カーネルのコピーと.wslconfigの変更
カーネルを差し替える前に「uname -a」で現在のカーネルを確認しておく。その後、vmlinuxファイルをWin32側のフォルダーにコピーする(WSL側には置けない)。ここでは、仮に「c:\temp」フォルダーにコピーしたとする。
次にWin32側の自分のユーザーフォルダーにある.wslconfigを編集する(なければ作る)。カーネル以外はデフォルト値を使うとしたら、以下のリストのようなものになるはずだ。
[wsl2]
kernel=C:\\temp\\vmlinux
なお、パスは自分がvmlinuxを置いたフォルダーを指定すること。また、パス区切りの“\”は、“\\”と記述する必要がある。.wslconfigファイルについてはマイクロソフトのサイトに説明がある。
●WSLでの詳細設定の構成
https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/wsl-config
最後にWSL2を抜け、コマンドプロンプトからWSL2をシャットダウンする。それには、「wsl.exe --shutdown」を実行する。確実に.wslconfigファイルを読み込ませるには、完全に停止する必要がある。
その後、WSL2でディストリビューションを起動し、再度uname -aコマンドなどで、カーネルのバージョンを確認する。バージョンや日付が変わっていれば、カーネルのコンパイルは成功である。もしWSL2が起動しない場合、.wslconfigのkernel行などをコメントアウトするなりして無効化すれば、WSL2の標準カーネルで起動するようになる。
とりあえず、ソースコードの入手からコンパイルまでは今回解説した方法で可能だ。手順だけなら、Linuxカーネルのコンパイルはさほど難しくない。ただ、コンフィギュレーションをどう変更するのかなどに関しては、Linuxのさまざまな仕組みやカーネル自体など、さまざまな知識が必要なので一朝一夕にはいかない。
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