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Windows Info 第313回

WSL(Windows Subsystem for Linux)のカーネルは差し替えられる

2022年02月06日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII

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カーネルのコピーと.wslconfigの変更

 カーネルを差し替える前に「uname -a」で現在のカーネルを確認しておく。その後、vmlinuxファイルをWin32側のフォルダーにコピーする(WSL側には置けない)。ここでは、仮に「c:\temp」フォルダーにコピーしたとする。

 次にWin32側の自分のユーザーフォルダーにある.wslconfigを編集する(なければ作る)。カーネル以外はデフォルト値を使うとしたら、以下のリストのようなものになるはずだ。

[wsl2]
kernel=C:\\temp\\vmlinux

 なお、パスは自分がvmlinuxを置いたフォルダーを指定すること。また、パス区切りの“\”は、“\\”と記述する必要がある。.wslconfigファイルについてはマイクロソフトのサイトに説明がある。

●WSLでの詳細設定の構成
 https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/wsl-config

 最後にWSL2を抜け、コマンドプロンプトからWSL2をシャットダウンする。それには、「wsl.exe --shutdown」を実行する。確実に.wslconfigファイルを読み込ませるには、完全に停止する必要がある。

 その後、WSL2でディストリビューションを起動し、再度uname -aコマンドなどで、カーネルのバージョンを確認する。バージョンや日付が変わっていれば、カーネルのコンパイルは成功である。もしWSL2が起動しない場合、.wslconfigのkernel行などをコメントアウトするなりして無効化すれば、WSL2の標準カーネルで起動するようになる。

 とりあえず、ソースコードの入手からコンパイルまでは今回解説した方法で可能だ。手順だけなら、Linuxカーネルのコンパイルはさほど難しくない。ただ、コンフィギュレーションをどう変更するのかなどに関しては、Linuxのさまざまな仕組みやカーネル自体など、さまざまな知識が必要なので一朝一夕にはいかない。

   

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