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開発者を魅了するマイクロソフトの開発プラットフォームを探れ 第4回

Microsoft Developer Dayのキーノートは開発者へのフォーカスをアピール

マイクロソフトがつねに描いてきた未来 開発ツール、コミュニティの価値

2022年02月09日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

提供: 日本マイクロソフト

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 2022年2月3日、日本マイクロソフトは開発者にフォーカスした技術イベント「Microsoft Developer Day」を開催した。キーノートにはマイクロソフトの横井羽衣子氏、井上章氏、小田祥平氏が登壇し、マイクロソフトが描いてきた未来を振り返りつつ、開発者を支えるツールとしてVisual Studio 2022や.NET、そしてコミュニティ活動について紹介した。

キーノートに登壇したマイクロソフトの3人

創立から47年のマイクロソフトが描いた未来、実現してきたこと

 久しぶりの開発者向けイベントである「Microsoft Developer Day」は、キーノートに登壇するマイクロソフトの3人が、会場に並べられた書籍やデバイス、パッケージを懐かしむ場面から始まった。

開始前、スタジオに並んだ懐かしい書籍や最新デバイスにキャッキャする3人

 冒頭、Visual Studioのロゴをあしらったシックな着物姿で登壇した日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズ マーケティング本部シニア プロダクト マネージャ 横井 羽衣子氏は、「地球上のすべての組織と個人がより多くのことを達成できること」というマイクロソフトのミッション、未来をテクノロジーで切り拓くために開発者を支援する姿勢を紹介。まずはマイクロソフトがどのような未来を実現させようとしてきたか、歴史を振り返った。

 47年前、8ビットコンピューターであるAltair(アルテア)のベーシックインタプリタの開発からスタートしたマイクロソフト。その後のWindowsの登場と市場の席捲以降、長らくWindowsの会社、Officeの会社と想起している人も多いかもしれないが、今ではSurface シリーズなどのデバイス、Azureをはじめとしたクラウドサービスまで幅広く手がけるようになっている。そこまで至るさまざまな変化や組織的な新陳代謝を経てなお、ソフトウェア、そしてその基盤となるテクノロジーがルーツであるということを一貫して重視してきた。

マイクロソフト本社に飾られているマイクロソフト創業者のビル・ゲイツとポール・アレンが書いた BASIC のオリジナルコード(マイクロソフト提供)。右上の “1st Software + Code” には、“Microsoft was founded on software for Developers.”と書いてある

 横井氏は「すべての企業は今やソフトウェア企業である」というマイクロソフトのサティア・ナデラCEOの言葉を引用し、変化が激しく、将来の予想が難しい今の時代、企業や組織が生み出す価値の中心がモノや人的リソースから情報やソフトウェアに価値がシフトしてきていると説明する。

 マイクロソフトは長らく技術が実現する未来をイメージしてプロダクトとテクノロジーを進化させてきた。今から22年前の2000年は、まさにWindows 2000がリリースされた年。「ディスプレイも液晶ではなく、大きなブラウン管でした」と横井氏は振り返る。

なつかしのWindows 2000の画面。サーバーOSをGUIで設定できるというのは新しい価値だった

 この年に開催された「Microsoft Forum」で披露されたビデオでは、すでにPDAライクなスマホやタブレットの原型、後のTeamsにつながるようなビデオ会議アプリも見られる。前年ADSLがスタートした日本はまさにブロードバンド前夜だったが、20年後には毎日のようにWeb会議を使う時代になったわけだ。

 当時の開発環境は「Visual Studio 6.0」だったが、.NETはまだなかった。一方で、野心的な機能としてリリースされていたのが、画面の横でイルカのキャラクターがユーザーの質問に答えてくれる「Officeアシスタント」だ。「当時は散々な言われようでしたが、実はある原因から発生する結果を、一定の確率でもって予測するベイジアンネットワークがバックで使われていました」と横井氏は紹介。1993 年から、マイクロソフトリサーチがベイジアンネットワークの活用について取り組んでいたルミエールというプロジェクトの研究成果の実装物だったわけだが、当時はコンピューターリソースも貧弱で、本来の実力が発揮できなかったようだ。

ベイジアンネットワークの実装物だったOfficeアシスタント

未来を具現化した2009年のビデオ そして未来を作り出す開発者

 そして、今から13年前の2009年、マイクロソフトは「Productivity Future Vision」というコンセプトビデオを発表した。コンセプトビデオでは、異なる言語をリアルタイムに翻訳しながらコミュニケーションする子供たちの姿や2画面スマホのような近未来デバイス、現実世界と画面を重ね合わせた今で言うMRなどが登場する。

異なる言語、異なる場所でもディスプレイ越しでコミュニケーションする子供たち

 ビデオを見た登壇メンバーは、「画面の後ろをフリックするとチケットが発行されるなんて、今も実現されていない」(小田氏)、「やたらデバイスが透ける」(井上氏)「当時はなんでもベゼルレスだった」(横井氏)などと思い思いのコメント。とはいえ、Surface DuoやSurface Hubなどすでに実用化されているものもずいぶんあり、未来は確実に実現するものだと思い知る。

 また、ビデオが公開された前年にはMicrosoft Azureの前進となるWindows Azureが PDC (Professional Developers Conference) 2008で発表された。当時、日本のメンバーとして参加した井上章氏は、「現地でWindows Azureの話を聞いてとてもワクワクした。そして、日本のみなさんにAzureをどう読んでもらうかを議論しました。とても懐かしい」と語る。

 横井氏は、「当時、このビデオは社内外で大きな反響を呼びました。実現したらいいなという未来を具体化したものだったからではないでしょうか? そしてこうしたサービスやソリューションを作り出すのが、開発者のみなさまです」とコメントし、マイクロソフト コーポレーション グローバルブラックベルト Azure App Innovation スペシャリストの井上章氏につないだ。

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