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Windows Info 第315回

Windows 11でもアップデートの方法は改良が進み、最終的には短い中断で済むようになる?

2022年02月20日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII

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Windows 11ではさまざまなタイミングで新機能が追加される

 Windows 11のアップデートに関しては、複数のタイミング、配信手段が使われる。このため、今秋のメジャーアップデート(バージョンアップ)の前でも新機能が入ると考えていいだろう。

 まず、以下の表にもあるパッケージによる機能改良がありえる。Windows 11で新規に登場したのが、「Windows Web Experience Pack」(以下、WXP)と「Online Service Experience Pack」(以下、OXP)だ。WXPは、すでに1回配信されたが、中身は「ウィジェット」だった。今後ほかのものがWXPとして配信される可能性はあるが、名称どおりにウェブと関係のあるものと考えられる。

 これに対してOXPは、現在Dev Channelで「設定」「アカウント」「Microsoftアカウント」に組み込まれる「サブスクリプション」設定を組み込むために配信されているようだ。具体的にはWindows Updateでは「Online Service Experience Pack – Windows.Settings.Account」という名称になっているらしい。

 “らしい”というのは、この機能は、限定されたWindows Insider Program参加者のみに配信されているらしく、筆者は見ることができず、Microsoftのドキュメントでその存在を知ったからだ。一応、こうした名称をつけていることから、オンラインサービス関連の機能を追加することになるのだと思われる。

 Windows 10でも、Cortanaや検索機能はMicrosoft側のサービスと連動していたため、機能アップデートとは無関係に更新されていた。その延長で、Microsoft側のオンラインサービスに関連する機能は、OXPという形式でアップデートされると考えられる。

 Windows 10から、これまで「Windows」として一体で配信されてきたアップデートがさまざまなものに分割され、Windows UpdateとMicrosoftストアで配信されるようになった。Windows 11でも、これがさらに進み複数の「Experience Pack」による更新がそれぞれのタイミングで実施される形に変わってきた。おそらく、今秋のアップデートでは、カーネルと周辺ソフトウェアモジュールの更新が中心となり、これらがアップデートされたあと、新機能が有効化していくことになると思われる。

 また、現在のWindows 11のアップデートで新機能が導入されるように、互換性に影響しないような小規模な改良は、随時なされるのだと思われる。というのも、単体の新機能はプレビューとして比較的長い間の評価がされているが、Windows 11のデスクトップに関しては、Windows 11のプレビュー開始からしか大規模なフィードバックができない。このため、ウィジェットの天気アイコンの表示位置や非プライマリーモニター以外での時刻、日付表示のような機能追加は、今後もフィードバックなどを見つつ、実行されるのだろう。

 Windows Updateによるバージョンアップを最初に実現したのはWindows 8のときだったが、最初は、巨大なWindowsのアップデートをオンラインで配信しただけだった。Windows 7までは、イメージファイルとインストールプログラムを使わないとアップデートできない構造であり、最初は方法がインターネット経由になっただけだった。

 その後、Windows 10では、アップデートの分割配信や、標準搭載アプリのアップデート分離などが可能になった。ある意味、Windows 10は、Windowsのアップデートを改良するためのバージョンと言える。そのために広範囲の評価をする必要があり、ハードウェアに制限を設けずにアップグレードが無料となったのであろう。

 Windows 11でもアップデートの改良が進む。最終的な目的は、Chromebookのように短時間の中断でアップデートを完了させることと考えられる。MicrosoftはWindows 10Xで仮想マシンを使うことで短時間のアップデートを実現しようとしたが、Windows 10X自体が開発中止になってしまった。Windows 11の状況を見ると、Windowsのアップデートを分割しているように見える。まずは分割して、アップデートを小分けすることで、年1回のメジャーバージョンアップの規模を縮小していくのだろう。

 現在のWindowsのバージョンアップが長時間かかるのは、デバイスの発見に時間がかかっているからだ。対象デバイスが大量で、検出に時間がかかるデバイスがある。Windows 11で対応CPUに大きな制限がかかった裏には、対象デバイス数を減らし、検出に時間がかかる古いデバイスを排除するためという理由もあるのではないか。

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