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超パワーなM1 Pro/M1 Max搭載のMacBook Pro登場 新型AirPodsも! 第7回

他の追随を許さないM1 Pro搭載14インチMacBook Pro

2021年10月19日 18時30分更新

文● 本田雅一 編集●飯島恵里子

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アフターバーナー付きMac Proを超える
動画処理性能のM1 Pro/M1 Max

 実はM1には搭載されていないのがメディアエンジンという動画処理専用回路が、M1 ProとM1 Maxに搭載されている。ちなみに新しい二つのプロセッサ間でも性能差があり、M1 MaxのメディアエンジンはProRes処理とビデオエンコードを行うための回路が2系統搭載され並列に動作させることができる。

 ProRes RAWの現像といった極めて重い処理などで活躍するのだが、M1 ProでもMac Proの28コアXeon Wプロセッサにアフターバーナーをオプションで加えた場合よりもProResの処理は高速というから驚きだ。

 こうした多様な、そして特別な処理のためのプロセッサが混在し、その性能がいかんなく発揮できるのは、前述したように超広帯域の共有メモリアーキテクチャにある。あらゆるプロセッサをひとつのチップに収めるSoCという形態を維持したまま、ハイエンドのクリエイター向けパソコンに求められる規模にまで拡張したのには恐れ入る。

 メディアエンジンは、それを活用するアプリケーションの性能を上げるものだが、GPUやNeural EngineなどはAPIを通じて間接的にも活用されているため、アップル製以外のアプリケーションでもその価値を活かせる。新型MacBook Proの発表ではアップル製アプリケーションだけではなく、サードパーティ製アプリケーションの性能も劇的に向上しているとアナウンスされているが、それもこの数年をかけて準備してきた成果と言えるだろう。

 新しいMacBook Proは14インチモデルも16インチモデルも、業務の中で高品位な映像や音楽制作を行うためのベストな成果が得られるようになっており、とりわけ動画製作においてはモバイルコンピュータで比肩する製品はない。

まさにプロクリエイターのための
では、自分用としては?

 MacBook Proは他に換えがたい製品になりそうだが、その価値は性能だけではない。

 詳細な評価は製品で下したいが、これまでの経緯を踏まえればスピーカーやマイクの音質、それにFacetime HDカメラの画質については期待通りの結果が得られるだろう。

 iPad Pro 12.9インチモデルで証明されているように、ミニLEDを用いた1000分割ローカルディミングバックライト液晶も他にはない。広い色域とHDR映像をロールオフすることなく正確に表示できるモバイルPCディスプレイなど聞いたことがない。それに複数の4K解像度以上のディスプレイを接続できるThunderbolt 4ポート、HDMI端子、SDXCスロットなどはクリエイターでなくとも欲しい装備に違いない。

 しかし、クリエイターではない(文字を書くことが主体の筆者など)自分たちにはややオーバーな性能ではないだろうか?M1を搭載するMacBook Pro 14インチモデルが欲しいう声は今後、出てくるに違いない。

 一方でよりユーザーターゲットが明確になったとも言える。新しいMacBook Proはまさにプロクリエイター向け。メディア製作などを生業にしているのであれば、投資に対する見返りのある高性能Macである。

 

筆者紹介――本田雅一
 ジャーナリスト、コラムニスト。ネット社会、スマホなどテック製品のトレンドを分析、コラムを執筆するネット/デジタルトレンド分析家。ネットやテックデバイスの普及を背景にした、現代のさまざまな社会問題やトレンドについて、テクノロジ、ビジネス、コンシューマなど多様な視点から森羅万象さまざまなジャンルを分析する。

 

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