シートカバーを塗装して交換します
モトコンポのカラーリングを米海兵隊の砂漠色バイク「M1030M1」に近づけるべく絶賛奮闘中のワタクシ。カウルとフェンダーをサンドカラーで塗装し終え、次はシートの色変えです。
M1030M1のシートは茶色っぽい色をしているので、それに合わせて純正の黒から茶系にカラーチェンジ。いきなりシートを塗ると失敗した時のリカバリーが大変そうなので、モトコンポ専用のシートカバーを購入して塗装しました。
使った塗料は「染めQ」のライトタン。赤味を抑えた茶色という感じで、ミリタリーな色合いが気に入っています。
染めQは塗ったあと30分ぐらい経てば十分乾燥するらしいんですが、急いでいるわけじゃないし確実を期したいので、丸1日触らずに置いておきました。これで乾燥は完ペキ。触ったりグイグイ引っ張ったりしても大丈夫です。
シートを外すのがちょっと大変
シートカバーというとママチャリのビニールカバーのようにシートに被せる物を想像してしまいがちですけど、このシートカバーは張り替えタイプ。シートを覆っている元の表皮を剥がして交換します。
で、交換作業をするにはまずシートを車体から外さないといけないわけなんですけど、モトコンポの場合はそれがすこし面倒。普通のバイクと違って車体内にシートを格納できるようになっているため、上下に動くシートフレームに固定されていて、簡単には外れてくれないのです。
シートが前や横に持ち上げられるならオープン状態にしておいてヒンジ部分を分解すればいいんですけど、モトコンポのシートはシートフレームにガッチリ固定されていて開くようには作られていません。しかもシートを固定しているボルトが裏側にあるためよく見えないし、狭くて工具も入りにくいっていう。
こういう時は、そのままやろうとすると往々にして余計に時間がかかるもの。多少面倒でもシートフレームごと外して作業した方が、結果として早かったりします。急がば回れって言いますし。
シートフレームを固定しているボルトには以前レギュレートレクチファイアを共締めにしているのでそれを外さなくちゃいけないし、上下の状態をチェックするスイッチが繋がっているので、その配線も外さないといけません。それでも、シートフレームごと外した方が早いはず。
というわけでシートフレームとシートを一緒に外したあと、シートとシートフレームを分離させます。シートは裏側4ヵ所でシートフレームに固定されていました。ナットを外すとシートを取り外せます。
これでようやく準備が完了。いよいよ張り替えに挑戦です。
表皮を剥がします
シートの表皮はタッカーで固定されていました。タッカーはデカいホッチキスのようなもので、ホッチキスと違うのは針がまっすぐ刺さっている点。ホッチキスは対象物を挟んでバチンと針を曲げて留めますが、タッカーは打ち込むだけです。
まずはこの針を抜き取ります。
針を外すには専用ツールがあるのかもしれないですけど、手近にあったマイナスドライバーを使いました。ドライバーを突っ込んで浮かせ、ラジオペンチで引き抜く作業の繰り返しです。
バイクによってはタッカーだけでなく接着剤が併用されていることもあるそうですけど、モトコンポのシートはタッカーのみでした。おかげで抜くだけでオーケー。針は全部で40個ぐらいありましたが、それほど強く食い込んでいるわけでもなく、あっという間に抜き終わりました。
シートカバーを外すとウレタンが出てきます。アンコとも呼ばれる、シートの中身ですね。昔乗っていたモトラというバイクはシートが切れて雨水が入り込んだせいか、このウレタンが茶色く変色してグズグズになっていたんですけど、このシートはいたって綺麗でした。これなら補修は不要。何の問題もなく再利用ができます。
初めてのタッカー
シートカバーを剥がし終わったら、今度は逆の手順で新しいシートカバーを付けていきます。まずはざっくり被せてみます。
ちょっと波打っていますが、ほぼピッタリサイズです。さすが専用設計。このままタッカーで固定するとユルユルになってしまうので、引っ張りながらとめていきます。
タッカーは自宅にあった物。ワタシによくありがちな現象ですが、いつ買ったのか覚えていないタッカーがパッケージも開けないまま道具箱に入れられていました。当然一度も使ったことがないので使い方もおぼつかないですが、とにかくやってみます。
針をセットしたら、いざ実践。押し付けながらハンドルをグッと握り込んでいくと、バチンと針が射出されました。
結果は上々。ウソみたいに簡単です。こんなホッチキスみたいな工具でプラスチックに針を刺せるのかなと疑っていましたが、全然大丈夫でした。
あとは同じようにして留めていけばオーケーです。
ここで一つだけ注意しなくちゃいけないのは、説明書通りに射出口の上を片手でグッと押さえつけておく点です。片手でやったら射出口がシートカバーから離れてしまい、針が浮いて斜めになったり、隙間が空いたりしてしまいました。やっぱり横着はいけませんね。
完成かと思いきや……
とりあえず前側を全部留めてみたところ、角のところに少しシワができてしまいました。たるんでしまっています。
このまま進めるとシワが残ってしまうので、端から2、3個針を抜いて、ギュッと引っ張ってやり直します。
このあと順番にぐるっと一周とめていくと、ちょっとずつズレていって最後に大きくシワになりそうな気がしたので、前が終わったら後ろを留め、そのあと左右の順に留めていきました。
全周留めたら完成! と思ったのですが、ここで凡ミスに気づいてしまいました。
失敗を誤魔化して張り替え完了
このシートカバーは前後の部分が別パーツになっているため縫い目があり、ほつれ防止でしょうか、その部分にパイピングが施されています。そこに落とし穴が……。
シートカバーをグイグイと引っ張ったためパイピングのところの溝も広がったんですけど、溝の中の方がちゃんと塗れていなかったんですよね。当たり前と言えば当たり前。しっかり広げて塗装すべきでした。
今さら悔やんでも仕方ないので、最悪の場合はもう一度全部塗るとして、リペアにトライします。パイピングに沿って塗料をシューっと吹き付けていきました。
それなりにごまかせたのかな。前後どちらにも黒いラインが見えていましたが、幸い、他の部分と色が違ってしまったりすることもなく直せたようです。
こういう“よく見ないとわからないエラー”って、気になるのは自分だけだったりするんですけどね。気づいちゃったからには直さずにはいられなかったんですけど、自己満足程度のことかもしれません。
ともあれ、張り替えはこれで完了です。
元通り取り付けて完成!
最後は取り付け。張り替えたシートとシートフレームを合体させます。
シートの4本のボルトにシートフレームをはめ込み、ナットで固定。パイピングのところの塗り残しがさっき以上にひどいですが、裏側なのでスルーです。
シートをシートフレームに取り付けたら、車体にシートフレームを戻します。外したレギュレートレクチファイアを共締めし、上下チェックのスイッチの配線も忘れずに接続。カウルを取り付けたら完成です。
色的にはかなり自分のイメージに近い感じになりました。これこそ自己満足ですけどね。あとはシート前に取り付ける、中身を隠すためのトップカバーをどうするかです。
1個しか持ってないからミリタリー風にするか純正状態にするか、どちらか一つしか選べません。まあでも純正色のカウルを付けるときは当然フル純正にしたいし、中古カバーも高いからミリタリー用は自作かな。
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