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モーダル小嶋のTOKYO男子めし 第63回

カレーとしての完成度は高い:

松屋「ラタトゥイユカレー」惜しい、鶏肉入ってたら天下取ってたかも

2022年03月03日 11時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

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「ラタトゥイユカレー」
松屋
580円
3月1日発売
https://www.matsuyafoods.co.jp/matsuya/news_lp/220301.html

名作「トマトカレー」の後継となるか

 アスキーグルメの担当である筆者。最近でも、感染症対策をしっかりしつつ、業務や用事で出かけた際に外食することもあります。もちろん、誰かと会食するなどということはなく、一人で店内に入り、文字通り黙々と食べて、長居はせずにサッと去るのですが。

 そうなってくると、料理がすぐ出てきて、サクッと食べられるお店に行こうか……となりがちです。そこでラタトゥイユです。ラタトゥイユ(ratatouille)の語源は「rata」(ごった煮、軍隊で使われていた用語)+「touiller」(かき混ぜる)なのだそうな。かつては(といっても、相当に昔でしょうが)軍隊や刑務所で出されていた料理……というイメージもあったそうです。

 松屋は「ラタトゥイユカレー」(580円)を3月1日から販売しています。その名の通り、フランス料理のラタトゥイユをイメージしたカレー。

 松屋でトマトを使用したカレーというと「ごろごろチキンのトマトカレー」などの印象が強い人も多いもしれませんが、今回はごろごろチキンシリーズのように別添えではなくワンプレート。

 赤・黄色のパプリカ、ズッキーニなど、色とりどりの野菜を使用し、1日の摂取必要量の1/2の野菜が摂れるとうたう(※厚生労働省が推奨している一日の摂取量350gを基準)、ヘルシーな“トマト煮込みカレー”だそう。

 ニンニクとオリーブオイルで炒め、トマトで煮込んだ自然な味わいが特徴的だとか。旨味を詰め込んだトマト煮込みに、カレースパイスが加わった新感覚カレーとのこと。

「ラタトゥイユカレー(みそ汁付)」580円

 なお、発売2週目の3月8日からは、半熟玉子とチーズをトッピングした「半熟玉子とチーズのラタトゥイユカレー」(650円)が登場。まろやかな玉子と、ほどよいコクと塩味が絶妙なグラナパウダーで、ラタトゥイユカレーがさらに風味豊かに楽しめるそうです。

「半熟玉子とチーズのラタトゥイユカレー(みそ汁付)」650円

 発売を記念して、ラタトゥイユカレー、半熟玉子とチーズのラタトゥイユカレーは3月22日までライス大盛無料サービスの対象です。ちなみにライスとみそ汁がつかない「単品」もあります(ラタトゥイユカレー単品は460円、半熟玉子とチーズのラタトゥイユカレー単品は530円)。

 いずれも持ち帰り可能。ただし、持ち帰りにはみそ汁がつきません(別売60円)。

「カレー」としての完成度が高い

ラタトゥイユカレー。思ったより赤くない気がする

もちろん、みそ汁もついてまいります

 というわけで、ラタトゥイユカレーを注文しました。色合いも、香りも、ラタトゥイユとカレーの中間というような感じです。名前からしてその通りですし。むしろ、「思ったより赤くないなあ」と感じたほど。なんだか間抜けな感想ですが、広報画像だともっと赤かったから……。

トマトカレーです、と言われればそう見えてきますね

 ポイントは「カレーであること」だと思います。「何を当たり前のことを……」と言われそうですが、単純にごはんにラタトゥイユをかけました、というわけではなくて、カレースパイスをうまく活かし、トマトカレーとしての味がしっかりしているのですよね。塩味が強すぎず、野菜の甘味を活かしているというか。「カレーとしておいしい」というのがなによりの長所。

ラタトゥイユではなくて、ちゃんとカレー

 ちゃんとごはんに合うというだけではなくて、塩辛すぎない、というのがいいと思います。お酒のあてにつまむラタトゥイユって、やっぱり味が濃いじゃないですか。このカレーはそうではない。ガツンと濃いのではなく、味わいに丸みがある、野菜を活かした「カレー」になっている。

 松屋のトマトカレーというと、ちょっと味に角があるというか、それはそれでワイルドでよかったものの、すこし強めの味付けだった……という印象がありました。しかし、このラタトゥイユカレーは、トマトが主役、野菜の甘さが出ていることもあり、白米との相性がよいうえにトゲトゲしない、よい塩梅となっています。

 また、それほど辛口ではないので、辛いものはどうも……という人でもいけるのではないでしょうか。ただ、松屋のメニューらしく、ニンニクは強めなので、苦手な人は考慮したほうがよいと思いました。

具材が大きめなのがラタトゥイユっぽい

パプリカもこのサイズ

 惜しむらくは、ここに肉が入っていれば……と思ってしまうことです。「ラタトゥイユをカレーにしたのだから、肉がないのはしょうがあるまい」と言われればそれまでとはいえ、ここに、たとえばトマトと相性がよいチキンが入ったら、もっとよかったのに……と感じてしまいました。

漬物も合うといえば合う

 まあ、普通に考えれば、「野菜が多めのトマトカレー」とみなすべきでしょうし、そうとらえたときの完成度は高いはずです。ちなみに、松屋で毎回感じていることですが、みそ汁との相性はとくに考えないほうがよいです。「実存は本質に先立つ」という言葉は、松屋のみそ汁を指していたのかもしれません。

みそ汁

 もう一つ何かがあれば天下を取れるのではないかと思うぐらい、まとまった仕上がりになっています。天下ってなんだよ……と言われると困りますが、それほど、高いポテンシャルを感じました。3月8日に登場する「半熟玉子とチーズのラタトゥイユカレー」は、もしかするとそれに近いものになっているかもしれません。

 筆者としては鶏肉あたりが入れば“完成”したのにな、ただそれだとそもそもラタトゥイユじゃないしな、580円という価格も考えればぜいたく言ってもな……と、それ以上の進化を考えたくなるカレーでした。それも、完成度の高さがあってこそ。気になるようなら迷わず試してほしい一品です。


モーダル小嶋

 

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。

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