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仕事に差がつく!阿久津良和「Microsoft 365のスゴ技」 第35回

Teamsが単独アプリに――「Microsoft Teams Essentials」が登場

2021年12月07日 09時00分更新

文● 阿久津良和(Cactus) 編集●MOVIEW 清水

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 本連載は、マイクロソフトの「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Microsoft 365 Apps(Office 365)」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。今回はMicrosoft Teams Essentialsに注目した。

中小企業を念頭に置いて設計されたスタンドアロン製品「Microsoft Teams Essentials」

 Microsoftは現地時間2021年12月1日、「Microsoft Teams Essentials」を発表した。従来のMicrosoft TeamsはMicrosoft 365 BusinessやOffice 365 E3/E5に含まれていたが、Microsoft Teams Essentialsは独立したアプリである。同社は前述したリンク先の公式ブログで、「世界は『古い』働き方へ戻らない。中小企業は新常態で繁栄するために設計されたソリューションを必要としている。Microsoft Teams Essentialsは中小企業を念頭に置いて設計したMicrosoft Teams最初のスタンドアロン製品」(Microsoft CVP for Microsoft 365, Jared Spataro氏)だと解説している。

Microsoft Teamsソリューションの国内価格

 Spataro氏は「最長30時間の無制限グループ会議」「1つの会議に対して最大300人参加可能」といったMicrosoft Teams Essentialsの特徴を並べつつ、1ユーザーあたり10GBのクラウドストレージや、4ドル(日本は税別430円)と安価であることを強調した。製品紹介ページでは各製品の機能差も紹介しているが、以下に筆者がまとめた表を提示する。

Microsoft Teamsソリューションの機能表

 Microsoft Teams Essentialsはオンライン会議の録画や文字起こし、小会議室として利用するブレイアクトルームは使用不可能。単独アプリのためMicrosoft 365 Appsのデスクトップアプリは使用できない。セキュリティや管理機能も十分とは言いがたい。このあたりが“中小企業のためのMicrosoft Teams Essential”と主張する理由で、Microsoftは「レストランから小売店、プロフェッショナルサービスまで小規模な企業が、新しい方法で顧客と簡単に出会い、コラボレーション、コミュニケーション、サービスを提供できる」(Spataro氏)と利用場面を説明している。また、非営利団体や学校、コミュニティーグループでも利用も想定しているようだ。

 国内の中小企業におけるオンライン会議ソリューションの利用法場面を見ていると、オンライン会議参加可能人数100人、会議時間は60分までの無料版Microsoft Teamsでも十分に思える。そもそも1時間以上の会議は不効率という意見は少なくない。オンライン会議経験者ならご承知のとおり、相手の発言を聞き終えてから発言しないと音声が衝突して聞きにくくなってしまう。上長からの報告や訓示であれば参加可能人数は重要になるものの、無料版の100人とMicrosoft Teams Essentialsの300人の差に魅力を感じるか否かが、Microsoft Teams Essentialsを導入する判断材料の1つになりそうだ。

 もちろんMicrosoft Teams Essentialsの利点もある。クラウドストレージとして、1ユーザーあたり10GBが付与される点だ。無料版Microsoft Teamsは共有ストレージとして5GBまで使用可能だが、従業員数名の中小企業でも5GBでは何もできない。チャネルでファイルを共有し、共同編集後に客先へ提出するようなワークフローを持つ中小企業であれば、業務効率が改善する可能性は高い。現在Microsoft 365 Business/Office 365を未導入で、コロナ禍における顧客対応や従業員同士の共同作業に課題を抱えている中小企業は、Microsoft Teams Essentialsの存在を意識すべきだ。

Microsoft Teams Essentialsから共同編集を実行できる(画像は公式ブログより抜粋)

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