実売2万円以下でネットワーク機能が充実したGIGABYTEのマザー「B660M DS3H AX DDR4」は第12世代Coreでの自作に最適
1月から順次販売開始となっている、インテルの新チップセット「B660」搭載マザーボード。先行して市場に投入されているZ690チップセット搭載マザーボードよりも価格的に手頃な選択肢ということで、第12世代Coreプロセッサーとあわせて購入しようという人も多いだろう。
GIGABYTEのB660マザー「B660M DS3H AX DDR4」は、実売2万円以下と安価ながら無線LANや数々の独自ユーティリティーを搭載するなど、シンプルかつ堅実な作りが特徴だ。メモリーはDDR4をサポートしており、PC構築時のコストパフォーマンスに優れていることから、エントリーからミドルまでのコスパ重視の自作で特に活躍してくれるだろう。
この記事では「B660M DS3H AX DDR4」のサンプル機材をもとに、製品の特長や使い勝手などを確認していこう。
1万円台でWi-Fi 6対応、シンプルかつ高コスパ
「B660M DS3H AX DDR4」は、堅牢性を特徴とするGIGABYTEのスタンダードモデル「ULTRA DURABLE」のMicroATXフォームファクターマザーボード。ミドルクラス向けチップセットである「B660」を搭載する製品で、合計9フェーズ(6+2+1)のCPU電源回路、2.5ギガビットの有線LANとWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)無線LANを利用可能な充実したネットワーク機能を実装。一方で実売価格は1万8100円前後と、従来のZ690チップセット搭載製品よりも大幅に安価に抑えられている。
最新マザーボードらしくPCI Express 4.0接続にも対応しており、x16タイプの拡張スロット1つ、M.2スロット2つで4.0対応デバイスを利用できる。上位チップセットを搭載したマザーボードほどの豪華さではないものの、それでも十分というユーザーが大半だろう。なお、M.2スロットは最上段に独立したヒートシンク「M.2 Thermal Guard」を備えている。
第12世代Coreプロセッサーを搭載可能なマザーボードはDDR5メモリーとDDR4メモリーのいずれか片方にのみ対応するが、「B660M DS3H AX DDR4」の場合は製品名にある通りDDR4メモリーのみを利用可能だ。メモリースロットは最大DDR4-5333、容量は最大128GBまで対応する幅があるため、さまざまなメモリー製品を採用しやすい。DDR5メモリーはまだまだ高価な製品も多いが、DDR4メモリーはすでに価格が落ち着いており、すでに述べた通りPC全体の価格を抑えられるのも大きなメリットと言えそうだ。
ストレージはM.2スロット2基に加え、SATA 3.0(6Gbps)コネクターを4つ搭載。M.2スロットはどちらもPCI Express 4.0 x4での接続に対応しているが、金属製ヒートシンク「M.2 Thermal Guard 」は最上段のみに付属しているため、上段のスロットを優先して利用するのがベターだ。
拡張スロットはPCI Express 4.0対応のx16スロット1つ、PCI Express 3.0対応のx1スロット2つを配置。x16スロットは近年流行している金属補強されたタイプではないものの、そのあたりは製品価格を考慮すれば致し方ない印象だ。金属補強はないものの問題なくビデオカードを利用できるため、ミドルクラスまでのゲーミングPC向けに採用するのも選択肢のひとつだろう。
ネットワーク機能はすでに述べた通り、2.5ギガビットの有線LAN、インテル「AX201」によるWi-Fi 6対応の無線LAN機能に加え、Bluetooth 5を利用できる。近年は1万円台のマザーボードでも無線LANを利用できる製品が増えてきているが、環境によって2つのネットワークを使い分けられるのはやはり大きなメリットとなる。専用のアンテナが付属するため、無線LAN通信を利用する場合はアンテナを背面のコネクターに装着しておこう。
背面のインターフェース部にはUSBポートや映像出力端子、2.5ギガビットネットワーク端子、無線LANのアンテナ用コネクターを用意。USBポートはUSB 3.2 Gen2 Type-Cポートが1基、USB 3.2 Gen1ポート3基、USB2.0ポート2基で、計6つと数は多くないものの、必要最低限のポートはそろっている印象だ。I/Oシールドはプリマウント型ではなく、自分でPCケースに装着する必要がある。全体としてコストダウンのための簡略化の影響は見られるが、シンプルながら堅実な作りのマザーボードという印象だ。