、ファンノイズを抑えて静かな運用もできるノートパソコンという需要も、あるのではないだろうか。

(提供:マウスコンピューター)

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