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アップル無料プログラミングアプリ「Swift Playgrounds」教育用から脱皮しiPadだけでアプリ開発から公開まで

2022年01月22日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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アプリのプレビュー画面はiPhoneを意識した表示となっている

アプリをネイティブ動作で確認してからApp Storeで公開へ

 Appギャリーのテンプレートから作成したプレイグラウンドでは、すでに見たように右側の領域で、リアルタイムに見た目や動作をプレビューすることができた。しかし、それだけでは、実機上で実際にどのように動くのかは確認できない部分もある。しかもこのプレビューは、縦長の画面で、基本的にiPhoneで動かした場合に近い状態をプレビューするものとなっている。

 今回のSwift Playgroundsでは、このようなプレビュー画面だけでなく、実際にiPadのネイティブに近い環境で、つまりiPadのフル画面を使って動作させて、動きを確認できるようになっている。ソースコード編集画面の左上の3つのボタンの右側の「▶」ボタンをタップすればいい。

iPadのネイティブに近い環境でのアプリの動作確認も可能

 この動作は、現状ではiPad画面でしか確認できないが、これにiPhone画面のシミュレーション機能が加われば、iPhoneアプリを開発する際にも、強力なツールとなるはずだ。これは、今後の機能追加に期待したい。

 Swift Playgroundsで作成したアプリをApp Storeで公開するには、サイドバーにある「App設定」をタップして、アイコンを設定したり、サービスにアクセスするための許可を得る際の説明文などを設定する必要がある。

「App設定」によって、公開するアプリの仕様を設定し、その場でアップロードが可能

 ただし、App Storeで公開するためには、Apple Developer Programに有料会員(年間99ドル=およそ1万1260円)として正式に登録したアカウントが必要となる。これは、アプリのプログラミングを始めたばかりのアマチュアのプログラマーにとっては、かなり敷居の高い部分と言える。

 以前から感じていることだが、Swift Playgroundsのユーザー同士が気軽に成果を見せ合って、ほかのユーザーの作品から学んだり、気に入ったアプリは気軽に自分のiPhoneやiPadにインストールして動作を確認できるようなフォーラムのような場が欲しい。それがあれば、このSwift Playgroundsアプリの世界が、さらに大きく広がることは間違いない。このあたりは、アップルに期待するしかないが、強い要望として挙げておきたい。

 今回のSwift Playgroundsは、これまででもっとも大きく、重要な進化を果たしたアプリであることは間違いない。利用するにはiPad OS 15.2以降が必要となる。この条件にマッチするiPadを持っている人は、是非にでも使ってみて欲しい。このアプリを利用しなければ、iPadの真価は半分も発揮できないと断言できる。

 

筆者紹介――柴田文彦
 自称エンジニアリングライター。大学時代にApple IIに感化され、パソコンに目覚める。在学中から月刊ASCII誌などに自作プログラムの解説記事を書き始める。就職後は、カラーレーザープリンターなどの研究、技術開発に従事。退社後は、Macを中心としたパソコンの技術解説記事や書籍を執筆するライターとして活動。近著に『6502とApple II システムROMの秘密』(ラトルズ)などがある。時折、テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」の鑑定士として、コンピューターや電子機器関連品の鑑定、解説を担当している。

 

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