AI/機械学習も用いたパブリッククラウドのWAF自動運用サービス、AWS、Azureに続いて
サイバーセキュリティクラウド「WafCharm」がGoogle Cloudにも対応
サイバーセキュリティクラウドは2021年11月25日、パブリッククラウド上のWebサイトを保護するWAF(Web Application Firewall)の自動運用サービス「WafCharm(ワフチャーム)」を、新たにGoogle Cloudにも対応したことを発表した。「WafCharm for Google Cloud」として提供を開始する。
WafCharmは、世界中のWebサイトに対するサイバー攻撃のパターンをAIに機械学習させ、パブリッククラウドが提供するWAFルールをユーザーごとに自動で最適化するサービス。これにより、専任のセキュリティエンジニアがいない企業でもパブリッククラウドのWAFサービスを活用できる。
機械学習を用いて最適なWAFルールを自動運用するAIエンジン「WRAO(ラオ)」と、クラウド型WAF「攻撃遮断くん」で培った累計2兆1000億件以上のビックデータを活用し、ユーザーごとに最適なルールを自動で適用。サイバー脅威情報監視チーム「Cyhorus」により、最新の脅威にもいち早く対応することができる。
WafCharmは2017年、Amazon Web Servicesが提供する「AWS WAF」ユーザー向けにサービス提供を開始。Microsoft AzureのWAFに対応する「WafCharm Azure版」も、2020年から提供している。今回はGoogle CloudのWAF「Google Cloud Armor」に対応した自動運用サービスとなる。
サイバーセキュリティクラウド 代表取締役CTOの渡辺洋司氏は、「3つのパブリッククラウドに対応したことで、世界シェア65%のパブリッククラウドプラットフォームをカバーできる」と述べた。
「(WafCharmは)これまでに国内で500社以上の企業が利用しており、導入ユーザー数は国内ナンバーワンとなっている。今後、クラウドを活用してサービスを展開していく企業が、WafCharmによってセキュリティ対策を行うことができ、安心してクラウドを利用できるようになる。また、3つのパブリッククラウドに対応したことで、グローバル市場もターゲットになると考えている」(渡辺氏)
Google Cloud Armorはアプリケーション特性に合わせたカスタマイズができる特徴を持つが、その一方で、最適なルール作成やチューニングには専門的な知識を持つ担当者が必要だったと指摘する。
「WafCharm for Google Cloudは、最適なルール作りがわからない、WAF運用専任の人材を用意できない、新規脆弱性への対応に手が回らない、誤検知やトラブル対応に時間がかかるといった課題を解決できる」(渡辺氏)
自動でWAFルールを最適化するため運用の手間がかからないほか、日本語サポートも提供して専任者なしでの導入を可能とする。また初期費用無料、月額5000円から(エントリープラン)利用できる料金設定も特徴としている。Webサイトのアクセス量に応じてエントリー、ビジネス、エンタープライズの3プランを用意しており、30日間の無料トライアルも提供する。
今回、WafCharm for Google Cloudを取り扱う新たな販売代理店として、アイレットと契約を結んだことも発表した。アイレットはクラウド総合支援サービス「cloudpack」を提供しており、2300社以上の導入実績を持つ。Google Cloudのプレミアサービスパートナー認定、マネージドサービスプロバイダー認定も取得している。
またアイレットでは、AWS向けのWafCharmを取り扱ってきた実績も持つ。アイレット 執行役員の後藤和貴氏は、「企業がパブリッククラウドをより良いツールとして活用するうえでは、専門的知識を持ったクラウドインテグレータの存在が必要であるが、セキュリティ領域ではより高い専門性が求められる。SIのなかにWafCharmを組み込み、信頼性の高いサービスを、Google Cloudに向けても提供できる」などと述べた。
サイバーセキュリティクラウドの渡辺氏は、「企業のDX化が必要不可欠となり、パブリッククラウドへの移行、拡大が進展している。だが、パブリッククラウドは機能の多さや複雑さによる構築の難しさに加えて、セキュリティ対策には専門家が必要な領域と捉えられているのが現状だ。今後、パブリッククラウドの構築や運用サポートを得意とする企業との提携を強めていき、セキュリティが担保された安心安全なDXをサポートするところに、WafCharmを活用し、セキュリティ課題の解決に取り組む」と述べた。