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あえてオンプレミスで名刺管理システムを提供する理由とは?

名刺データをユーザーに取り戻す Skyの新サービス「SKYPCE」の挑戦

2021年12月15日 10時30分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII 写真●曽根田元

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使える名刺データのためにすべて人手のチェックをかける

 IT部門による導入・運用を前提としたSKYPCEだが、当然ながら使い勝手にもこだわっている。タブレットやスマホアプリから名刺をスキャンすると、Sky側に暗号化された状態でデータが届く。Skyではこれを画像データから検索可能なテキストデータに変換し、ユーザー側の管理サーバーにデータを戻されるという流れになる。

使い勝手にもこだわったSKYPCE(開発中の画面)

 特徴的なのは、テキストデータ化の過程で必ず人手のデータチェックが入る点。これに関して金井氏は、「OCRだけの名刺管理製品って世の中にいくつもあるんですが、小文字のlと数字の1を間違えたり、複数部署の兼任が認識されなかったり、活字を使った会社のロゴが誤認識されることがままあります。でも、名刺データを営業支援や顧客管理のシステムで使おうと思ったら、メールアドレスが1文字違うだけでデータとして使い物にならないんです」と指摘する。企業システムで利活用しようと思ったら、やっぱり精度の高いデータが必要になるが、SKYPCEでは人の手によるチェック工程を入れて、使える名刺データとしてユーザーに納品するわけだ。

 そのため、オンプレミス製品でありながら、SKYPCEはユーザー単位のライセンス料が発生する。ただし、月額料金で1人1ヶ月20名刺分のスキャン込みで、電話サポートや保守費、バージョンアップの費用まで含まれるという。

 とはいえ、全数のデータチェックは負荷が重いはず。金井氏に聞くと、「われわれは大規模なソフトウェア開発を手がける会社なので、大人数のチームでプロジェクトを回すのは、むしろ本業。もちろんデジタルカメラや自動運転などのソフトウェア開発で、AIやOCRの技術も次々導入しています。だから、できる限りコンピューターを使い、最後は人手をかけて精度を担保しています」と説明する。ソフトウェア開発会社としての強みをとことん活かして、精度やスピードを補っているわけだ。

会社で集めた名刺の共有を当り前のように実現する

 対象となるユーザーは、個人の管理となっている名刺を会社で管理したいと考えている企業、情報の取り扱いポリシーがきちんと決まっており、情報を自らハンドリングしたいという企業になる。今も名刺管理を個人に任せている企業は多い。これに対してSKYPCEは、企業の情報管理を担うIT部門が自社のポリシーで運用する名刺管理システムになる。「業務で得た名刺の情報は本来会社で管理すべきもの。その点、SKYPCEは全社の名刺を一元的に管理する仕組みとしてIT部門にお届けできるわけです」と金井氏は語る。

 さらに精度の高い名刺情報を得られるので、営業支援や顧客管理などのシステムに利活用したいと考えているユーザーにも最適だ。Skyから納品された名刺データはSKYPCEのサーバーを介して社内で共有し、自由に使うことができる。名刺のアドレスに対してメールマガジンを登録するといったマーケティング活動、営業部門の担当者の引き継ぎ、年賀状や暑中見舞い、お歳暮の送付といった総務での利用など、正確な名刺情報だからこそ有効活用できるシーンはいっぱいある。当然、広告が入ることもないし、外部のメンバーから営業されることもない。自社のために集めた名刺データを社内で共有するという、名刺管理システムとして当たり前のことを当たり前のように実現するのがSKYPCEだ。

 SKYPCEの発売は2022年の1月26日とすでに決まっているのだが、全社ぐるみで使ってきたフィードバックを得て、Skyはギリギリまでチューニングを続ける予定だ。「名刺管理システムって、営業や総務など決してコンピューターに詳しいわけではないビジネスパーソンが使います。だからこそ、顧客目線での操作性や使い勝手はすごく大事だし、それは自分たちがまさに得意とする部分ですよ」(金井氏)とのことで使い勝手にもこだわる。

 そして、リリース後も早々にバージョンアップをしていく予定。「コロナ禍の影響でオンライン会議がけっこう普及したのですが、それにともなって名刺交換できなくなったという声が増えています。だから、オンラインで名刺交換できないかと思っています。これがバージョンアップの最大のテーマですね」と金井氏は語る。SKYPCEのチャレンジはまだ始まったばかりだ。

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