アルマイト処理を施したアルミニウム製の大型ヒートスプレッダを採用
CORSAIRのDDR5-5200MHz駆動メモリー「DOMINATOR PLATINUM RGB」を試す! 安定動作で鮮やかなRGBも魅力
2021年12月23日 11時00分更新
DDR4より大幅に高速化したDDR5メモリー
さて、DOMINATOR PLATINUM RGB DDR5を紹介する前に、そもそもDDR5メモリーとDDR4メモリーはどう違うのか、DDR5メモリーにどういった特徴があるのかを確認しておこう。
先述したとおり、DDR5メモリーのもっとも分かりやすい特徴は、高速なデータ転送速度だ。従来のDDR4メモリーが規格としてサポートしていた動作クロックは最大3200MHzだが、DDR5メモリーは最低でも3200MHz、最大で6400MHzと、従来の2倍の速度をサポートしている。
ちなみに、第12世代Coreプロセッサーが公式にサポートするメモリーの動作クロックはDDR5-4800(4800MHz)。DDR4-3200が当たり前だった時代よりも大幅に高速化しているのがわかるだろう。
加えて、メモリー1枚あたりのデータチャンネルを2つに分割し、バースト長・メモリバンクを増やすといった高効率化がなされているため、仮にDDR4とDDR5を同じ動作クロックで動作させても、実際の帯域幅はDDR5メモリーの方が圧倒的に上になる。動作電圧もDDR4メモリーより0.1V低い1.1Vに調整されており、あらゆる面で従来製品の上位互換といえる、まさに次世代規格にふさわしいメモリーというわけだ。
なお、DDR4とDDR5メモリーには互換性がないため、DDR5対応のスロットを備えたマザーボードにDDR4メモリーを挿して動作させる、あるいはDDR4のスロットにDDR5メモリーを装着することはできない。実際、販売中のZ690マザーボードはDDR5メモリー対応製品とDDR4メモリー対応製品に分かれており、DDR5対応スロットはミドル~ハイエンド向けのマザーに採用されることが多い傾向だ。
販売状況としては、現在はDDR5メモリー自体の供給が始まって間もないこともあり、4800MHz以上のクロックで動作するメモリーモジュールはごく少数にとどまっている。「DOMINATOR PLATINUM RGB」のように5000MHz越えの動作クロックを実現している製品は貴重といっていいだろう。
高輝度RGB採用のきらびやかな外観、「iCUE」によるモニタリングも
さっそく、DOMINATOR PLATINUM RGB DDR5の外観や特徴を確認しよう。
基本的な性能についてはすでに述べているが、動作クロックは最大DDR5-5200の高速動作をオーバークロックでサポート。容量は32GBキット(16GB×2)または64GB(32GB×2)の2種類をラインアップしている。厳密なテストとスクリーニングを実施して選別したICチップだけを採用することで、高い動作クロックを実現しているのは、従来のCORSAIR製品と同一だ。
外観はRGB LEDによる発光機能を備えた大型のヒートスプレッダが印象的なデザインで、製品カラーはブラックとホワイトの2種類を用意している。アルマイト処理を施したアルミニウム製の大型ヒートスプレッダは、同社のメモリー製品ではおなじみの冷却システム「CORSAIR DHX Cooling Technology」を採用。
ICチップとPCB基板の双方から放熱させることで、高い冷却性能をうたっている。一方で、ヒートスプレッダが大型なぶん高さはあるため、CPUクーラーとの干渉には注意が必要かもしれない。
ヒートスプレッダ上部に配置された12個の「CAPELLIX RGB LED」は、個別にアドレスの指定が可能。無料でダウンロードできるCORSAIRの専用ユーティリティー「iCUE」を使用することで、ライティングパターンやカラーを変更できる。本体カラーも2色でなじませやすいため、見栄えを意識したMOD PCなどにも採用しやすいだろう。
また、「iCUE」にはメモリーを含むハードウェアの温度をモニタリングできる機能が用意されている。実際に利用してみたところ、センサーによる温度や消費電力、電圧のリアルタイム監視はもちろん、「メモリーの温度が一定以上になった場合にPCに特定の動作をさせる」といったアラート機能も用意されており、使い方次第では非常に便利だと感じた。
たとえばメモリー温度が70度以上になった場合にファンの回転を100%にする、RGB LEDをすべて起動させる、特定のファイルを実行するといった挙動を設定可能だ。